世界遺産の観光スポット、勝連城の歴史や魅力について学ぼう!

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世界遺産の観光スポット、勝連城の歴史や魅力について学ぼう!

沖縄県には、琉球王朝の都だった首里城跡や北山王の居城だった今帰仁(なきじん)城跡など、世界遺産に登録されている城跡(グスク)が5か所あります。今回ご紹介する「勝連(かつれん)城跡」は、5城のなかで最も古いともいわれるグスク跡。この記事では、勝連城の栄枯盛衰の歴史や見どころについて詳しく解説していきます。

目次

世界遺産の観光スポット、勝連城の歴史や魅力について学ぼう!

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1. 勝連城跡とは?

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勝連城跡は那覇市の北東、うるま市の与勝半島の付け根付近に位置しています。標高100mの急峻な丘の上に建ち、土地の高低差を上手く利用しているのが特徴です。「布積み」という、切石を水平に積んだ石垣が美しく、訪れる者を圧倒します。

城内は北城と南城の大きく2つのエリアに分かれていて、現在観光名所として整備されているのは前者。4つの平坦地を階段状に配置していて、本丸にあたる一の曲輪(くるわ)まで登るのはひと苦労です。一の曲輪からは、北側に金武湾(きんわん)から山原(やんばる)地方が、南側は中城湾(なかぐすくわん)から知念半島まで見渡すことができ、沖縄有数の絶景スポットでもあります。

世界遺産であるにもかかわらず、無料で見られるのも多くの観光客を集める理由の1つ。駐車場も整備されているので、レンタカーを使えば容易に訪れることができます。公共交通機関の場合は、那覇バスターミナルから与勝線(52番)に乗って、「勝連城跡前」バス停で下車すれば目の前に見えます。

2. 勝連城の歴史 

実在した可能性が高いなかでは最古といわれる沖縄の王朝「英祖王統」によって、13世紀末~14世紀初めごろに築かれたとみられています。その後は按司(あじ)と呼ばれる王族が支配しました。

15世紀に入って阿麻和利(あまわり)という人物が、圧政を敷いて遊興に耽っていたといわれる9代目の勝連按司茂知附(もちづき)を倒し、勝連城主となります。阿麻和利は勝連城を中心に海外貿易を推し進めて着実に力をつけ、ついには琉球統一を考えるほどに成長しました。しかし、懐柔策として阿麻和利の妻とされていた琉球王の娘百度踏揚(ももとふみあがり)がこれを知って首里城に駆け込み、1458年に機先を制した国王軍によって阿麻和利は攻め滅ぼされたといわれています。

地元では今も阿麻和利を名君とする「おもろ(伝承)」が残り、勝連城内からは中国産の陶磁器などが大量に出土したことからも、勝連の繁栄ぶりうかがえます。沖縄最古の歌謡集『おもろさうし』には、「勝連わ何にぎゃたとえる 大和の鎌倉にたとえる」と歌われ、勝連は鎌倉にたとえられるほど栄えていたのです。しかし、勝連城も勝連の町も、阿麻和利の滅亡によって廃れてしまうことになりました。

3. 勝連城跡の見どころ

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勝連城跡の麓には、観光客用の駐車場と案内所があります。ここからすでに城の全景や石垣を望むことができるので、まずはじっくり全体像を眺めるとよいでしょう。なだらかなカーブを描いて積み上げられた石垣の曲線美が実感できます。

かつての勝連城は、青空を背景に丘の上にそびえ立つようすが巨大な帆船にたとえられたといいます。当時の姿を想像しながら見上げてみると楽しいですね。勝連城のある丘は、周囲の斜面が急勾配なので、足もとには十分気を付けて観光してください。またスマートフォンでバーチャルツアーが体験できたり、音声ガイダンスを聞きながらお城をめぐれる工夫も施されています。

それでは、3か所ほど具体的な見どころをご紹介しましょう。

三の曲輪の城門

出典: Ryu / PIXTA(ピクスタ)

案内所から信号を渡って城跡への道を登ると、北城と南城の間の鞍部に出ます。ここから北城を望むと、三の曲輪の高々とした石垣に圧倒されることでしょう。その規模の大きさと技術の精緻さは、阿麻和利の権勢と野望を推し測るには十分です。

勝連城址を代表する景色なので、忘れずに写真をたくさん撮っておきましょう。帰りも同じルートを通るので、上りと下りで2度その石垣の凄さを実感してください。

殿舎跡

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三の曲輪の上は、二の曲輪、一の曲輪と続きます。二の曲輪は、三の曲輪と打ってかわって勝連按司の居住エリア。低い基壇の上には礎石が並んでいて、大きな殿舎があったと推察されています。

阿麻和利ら歴代の勝連按司が実際に暮らしていた建物と考えられていて、城内の見どころの1つとなっています。

一の曲輪

出典: はるのぶ。 / PIXTA(ピクスタ)

本丸にあたる一の曲輪は、周囲を崖と石垣に囲まれた堅固な空間です。中心にはタマノミウジ御嶽(うたき)という祭祀場があり、戦時をはじめさまざまな儀式がとり行われていたと考えられます。

現在の一の曲輪の魅力は、なんといっても360度開けたパノラマの眺望!両側には海が広がり、同じうるま市の観光名所である海中道路を望むこともできます。この場所に立てば、琉球統一の志を抱いた阿麻和利の覇気に共感することができるでしょう。

4. 勝連城跡の発掘

勝連城跡では、今も発掘や修復作業が進められています。前述の通り多くの中国製の陶磁器が発見され、勝連が海外交易の一大拠点であったことが明らかとなっています。

これに加えて、2013年の調査で10枚の金属製品が発見され、その後のX線分析により4枚がローマ帝国時代のコインであると確認されました。築城から1000年以上も前の西洋のコインがどうして勝連城跡から発掘されたのか、今後の研究が期待されます。

5. 勝連城跡休憩所  

駐車場に付属して、勝連城跡休憩所があります。館内は休憩所のほかに観光情報コーナーやうるま市の物産を販売する「うるまーる」があります。さらに休憩所の縁側には、本物かとおもうほどそっくりに作られた「東江ツルおばぁちゃん」縁側に腰かけています。館内を少し入ってちょうど振り返ったところにいらっしゃるので、ちょっとビックリ!これも勝連城跡の名物なので、しっかりご挨拶して行ってくださいね。

お土産は、ちんすこうやうるま市特産の黄金芋を使ったスイートポテト、パパイヤ餡の入ったとろろ焼きなどの食べ物系がそろっています。また勝連城跡のTシャツや手ぬぐいなどのお城グッズも並んでいるので、お城好きにはおすすめですよ。

◎まとめ

勝連城は世界遺産のほか続日本100名城に指定されていて、沖縄県を代表するお城跡の1つとなっています。沖縄本島のメインの観光エリアからは若干離れていますが、海中道路や同じく世界遺産の中城城などと合わせて立ち寄ってみてください。登るのはちょっと疲れますが、建物はないので所要時間もそれほどかからず観光できます。

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