国宝に再指定された「松江城」ってどんなところ?見どころをご紹介

画像出典:二匹の魚 / PIXTA(ピクスタ)

国宝に再指定された「松江城」ってどんなところ?見どころをご紹介

松江城(島根県松江市)は1935年に国宝指定されましたが、1950年に重要文化財の呼称となり、2015年には正式に国宝に再指定されました。天守としては5番目の国宝指定になります。全国にはたくさんのお城がありますが、この松江城は他と違う特徴を多く持ったお城と言えます。またお城だけでなく城下町の雰囲気も一緒に味わえるので、初めてお城を見学する人にも抵抗なく楽しめる観光スポットです。このページでは、そんな松江城の見どころをご紹介していきます!

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国宝に再指定された「松江城」ってどんなところ?見どころをご紹介

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松江城の歴史

豊臣秀吉、徳川家康のふたりの天下人に仕え、豊臣政権では三中老の一人として功績を残した堀尾吉晴は、松江の将来性に目をつけて島根県松江に城を移しました。吉晴の子どもであり初代藩主の忠氏や孫の忠晴を助け、松江城と城下町を作り上げただけでなく、現在の松江市の礎を築いた藩主として知られています。

その後、堀尾氏の跡を継いだ京極忠高は、たび重なる氾濫を起こしていた川の改修を行い、石見銀山の監督権を与えられるなど、松江の藩主として広大な領地を治めました。それから京極氏の跡を継いだ松平氏が、1638年(寛永15年)から1871年(明治4年)にかけて、松江を長きに渡り支配することになります。

ところが1875年(明治8年)、松江城諸建造物と三の丸御殿は廃城令により取り壊され、天守閣も民間に払い下げられたのです。しかし地元の有志によって買い戻され保存されることとなり、現在に至っています。

主な見どころ

松江の大切なシンボルである松江城は、全国に現存する12天守のうち、唯一の正統な天守と言われています。貴重な当時の最高の技術や丁寧な作業の跡が、随所に多く残されているのが特徴です。

職人技が光る装飾美

「華頭窓(かとうまど)」と呼ばれる飾り窓や、後世のものとは全く作りが異なる角が丸く1枚ずつ違う形に作られた「鬼瓦(おにかわら)」、日本現存で木造最大の「鯱鉾(しゃちほこ)」などの装飾は、遠目からでも職人技を感じる美しさです。城を正面から見ると、屋根の三角形になっている部分が、千鳥が翼を広げている姿に似ています。「入母屋破風(いりもやはふ)」と呼ばれる建築様式で、現存するお城でこの様式を受け継ぐのは松江城だけです。

石垣のこだわり

お城の土台となる石垣は、大阪から石垣の築成に優れた技能を持つ達人を集めて作られたもので、「野面積み(のづらづみ)」、「打ち込み接(うちこみはぎ)」と呼ばれる手法で積まれています。松江城完成までの5年のうち、3年という長い期間が石垣に費やされました。大きさの違う石が隙間なく積み上げられ、それが現在まで残っているという事実が、当時の技能の素晴らしさを物語っています。

木材の有効利用

お城の内部は、1階から4階まで、厚さ約10cm幅1.6mの桐で作られた階段が設けられています。階段を引き上げたり、防火・防腐のために桐を使った工夫は、ここ松江城だけで見られる特殊なものです。

建築当時は全国的な築城ラッシュだったので、木材が不足していました。2階分の通し柱の配置や、梁と柱の組み合わせ方を工夫し短い柱も上手に利用するなど、限られた木材で頑強なお城にするための建築方法も見学することができます。

城の中に隠されたハートを探そう

出典: bee / PIXTA(ピクスタ)

この松江城には、2つのハートが隠されていると口コミで大人気になっています。

まず1つ目は、大手木戸門跡から入り、左手の天守閣に続く石段を登ったところにあり、13段目の目線の高さにハート型の石が積まれています。

2つ目は天守の1階、階段を2階分上がったところにあります(松江城は5重6階建になっており、石垣の中が地階で、その上が1階になりますので気をつけてください)。包板のついた柱の裏側に、ハートの木目が隠れています。とても見つけにくいところにありますが、縁結びの効果があると言われていますので、頑張って探してみましょう。

おすすめは桜の季節

松江城山公園では、日本さくら名所100選に選ばれたほどの見事な桜が楽しめます。ソメイヨシノ、八重桜、枝垂れ桜など、約200本もの桜が一斉に咲き誇るので見応えがあります。お城祭り期間中は夜間にライトアップされるので、夜桜見物も素敵ですね。お城と桜のコントラストがとても美しく、時間に余裕のある方には夜のお花見もおすすめします。

名物「松江堀川巡り」を楽しんで

松江城を取り囲むお堀は、築城と同時に造られ、今もその形を残しています。お城とお堀が当時のまま残っている城下町はとても珍しく、「松江堀川巡り」は、船から森の自然やお堀の美しさなど、日本の風景を感じられることが醍醐味です。堀川には17の橋が掲げられていて、その内4つは橋桁が低いので、船の屋根部分を下げて通るのも名物。

夏は船に風鈴が付けられ、水の涼しさと風鈴の音色がお城とマッチして気分を盛り上げます。冬はこたつ船として、こたつに入りながら冬景色を楽しめるので、季節ごとに訪れるのもいいですね。

アクセス方法

JR山陰本線「松江駅」からレイクラインバス乗車(約10分)「松江城大手前」で下車。または一畑電鉄「松江しんじ湖温泉駅」から市営バス(北循環線内回り)乗車(約5分)「県庁前」を下車して徒歩5分。

◎周辺の観光スポット

松江城から徒歩約8分のところに、「カラコロ工房」という、手作りアクセサリーやレザークラフト体験、浴衣レンタルなどができる工房があります。こちらは小さなお子さんと一緒に作ることができるので、素敵な旅の思い出になりますよ。旧銀行である建物を利用しており、銀行の重厚な面影を残しているので、建物を見るだけでも楽しめます。

また、松江城から徒歩2分の場所には「松江神社」があります。松江城を築いた堀尾吉晴公、松平家初代藩主である松平直政公や、その祖父である徳川家康公を祀る神社として知られています。

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