多くの若者が飛び立った特攻の街知覧と、南九州市で訪れるべき観光地まとめ

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多くの若者が飛び立った特攻の街知覧と、南九州市で訪れるべき観光地まとめ

薩摩半島南部に位置する南九州市。その中核をなす知覧地域は、太平洋戦争末期に特攻隊の出撃基地の1つとなったことで有名です。陸軍知覧飛行場跡の一角に建てられた知覧特攻平和会館は、知覧観光の必訪スポットとなっています。

また、江戸時代には知覧麓(ちらんふもと)として栄えた武家町でもあり、当時の風情を残す知覧武家屋敷群も欠かせない観光スポットです。さらに周辺に目を向ければ、遼大なシラス台地に特産の知覧茶畑が広がっています。

南九州市の南端部は海に面していて、薩摩富士の雅称をもつ開聞岳を、水平線の向こうに臨む絶景ポイントが点在!歴史から自然まで、多くを学べる観光エリア南九州市で、ぜひ訪ねてほしいスポット24選をご紹介しましょう。

ちなみに、知覧には鉄道も高速道路も走っていませんが、鹿児島中央駅からならバスでわずか1時間です。鹿児島県きっての温泉地指宿へもバスで直行できるので、観光アクセスが不便などということはありませんよ!

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多くの若者が飛び立った特攻の街知覧と、南九州市で訪れるべき観光地まとめ

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1.知覧特攻平和会館

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知覧を訪れる観光客が真っ先に向かうのが、この「知覧特攻平和会館」ではないでしょうか。特攻こと「特別攻撃隊」。それは太平洋戦争末期に日本軍が窮鼠猫を噛むの発想で始めた、世界でも類を見ない凄絶な攻撃方法でした。片道の燃料と爆薬だけを積み、戦死を前提に敵艦へ突撃する特攻作戦は連合軍に大きな衝撃を与え、今も「Tokko」や「Kamikaze」の語は海外でも通用します。敵艦の弾雨を潜り抜けて目標までたどり着くには高度な操縦技術と集中力が要求されるため、特攻隊員に選ばれたのは若く優秀なパイロットばかりでした。生きていれば日本の未来を大きく担っていたであろう人材を、あたら失う作戦でもあったのです。

知覧は特攻隊の出撃基地として知られていますが、実際には九州から台湾にかけての22の飛行場から、未来ある若者たちが次々と不帰不還の使命を帯びて飛び立ったのです。特攻による戦死者1036名のうち、実に439名が出撃したのが、ここ知覧でした。

館内では、隊員たちの数多くの遺品および遺影を展示。また、太平洋戦争で使用された2機の戦闘機を修復・保存して公開しています。館内は全面撮影禁止。厳かな気持ちで、特攻隊員たちの音なき声に耳を傾けましょう。

悲惨なエピソードの尽きない第二次世界大戦の歴史のなかでも、とくに戦争の理不尽さ・非人道性を感じさせずにはいられない特攻作戦。平和への祈りとともに、命の尊厳について圧倒的な説得力をもって語りかける知覧特攻平和会館は、涙なくして出ることはできません。

2.三角兵舎

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三角兵舎とは、特攻隊員たちが出撃の順番を待つあいだ寝起きしていた半地下式の建物のことです。現存するものはありませんが、特攻平和会館脇の林の中に復元されたものがあります。半地下式なのは、敵機の目を欺くため。三角屋根だけが、松林の中にひっそりと浮かんでいるようです。全国各地から集められた特攻隊員たちは、出撃までの2、3日のあいだ、三角兵舎に起居していました。

日も差さず、屋根も低く薄暗い、半分土に埋まった木造の掘建小屋。この中で過ごす隊員たちは、出撃までの数夜に何を思っていたのでしょう。仲間と最後の時間を語り合ったり、家族らに遺書や手紙をしたためたり。ですが、裸電球の灯りが落ちると、どこからともなくすすり泣く声が聞こえてきたといいます。

兵舎内には、当時の写真や全国から贈られた千羽鶴、そして特攻機の残骸などが陳列されています。戦争末期の知覧を語る重要なモニュメントの1つとして、三角兵舎にもぜひ足を運んでみて下さい。

3.知覧平和公園

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知覧特攻平和会館を見学した後は、しばし感慨を胸に知覧平和公園を歩いてみましょう。平和会館に隣接する平和公園の入り口には、シンボルである「特攻勇士の像」と、一式戦闘機「隼(はやぶさ)」の原寸大レプリカがあります。

そこから続く桜並木も、知覧平和公園の大きな見どころの1つ。映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』のシーンにも使用され、訪れる者の心を熱くさせます。満開の桜だけでなく、ここに限っては散りぎわの桜を眺めに来る観光客も少なくないそうです。

現在は、陸上競技場や多目的球場、サッカー場に武道館などが集まる知覧地域の憩いの場でもあります。そんな公園をじっくりゆっくり散策しながら、平和への思いを噛みしめましょう。

4.掩体壕公園

知覧平和公園の西に広がる台地に、特攻隊の出撃基地である知覧飛行場がありました。現在はほとんどが農地や宅地となっていて、当時の遺物は数えるほどしか残っていません。

ですが、過去の負の歴史に目を背けてはいけないと最近になって整備されたのが、この掩体壕公園(えんたいごうこうえん)です。掩体壕とは、待機中の戦闘機を敵機の爆撃やその爆風から守るために造られた避難壕のこと。立派なものでは完全に機体を覆えるコンクリート製の屋根がついていましたが、知覧飛行場の掩体壕はコの字型に土塁をめぐらして、雑木の枝などをかぶせて隠す簡素なものだったとされています。

掩体壕公園では、その当時の壕を復元し、知覧飛行場のようすの一端をうかがい知ることができるようになっています。平和会館などからは少々離れていますが、知覧を訪れたなら立ち寄ってみたいところですね。

5.ホタル館 富屋食堂

特攻作戦当時、知覧の街には「特攻の母」と呼ばれた女性がいました。「富屋食堂」を営んでいた鳥濱トメです。富屋食堂が陸軍の指定食堂となったことから、知覧飛行場の若い隊員たちも足繁く通うようになり、面倒見の良かったトメは彼らの母親代わりといえる存在だったそうです。

憲兵の検閲を免れるために、隊員から家族への手紙を代わりに投函したり、トメ自身も特攻隊員たちの出撃のようすを家族に手紙で伝え続けました。戦後、トメは知覧を訪れる遺族のためにと、旅館業に転業します。1992年にトメが亡くなると、「富屋食堂」は特攻隊員の記念館「ホタル館」として、特攻の歴史の語り部となりました。

現在の館の主は、トメの孫の明久氏。特攻隊員がつかの間の安らぎを得ていた食堂は、知覧を訪れる観光者たちを今も温かく迎え入れています。

6.特攻平和観音堂

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特攻平和会館に隣接する特攻平和観音堂も、合わせて訪ねてもらいたいスポットです。「特攻の母」鳥濱トメは、戦後すぐにでも、戦闘機とともに散っていった特攻隊員たちの供養をしたいと願っていました。しかし、敗戦後のアメリカによる占領さなかの日本において、特攻隊は軍国主義の象徴としてタブー視されていました。

トメの念願がかなったのは、終戦から10年経ってのこと。知覧飛行場跡の一角に、知覧町によって特攻平和観音堂が建立されました。知覧特攻平和会館建設の30年前のことでした。今では多くの観光客も訪れる知覧特攻平和会館ですが、その始まりはこの平和観音堂にあったのです。

観音堂の参道沿いには、全国の遺族や関係者などから寄進された数多くの灯籠が、整然と並んで立っています。その中には、トメ自身が建立したものも。お堂へ向かう一歩一歩にも、特攻隊にまつわる想いがひしひしと感じられるはずです。

7.知覧武家屋敷群

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さて、特攻についての史跡からいったん離れて、ここからは知覧市街の観光の見どころをご紹介していきましょう。

江戸時代の知覧は、「麓(ふもと)」と呼ばれる薩摩藩家臣の私領地の1つでした。藩内に多数存在した麓の中でも、知覧には今も当時の武家屋敷の町並みが良好な形で残されています。その家並みの優美さは、武家屋敷街としては珍しく国の「名勝」に指定されているほど!とりわけ、知覧武家屋敷群の私庭のうち7つが、知覧観光の見どころとして一般に公開されています。

7つのお庭それぞれにコンセプトがあり、それぞれの屋敷の主が今なお当時の趣向のまましっかりと管理しています。どのお庭をとっても、普通の観光地の景観スポット1つ分に匹敵する素晴らしさですよ!

また、屋敷通りの一角には知覧地方独特の建築様式である「二ツ家民家」も移築されているので、ゆっくりと地方の趣を感じ取ってみてくださいね。こちらは武家屋敷とは打ってかわって茅葺の民家で、その名の通り用途別の2つの建物を繋ぎ合わせたような恰好をしています。現存するものは全部で3棟しかない、貴重なものなんですよ。

8.知覧城跡

薩摩半島の中心近くに位置する知覧には、平安時代末期にはすでに土着の武士が住んでいたといわれています。中世の知覧を治める拠点とされてきたのが、知覧城です。知覧武家屋敷群と知覧特攻平和会館の間にあり、静かな国指定史跡の観光地となっています。

知覧城の特徴は、南九州型と呼ばれるちょっと変わった構造にあります。南九州型のお城は鹿児島・熊本・宮崎の3県でしか見られず、伏せたお椀を並べたように、1つ1つの郭が独立しているのが特徴です。知覧城は4つのお椀を田の字型に並べたような形をしていて、そのようすは航空写真からでもはっきり見てとることができます。

建物は残っていませんが、知覧城の深々としたお堀は一見の価値あり!知覧観光に余裕があれば、ぜひ訪ねてみてほしい観光スポットです。歩いていくにはちょっと奥まっていますが、駐車場が完備されているので、車や自転車での観光がおすすめです。

9.ミュージアム知覧

平成5年に開館した「ミュージアム知覧」は、知覧地域だけでなく南薩摩地方の歴史や民俗について知ることのできる比較的新しい観光スポットです。

館内では、知覧武家屋敷群の調度品や古文書などが展示されているほか、「かくれ念仏」についての充実した資料を見ることができます。かくれ念仏とは、江戸時代の薩摩藩や人吉藩で浄土真宗が禁じられ厳しく弾圧されたことから、隠れキリシタンのように人目を憚って教えを守っていった人たちを指すものです。南九州に独特の信仰形態として知覧のみならず、今なお土地の風習のなかに溶け込んでいます。

知覧で必訪の特攻平和会館に隣接しているので、観光には便利な立地なのも魅力ですね。

10.薩摩英国館

「生麦事件」や「薩英戦争」を通じ、薩摩藩は日本の中でももっとも早い段階で、イギリスをはじめとするヨーロッパ世界とのつながりを築いてきました。

そんな歴史に想いを馳せながらショッピングやティータイムを楽しめるのが、この「薩摩英国館」です。南九州市は、もともと「知覧茶」ブランドで知られる茶どころ!その知覧茶の優れた葉を使ってつくられた薩摩英国館の紅茶は、本場イギリスで金賞を受賞したこともあるんですよ。

ここ薩摩英国館は、そんな上質の紅茶の香りと味を、自慢のスイーツとともにいただける知覧のオススメ休憩スポットです。知覧武家屋敷群からすぐなので、知覧観光で歩き疲れた後に立ち寄るのにピッタリですね。

11.ちらん人形博物館

知覧の観光名所富屋旅館の裏手の道を歩いていくと、見ててくる真っ赤な看板が目印!

ちらん人形博物館は、館長の寺西照子さんが25年にわたって収集した古今東西の人形を一般に公開している、知覧の新しい観光スポットです。人形とひとくちに言っても、ここに展示されているフィギュアは実に多種多彩!ひな人形やこけしに御所人形といった伝統的な人形はもちろんのこと、不二家のペコちゃん人形からグリコのおまけまで!おもちゃコレクターとして名高い北原照久氏のお墨付きというこですから、内容に間違いはありませんね。

館内には、可愛らしいテラス付きのカフェも併設されているので、知覧観光の途中にちょっとブレイクタイムというのもアリですよ。

12.番所鼻自然公園

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薩摩半島南部を広くカバーする南九州市は、2007年に知覧町・頴娃(えい)町および川辺町の3町が合併して誕生しました。南九州市の観光の魅力は、もちろん旧知覧町だけにとどまりません!ここからは、知覧中心部以外のおすすめ観光スポットをご紹介していきます。

そこでまず取り上げたいのが、海に面した南九州市南岸の景勝地「番所鼻(ばんどころばな)自然公園」。日本全国を歩いて測量した伊能忠敬をして、「天下の絶景」と唸らせたほどの観光名所です。

水平線の向こうに、鹿児島県きっての秀峰開聞岳が霞んで浮かぶ姿はまさに絶景!波が引いている間は、岩場をぐるっと歩きながら景色を楽しむこともできるんですよ。一人で物思いにふけりながら散策するも良し、好きな人と穏やかな観光の時間を過ごすも良しです。

13.タツノオトシゴハウス

番所鼻自然公園を観光するなら、もう1つ合わせて訪ねてほしいスポットが、「タツノオトシゴハウス」です。タツノオトシゴといえば水族館の人気者ですが、それを専門に養殖しているのは、全国でもここだけなんですよ!

1匹でも可愛らしいタツノオトシゴが、ハウス内の水槽にこれでもかというくらい!あの不思議なシルエットそのままに、めいめい気ままに漂っています。これで入館無料ということですから、いつまでも好きなだけ眺めていられますね。

タツノオトシゴは、オスがお腹の中で卵を育てるというとっても変わった生き物でもあります。転じて、「恋愛成就に子宝安産」のシンボルとしても人気!近くにはタツノオトシゴにあやかった「吉鐘」やハート型の石碑もあるので、カップルでの観光にもおすすめですよ。

14.釜蓋神社

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同じく南九州市の南岸エリアにある釜蓋神社(かまふたじんじゃ)は、パワースポットとして絶大な人気を誇る観光名所!アスリートや芸能人も数多く訪れ、ここ一番の勝負事にご利益があるといわれています。

この神社が有名なのは、そのユニークな願掛けの方法!鳥居から本殿までの約8mを、木製の釜の蓋を頭に乗せたまま歩ききることができれば、願いが叶うとされています。そのため、正式名称の「射楯兵主神社(いたてつわものぬしじんじゃ)」ではなく、通称の「釜蓋神社」の名で観光客に親しまれているのです。

神社の裏手にある「希望の岬」も、合わせて観光したいポイント。釜蓋の形をしたベンチに座って、海の向こうに開聞岳を望める景観スポットなんですよ!

知覧まで観光に来たなら、ちょっと足を伸ばして釜蓋神社に願を掛けてみませんか。

15.畑の郷 水土利館

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「グリーン・ツーリズム」といえば、自然やそこに暮らす人々との交流をメインに楽しむ旅行スタイル。では、「グリーン・ティーリズム」は?それは、知覧茶の産地南九州市が提唱する新たな「お茶で巡る観光」のスタイル!知覧茶の味や香りを味わうだけでなく、知覧の台地に広がる一面の茶畑を眺めたり、知覧茶の生産過程を体験したりして、お茶文化から日本人の姿を再発見できますよ。

「畑の郷 水土利館(みどりかん)」では、展示や立体映像シアターで知覧茶の歴史や製造方法を学べるほか、簡単なようで難しい緑茶の手もみ体験もできます。もちろん、美味しいお茶を味わえる喫茶コーナーも完備!知覧が誇る特産品を五感で召し上がってみてください。

16.お茶街道 ゆとり館

もう1つ、知覧茶を楽しむ「グリーン・ティーリズム」で欠かせない観光スポットが、「お茶街道 ゆとり館」です。

こちらのオススメは、何といってもランチタイムの「お茶メニューバイキング」!地元の知覧茶をふんだんに使ったお茶料理やお茶スイーツが食べ放題です。もちろんお茶自体にもこだわりがあり、市内8工場で製造された知覧茶を飲み比べることが出来るんですよ。

また、夜の居酒屋タイムも観光客に人気!とくに、鹿児島のブランド黒豚をお茶の出汁でいただく「黒豚しゃぶしゃぶ」は、美容と健康に良いコラーゲンとカテキンを同時に摂れる一押しのメニューです。

建物自体も、一面の茶畑の中にあるので雰囲気バツグン。このほか、知覧茶の直販や地元の採れたて野菜の販売も行われているので、知覧観光のついでにぜひ立ち寄ってみてくださいね。

17.大野岳公園

お隣指宿市のシンボルが開聞岳なら、こちら南九州市のシンボルは大野岳!標高は466mと高くはありませんが、開聞岳に劣らぬ美しい円錐形の旧火山です。

大野岳のオススメは、山頂からの眺め!車で頂上近くまで来たら、108歳の茶寿にちなんだ108段の「茶寿階段」を登ります。目の前に広がるのは、薩摩半島360度の大パノラマ!海に臨む開聞岳や池田湖、そして知覧の台地一面に広がる茶畑を俯瞰することができますよ。

登山中途にある大野嶽神社も、ちょっとした観光ポイント。なんと、創建は700年以上前といわれています。

18.開聞岳の朝日

薩摩半島随一の麗峰開聞岳。その向こうから昇る朝日を拝むことができたら、とっても素敵ですよね。

南九州市知覧町塩屋にある「御茶屋の場公園」付近からは、ちょうど元旦のころに開聞岳の山頂から姿を現す初日の出が見られるんですよ!ダイヤモンド富士ならぬダイヤモンド開聞岳を目に焼き付けようと、毎年多くの観光客がこの地にやってきます。開聞岳の朝日が美しいのは、手前に海が広がっているから!水面にキラキラと照りかえる朝日の美しさでは、ダイヤモンド富士の名所田貫湖にも勝っているといえるでしょう。

春から秋にかけては、日の出の角度の関係により陸上から開聞岳の朝日を見ることはできません。冬の間だけ目にすることの出来る、実に神々しい光景ですよ。

19.夢・風の里アグリランドえい

家族でのんびりレジャーを楽しむなら、高原の「夢・風の里アグリランドえい」がオススメ!ここは古くから頴娃野(えいの)の千貫平と呼ばれた馬の名産地で、源頼朝が御家人の佐々木高綱に与えた名馬「生食(いけづき)」の故郷ともいわれています。

そんな由緒ある丘には、今ではゴーカートや電動カー、ソリスキーなど小さな子供が喜びそうなアトラクションがいっぱい!「ふれあい小動物園」と「メダカの学校」も、家族連れに人気の観光スポットです。

「夢・風の里アグリランドえい」ではアトラクションは有料ですが、入園自体は無料なのも魅力!園内には雄大な景色が自慢の広場や展望台、そして巨大な風力発電施設もあるので、それぞれの観光の目的とペースに合わせて楽しむことができますよ。

20.清水岩屋公園

知覧市街の北西に位置する旧川辺町。「川辺仏壇」で有名なこの街のおすすめ観光スポットが、「清水岩屋公園(きよみずいわやこうえん)」です。

川辺周辺にはシラス台地からしみ出した湧き水が数多くありますが、なかでも園内にある「清水の湧水」は、「名水百選」にも選ばれた折り紙つきの銘水!日量6千トンという湧水量を誇り、そのまま町民の上水となっているほか、なんと発電にも使われているんです。

豊富な水資源を利用した公園は実に涼やか。広大な池のほとりにある「桜の屋形」は、川辺仏壇の職人が金閣寺を模して造り上げた町のシンボルです。内部は和カフェになっていて、園内の「清水磨崖仏(きよみずまがいぶつ)」にちなんだスイーツや薩摩半島名物「そうめん流し」を楽しむことができますよ。

21.知覧の水車カラクリ

「知覧の水車カラクリ」は、「加世田の水車カラクリ」と並んで「薩摩の水からくり」として国の無形民俗文化財に指定されている、薩摩半島南部の伝統芸能です。その名の通り、水が水車を回す動力をさまざまな滑車や歯車に伝え、人形を動かして舞台を演じさせます。人形は30cm前後の小さなものですが、見せる動きはなんとも複雑!人力を使わずにどうやってこんなに活き活きと動くことができるのか、見ているだけでワクワクしてしまいます。

毎年7月の9日と10日に、知覧市街地のはずれに鎮座する豊玉姫神社の夏祭り「六月灯(ろくがつどう)」で披露されます。実際に動いている人形を見ることが出来るのはこの2日間だけですが、人形自体は付近の「水からくり やかた」や「からくり仕事処」でいつでも見学することができますよ。

22.川辺二日市

南九州市で春を迎えるイベントといえば、知覧のお隣旧川辺町で開催される「川辺二日市」は外せません!鹿児島三大市のひとつで、230年以上もの歴史を有しています。約1.3kmの商店街におよそ400店もの露店が立ち並び、鹿児島内外から大勢の観光客が詰め寄せます。その賑わいぶりは、会場内をシャトルバスが巡回するほど!

食品から雑貨までありとあらゆる生活用品が購入できるのはもちろんですが、毎年恒例となっているイベントの数々も必見!とくに、バナナのたたき売りや猿回し、チンドン行列などは、見ているだけでも観光のしがいがありますよ。

「心の二日市」がモットーの観光行事。開催日は2月の第一土曜と日曜日で、期間中は鹿児島中央駅から臨時の直行バスも出ていますよ。

23.知覧ねぷた祭

ねぷた祭りといえば、東北は青森県の夏祭りとして有名ですよね。そんな北の観光イベントを、なんと知覧で見ることが出来るんです!

知覧ねぷた祭りは毎年7月に行われ、本物さながらの雄壮な山車が、南国知覧の街を練り歩きます。なぜ知覧でねぷた祭りが開催されるのかというと、青森県平川市の旧平賀町と旧知覧町が姉妹都市だったから。知覧ねぷた祭りには、本場青森から例年スタッフが応援に来ているんですよ。

知覧で出逢う、ちょっとした東北観光。これを楽しみに訪ねてみるのもいいですが、期せずして参加することになったら…そんな偶然が、観光旅行に潤いを与えてくれるんですよね。

24.えいのゴッソイまつり

「ゴッソイ」とは、土地の言葉で「すべての」という意味。その名の通り、南九州市旧頴娃(えい)町のいいところがごっそり詰まった夏祭りです。

お祭り当日は、会場の頴娃運動公園で「牛のゴッソイ焼き」がなんと無料で振る舞われるほか、さまざまなステージや舞台演芸が披露されます。

クライマックスは、フィナーレを飾る打ち上げ花火です。「えいのゴッソイまつり」の花火は会場から打ち上げポイントまでの距離が近いので、大迫力なのが特徴!まるで花火玉が頭上で炸裂しているかのような、ダイナミックな臨場感を味わえますよ。

南九州市の夏を彩る観光イベント。時間が合えばぜひ、知覧観光の合間に立ち寄ってみてくださいね。

◎まとめ

日本人なら一度は訪ねておきたい戦史を語る特攻平和会館から、知覧随一の観光名所武家屋敷群、そして周囲の自然あふれる観光スポットと、一挙にご紹介してしまいました!どこから訪ねたら良いのか迷ってしまいますね。

九州新幹線の終点鹿児島中央駅からちょっと足を延ばすだけで出逢える、歴史と心の観光地「知覧」。せっかく九州最南端の県までやって来たのですから、知覧を観光してみない手はありませんよ。

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