屋島の観光スポット10選 那須与一から空海まで、歴史を体感できる島

出典:園田義久 / PIXTA(ピクスタ)

瀬戸内海にまるで屋根のような形で浮かんでいる島、それが「屋島」です。香川県高松市の土地として浮かぶ屋島は、島全域が国の天然記念物として1934年(昭和9年)に登録されました。以降、屋島といえば高松市のシンボルとして長年親しまれてきています。人々を魅了してやまない屋島ですが、一体、どのような観光スポットがあるのでしょうか。

◎屋島の特徴

そもそも屋島という名前がついた由来とは、山頂が屋根のように平らな形をしているからだと言われています。山頂といっても、島の中にあるいくつかの山のうち、その一つが屋根のような形という訳ではありません。島全体が一つの山、正確にいえば卓上台地の地形なのです。この地形、実は「メサ」と呼ばれるものであり、頂上が平坦な形の大地のことを指すようです。

不思議な名称ですが、元がスペイン語の「テーブル」を意味する言葉だと知ると、なるほど、納得。しかし、なぜスペイン語なのかが不思議なところ。このような地形が出来た背景には、約1400万年前の火山活動で噴出した溶岩が水平に流れ出して固まったところに、自然環境の中で長年浸食を受けていったことによるものだと言われています。ところで、ダイヤモンドヘッドといえばハワイですが、実は屋島はダイヤモンドヘッドに似ているという話も。

上から見た島の形が似ているんですね。また、高松市の東部にある「久米池」というため池には、屋島が水面に映り込むことでも有名。映り込むのは屋島だけではなく、後ろにある真っ青な空まで一緒に映るんです。これは、見た人にしか分からない絶景。さらに、屋島には源平合戦の古戦場があり、それまでの日本で行われてきた京都政治(天皇重視)を、鎌倉幕府を築き上げることで崩した歴史上のターニングポイント時代を感じることが出来ます。

そして、日本の律宗の開祖となった鑑真が創建したといわれる屋島寺など、史跡も多く存在しているため、歴史好きの人なら是非訪れておきたい場所。歴史といえば、屋島はもともと、本当に単なる島でした。とはいっても、意味もなく浮かんでいる島ではなく、海外交流や海路を通じた交易においても重要な島となっていたのです。ただ、島の歴史は江戸時代まで。

その時代には、大規模な塩田開発が行われており、屋島周辺も大きな手入れが入ります。さらに埋め立てまで行われたため、現在のように陸続きになったのです。ここであまり細かく述べてしまうと後に続かなくなってしまうため、続きは各コーナーで詳しくご紹介します。

1.瀬戸内の様子が垣間見れる「屋島三大展望」

屋島の頂上は台形。そして平ら。そのため、南北に整備された遊歩道には、随所に瀬戸内の海を眺められる展望台が設置されています。そのうち、屋島三大展望と呼ばれているのが「獅子の霊巌(ししのれいがん)」、「談古嶺(だんこれい)」、「遊鶴亭(ゆうかくてい)」という三ヶ所。いずれの場所でもそれぞれの瀬戸内の様子が広がっており、同じ島、同じ瀬戸内の海なのに場所によってこれだけ様相が変わる景色は珍しいと評判。是非、あなたのお気に入りのポイントを見つけてみることをお勧めします。

◆獅子の霊巌(ししのれいがん)

出典:SAND / PIXTA(ピクスタ)

瀬戸内の多島美が満喫できる屈指の展望台なのが「獅子の霊巌(ししのれいがん)」です。ここは、高松市街地を始め男木島や女木島など、瀬戸内海の眺望を満喫できる抜群のスポット。

なぜこの名前がついたのかというと、展望台の下に、海に向かって吠えているかのような獅子そっくりの岩があるからだそうです。実はこの場所、空海和尚がそこで修業していたという言い伝えも残っているほど。穏やかな瀬戸内海に数多くの島が浮かんでいる雄大な景色とは裏腹に、過去には空海和尚が修行していたというから驚き。さらにここでは、小さなお皿のような形をした土器を投げる「かわらけ投げ」も出来ます。

これは、海運や厄除けの祈願をするしきたりなので、観光の一環に体験してみることも良いでしょう。獅子の霊巌は、屋島にいくつも存在する展望台の中で、最も夜景が美しいと称されている場所。屋島で一番美しいということは、香川県内で一番美しいと言っても過言ではありません。夜景好きの方は、必ず訪れて押さえておきたい観光スポットの一つ。

◆談古嶺(だんこれい)

次に「談古嶺(だんこれい)」。源平合戦で一番有名な壇ノ浦が一望できるこの展望台は、小豆島、五剣山なども一望できます。命名は、1897年(明治30年)にまでさかのぼりますが、屋島登山をした尼僧「村雲尼(そんうんに)」が、源平を偲んでつけたといわれています。平家物語で、源氏の武士・那須与一が扇の的を射たとされる名場面も、この場所が舞台となっています。

◆遊鶴亭(ゆうかくてい)

最後に「遊鶴亭(ゆうかくてい)」ですが、ここは屋島頂上の中でも北峰の先端に位置している展望台。320°の大パノラマが楽しめ、小豆島、女木島、大槌島や小槌島などの風景を楽しめます。大正12年、良子女王殿下が屋島北端を訪れた時に、名づけられたという歴史があります。

2.日本で最初の瀬戸内海国立公園

1934年(昭和9年)、日本で最初の国立公園として指定されたのが、ここ瀬戸内海国立公園。恵まれた自然と抜群の眺望から考えると当然かもしれませんが、この国立公園は屋島だけを指すのではありません。関西から九州まで1府10県にまたがっており、海域を含めると国内最大を誇ります。

3.多種類が揃っている動植物

出典:www.publicdomainpictures.net

瀬戸内は、温暖な気候で有名。しかも自然が豊かに残っているので、実に様々な動物が棲息しています。その数、鳥類だけで約140種。ほ乳類としてはコウモリ類や食虫類などの小型な種類から、イノシシのような大型な種まで沢山。両生類や爬虫類はもちろん、非常に貴重な昆虫まで生息しているのです。

植物はどうでしょうか。かつては、マツ林のように乾燥に強い針葉樹林が多かったこの地も、今は落葉広葉樹が主体。例えば、北嶺の山頂部から山頂直下の崖錐部には、ウバメガシの純林が広がっており、多様な生態を示しています。

4. 第八十四番札所となっている屋島寺

屋島にきた観光客が、必ずといっても良いほど訪れる観光名所をご紹介します。四国八十八箇所霊場の第八十四番札所であり、鎌倉時代の様式美を残しているこのお寺は、天平勝宝6年(754年)、唐僧の鑑真和上が創建されたお寺です。かの有名な弘法大師が、嵯峨天皇の勅願(直接の命令)を受けて屋島寺を訪れ、北嶺にあった伽藍を現在地の南嶺に遷移。十一面千手観音像を彫造し、本尊として安置したという歴史も。

この十一面千手観音像は国の重要文化財に指定されていますし、庭園「雪の庭」や宝物館など、見どころがたくさんあるお寺です。さらにこのお寺、実 スタジオジブリ制作の「平成ぽんぽこ狸」のモデルにもなったという有名な話があります。元となっているのは、空海和尚が屋島を訪れた際、霧が深く道に迷ってしまったところを、屋島の太三郎狸が蓑笠姿の老人に変身して道案内をした、という伝説があります。

5.血の池とはほど遠い瑠璃宝の池

なんだか恐ろしい名前がついている池ですが、ここにも弘法大師が関わっています。前述したとおり屋島寺伽藍を南嶺に移す際に、経文を書いて宝珠とともに納めて池にした、という伝説が残っています。この伝説からすると、池の中央部分にある小島に経文と宝珠が収められていたため「瑠璃宝の池」と呼ばれていたほど。このように、もともとこの池には宝珠(瑠璃宝)が眠っており、竜神が宝珠を奪いに来るという言い伝えがあったのです。

血の池などという名称とは程遠い池だったのですが、なぜ「血の池」と呼ばれるようになったのかというと、源平合戦のとき、檀ノ浦で戦った武士たちが血刀を洗ったためだとか。情景を思い浮かべただけで、身震いしてしまうかも。

6. 瀬戸内海を航行する船の見張り役の魚見台

その名のとおり、魚の群れを探して海上沖にいる漁師に知らせたとされる、見晴らしの良い展望台。瀬戸内海を航行する船の見張りもしたという展望台は、屋島北嶺の東西に2ヶ所ずつ残っています。

7. 日本風景街道の屋島ドライブウェイ

「日本風景街道」の源平ロマン街道にも指定されている、屋島の麓と頂上を結ぶ約3.7kmの有料道路です。平らな山頂部の形状を間近にみながら、緩やかな景色や源平の古戦場などを車窓から見ることができます。

前述している展望台は、このドライブウェイを通っていくことができます。平家物語で、源氏の武士・那須与一が平家が立てた扇の的を射たとされる名場面や、周囲を平家に囲まれ弓を海に落としてしまった義経が危険を冒して弓を拾う弓流しも屋島が舞台となっていて、歴史に思いを馳せながら景色を楽しむことができます。さらに、12月31日から1月1日までは、夜間通行ができるようになっているため、屋島の頂上から見る夜景はまさに絶景。

8.住民から親われる歴史がある水族館「新屋島水族館」

1969(昭和44)年に開館した、屋島山上に位置する歴史ある水族館。今では当たり前となっている視界をさえぎる柱のないアクリルパネル製の水槽は、新屋島水族館が世界で初めて導入したというのは有名な話。さらにアシカやイルカと触れ合える水族館としても人気です。

標高300メートルの屋島山上にある、日本でも珍しい水族館。施設の老朽化で、一時は閉館の危機にも遭遇しましたが、各方面から存続を希望する声が続出し、リニューアルしてオープンすることを検討しているようです。水族館好きの方やご家族は、訪れて存続のために一役買うのも良いかもしれません。

9. 夕陽の宿として有名なホテル「望海荘(ぼうかいそう)」

このホテルの第一の特徴は、とにかく夜景が美しいこと。日本の夕陽百選の旅館として「夕陽の宿」にも選定されている、名実ともに絶景のビューホテルです。瀬戸内の夕陽に染まるのは、客室のみならず大浴場から建て物全て。屋島の頂上は小高い丘のような場所ですから、夜の明かりが輝く高松市街を見下ろすことができます。こんな宿に泊まることが出来れば、家族でも恋人同士でも、絆を深めることが確実にできそう。もちろん、友人同士だって夜通し語りあえる素敵なホテル。

客室は、アジアンリゾートの雰囲気。家具や調度品は、全て特注という気合の入れようです。決して、高松市内の夜景に負けてしまうような内装ではありません。料理については、瀬戸内海で獲れた新鮮な魚を贅沢に使用。さらに、契約牧場から仕入れる特選黒和牛は、口の中に入れただけでとろけてしまう程絶品。

しかも、和牛については「個体識別番号」を開示しているため、出生の年月日、メスオスの区別、母牛の個体識別番頭と種別、飼養場所の履歴が全て分かるという安心さ。すき焼きコースとしゃぶしゃぶコースがあり、どちらも大人気です。屋島の旅を、身も心も、そしてお腹も大満足させてくれるホテル。

10.飼い犬・猫と一緒に宿泊できる「屋島の宿 桃太郎」

このホテルの特徴は、なんといっても愛犬と一緒に泊まれること。犬は大切な家族の一員!と考えている愛犬家が屋島を訪れるなら、絶対に押さえておきたい宿。全室、愛犬と一緒に入れますので安心できます。犬種によって、犬の宿泊料が違っていますので、公式ホームページを確認してください。一部屋につき、2頭まで利用することができます。ペットの食事は用意されていませんので、自分達で用意しましょう。

2011年4月にリニューアルオープンした宿の一個客室は、和室12畳、フローリング、ベッドルームと3部屋あり、さらに展望デッキと、半展望檜風呂付という広さとありがたさ。瀬戸内が一望できるお風呂が自室にあることは、非常にゆったりと過ごすことができます。

料理は、郷土料理の豪快さと京料理の繊細さを融合させた、桃太郎ならではのメニュー。源平焼きをメインとして、京風の会席料理を楽しむことができます。献立は月ごとに替わるので、まさに四季折々で訪れてみても大満足。しかもこの宿、一日3組限定のため、にぎやかな宿を好まない人にとっては最高の宿。

◎まとめ

いかがでしたか。高松市屋島、そこは、鑑真、空海、源平合戦と、さらに江戸時代に入っての塩田開発など、日本の歴史に思いを馳せられる最高の場所。しかも、夜景という現代の美も感じられ、しかも美味しいグルメでお腹も満たすことが出来るというのだから、訪れてみない手はありません。

ぜひ、次の観光旅行には屋島の旅をお勧めします。

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