長門市の青海島は捕鯨と奇岩の島|神秘の島・海上アルプスを旅しよう

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長門市の青海島は捕鯨と奇岩の島|神秘の島・海上アルプスを旅しよう

山口県長門市の北端にある港町・仙崎から青海大橋を渡ってすぐのところにあるのが「青海島」です。島の面積は約14平方km、周囲は約40kmほど。いくつかの島が砂州でつながっているのがこの青海島の特徴です。また島の大部分は「北長門海岸国定公園」に指定されており、長門市の中でも中心的な景勝地となっています。奇石の鑑賞や捕鯨の町として栄えた歴史を持つ、青海島の観光スポットを覗いてみましょう。

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長門市の青海島は捕鯨と奇岩の島|神秘の島・海上アルプスを旅しよう

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透き通る海にそびえる「海上アルプス」

長門市の青海島の海上アルプス

出典: kawayasu / PIXTA(ピクスタ)

青海島の北側には日本海の荒波によって浸食を受けた地形が続いています。この奇岩が並んで立つ景色は、まるで海に建つ山々のように見えることから「海上アルプス」という別名もあります。

約9千万年前の火山活動や地殻変動によって作られた島には、波で削られた洞門や崖、石柱などが林立。その様子はまるで芸術作品のようだとも言われています。島の北西部は「日本の渚百選」にも選ばれており、陸上からでも海からでもその景色を眺めることができます。青海島の北岸には「メモリアルロード」という遊歩道が整備され、「象の鼻」や「変装行列」などと呼ばれる奇岩を目にできるでしょう。どちらの岩も中の浦と呼ばれる夕日の名所に位置していますよ。

また青海島のもう一つの魅力はびっくりするほど透明度の高い海。ダイバーにも人気のダイビングスポットとして、海中の地形や海の生き物などを楽しむことができますね。。

島の魅力を120%楽しむなら「青海島観光汽船」

青海島観光遊覧船

出典: Midipa / PIXTA(ピクスタ)

青海島から青海大橋を渡って仙崎の港に戻った場所には「青海島観光汽船」の遊覧船乗り場があります。船のコースはその日の天候や海の状態によって変わります。

青海島の周囲をぐるりと一周できる、所要時間約1時間20分の「青海島一周コース」では、奇岩中の奇岩「大門、小門」や雄大な「島見門」などを身近に眺められるはず。ほかにも北海岸にある「観音洞」で引き返すコースや、波があり外海に出られない時の「内海コース」などがあります。

カラフルなイルカや大きなクジラの形をした遊覧船に乗って、青海島をめぐる旅に出発!基本的に船は島の右側を通るため、進行方向右側の座席がおすすめです。運が良ければ野生のイルカにも出会えるかもしれません。小さな子供も喜びそうな観光スポットです。

美しい夕日や釣りが楽しめる「青海湖」

青海湖 波の橋立 仙崎八景

出典: ふくいのりすけ / PIXTA(ピクスタ)

青海島の南東部にある「青海湖」は山口県最大の淡水湖としても知られています。湖の東西は1,000m、南北に400mあり、海とは砂州によって隔てられています。その砂州は「波の橋立」と呼ばれ、1.3km続く黒松の並んだ幅の狭い遊歩道により海水の湾と淡水の湖を分けている様子が、天橋立に似ていることからこの名前が付けられました。

湖の水深はわずか2mほどで水位の変化がほとんどなく、波も穏やかなのが特徴。夏にはたくさんのハスの花が咲き、冬には鴨をはじめとする渡り鳥の安息地にもなっています。淡水湖のため鯉やフナなどの魚も生息しており、シーズンには釣り客でにぎわっています。

夕日もきれいに見えるスポットとしても知られているので、夕方にはぜひ波の橋立の遊歩道を散策しながら、海と湖の両方を堪能してみてはいかがでしょうか?

地場産業の歴史を学ぶ「くじら資料館」

この青海島は江戸時代から明治時代末期にかけて捕鯨が盛んに行われ、沿岸捕鯨の基地として栄えていました。くじらを湾岸に追い込み、漁師がくじらの背に飛び乗って銛を刺して仕留めるという古式捕鯨が主流で、近代捕鯨の移行とともに青海島の捕鯨の歴史は終わりを告げました。

そのような古式捕鯨についての資料や道具などを展示しているのが「くじら資料館」です。ほかにも鯨唄に使われた太鼓やくじらと共に写る漁師の写真など、貴重な資料が保存、展示されています。

島の洗練された歴史文化にふれる「早川家住居」

青海島の東にある通浦には、地元の捕鯨や漁業の発展に貢献した「早川家」の住居があります。早川家は元々、江戸時代に通鯨組を創業し、それ以降も網頭として青海島で活躍してきました。

こちらの住居には、1785年の通浦大火で家を失った早川家が買い取って住み始めました。18世紀後半の建築様式とみられ、土蔵造りの一部二階建て。国指定の重要文化財にもなっている歴史的な建造物です。

実は漁業関係の建造物で国指定重要文化財になっているのは全国でも2例のみ。鯨組の建物に関しては日本でもここだけになっています。比較的保存状態も良く、18世紀後半の漁師の生活を感じられる貴重な住宅ですね。

高台から島の絶景を望む「王子山公園」

王子山公園からの眺める絶景

出典: 安ちゃん / PIXTA(ピクスタ)

青海島への入り口でもある、長門市の仙崎にあるのが「王子山公園」です。仙崎の町や青海島を望む高台にあり、3月下旬から4月上旬にかけてはソメイヨシノや八重桜など約100本の桜が見ごろを迎えます。

童話詩人・金子みすゞが故郷の景色を綴った「仙崎八景」にも登場。「わたしの町はそのなかに、龍宮みたいに浮かんでる」と詠んだ詩の文言が石碑となって、今も故郷を見下ろしています。

王子山は仙崎祇園町にある八坂神社のはじまりの場所としても知られています。記録では遣隋使が中国からの帰りの途中、この王子山にスサノオノミコトを祀ったのが八坂神社または祇園社と伝えられているためです。高台にあるこの公園は静かで眺めがよい場所でもあります。青海島の帰りに立ち寄ってみたいですね。

偉人の足跡を辿る「金子みすゞ記念館」

「金子みすゞ記念館」は仙崎が故郷の童話詩人・金子みすゞの生誕100年にあたる2003年、彼女が幼少時代を過ごした金子文英堂跡地に完成しました。

金子みすゞは大正末期から昭和の初めにかけて活躍した童話詩人です。20歳でデビューしてから26歳で亡くなるまでの6年間に、500余りもの詩を世に送り出したことでも知られています。

この記念館には金子みすゞの遺稿や着物などの遺品、詩の世界を音と光で体感できるギャラリーなどを常設。またこのようなみすゞの業績を展示するスペースとしてだけでなく、全国から訪れるファンの活動を支援するための交流拠点にもなっています。

山口長門の隠れた景勝・絶景の観光スポット

今回は山口県長門市の青海島とその玄関口、仙崎にある観光スポットを7か所ご紹介してきました。青海島は奇岩や青海湖などの豊かな自然に囲まれ、捕鯨などの産業が活発に行われてきたことが分かります。またその玄関口でもある先崎には、桜の美しい公園や故郷の童話作家の功績をたたえる記念館などもあります。豊かな自然や文化が息づく長門市の青海島へ、あなたも行ってみてはいかがでしょうか。

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