【大湯環状列石】秋田県にある日本最大のストーンサークル!?

画像出典:ドラマル / PIXTA(ピクスタ)

【大湯環状列石】秋田県にある日本最大のストーンサークル!?

「大湯環状列石」は1956年に、「縄文人の精神性がよく読み取れるストーンサークル」として国の特別史跡に初めて指定されました。日本には178箇所もストーンサークルがあることをご存知ですか?そのうち約4割が東北の秋田で見つかっています。この辺りは落葉広葉樹の分布と一致するのですが、自然との繋がりが垣間見れる事実も「大湯環状列石」から発見されています。そもそも「大湯環状列石」は、どんな目的で作られたのか、魅力と不思議をご紹介していきます。

目次

【大湯環状列石】秋田県にある日本最大のストーンサークル!?

目次を閉じる

大湯環状列石とは

縄文時代後期の祭祀跡と言われている大湯環状列石は、野中堂環状列石と万座環状列石の2つのストーンサークルがあり、約4,000年前に作られました。日時計状組石と言われる石が発見されていることや、2つのストーンサークルの中心と、この日時計状組石を結ぶ方角がほぼ夏至の日没方向を指していることにより、縄文人が季節の移り変わりを確認していたことが理解できます。

また各配石遺構の下には人が埋葬されていた跡が見つかり、お墓でもあったことが最近の調査で明らかになりました。それぞれのストーンサークルの周りには、葬礼儀礼を行う掘立柱建物や土偶や土器なども発掘されていて、土偶や土器は隣接する「大湯ストーンサークル館」で展示されています。

大湯環状列石を形成するために用いられた石の総数は約7,200個あり、重さは数十キロから200kg、大きさは30から40cmのものから1mを超えるものまで様々ありました。ほとんどが石英閃緑玢岩(セキエイセンリョクフンガン)と呼ばれる鉱石で、濡れると自然に存在するような淡い緑色に変化します。

大湯環状列石は発掘されたままの状態ですので、立ち入りが制限されていますのでご注意ください。

野中堂環状列石

出典: kstyle / PIXTA(ピクスタ)

現在の県道を挟むように2つのストーンサークルは位置しており、野中堂環状列石は西側の広大な広場で発掘されました。2重の輪で形成されていて外側の輪の直径は約40m、内側の輪の直径は約20mあります。

日時計状組石は、ストーンサークルの中心にあるイメージがありますが、この2重になっている輪と輪の間に置かれています。あまり高さが感じられず、ちょっと見ただけでは日時計に見えないかもしれませんね。

万座環状列石

万座環状列石は、現在の県道の東側で発掘されました。野中堂環状列石と同じく2重の輪で形成されています。直径が52mもあり、国内最大級の大きさを誇ります。大きいサークルを地表から眺めても正直その大きさがわかりにくいですよね。

こちらのストーンサークルの近くには、見晴台が設けられているので少し高いところから石が構成しているサークルを眺めることができます。

大湯ストーンサークル館

大湯環状列石を訪れる観光客のためのガイダンスとして、平成14年に隣接する敷地にオープンしました。大湯環状列石には、「見て感じて欲しい」との思いから説明書きなど現代のものは置いていないので、理解を深めるこのような施設があるととてもわかりやすいですね。

展示ホールには遺跡の模型や解説、発掘された土偶の展示がありストーンサークルの全景を知ることができます。また当時の人々のアクセサリーや使用方法がわからない遺物も展示されているので、何に使われたのか想像するのも楽しいですよ。その中にある土版と呼ばれる1から6までの数の穴が開いた小さな土製の板は、人体と数を表現していてとぼけた人の顔のように見えるので、親近感がわく展示のひとつとなっています。

「縄文」の語源にもなった縄を使って粘土に模様をつける体験や図書閲覧コーナーもあり、子ども向けの図書も揃っていますので、家族連れでも楽しめる施設になっています。

縄文土器・ペンダントづくり体験

出典: 0120 / PIXTA(ピクスタ)

大湯ストーンサークル館では、縄文土器や手形、縄文人が身につけていたペンダントを作る体験ができます。ペンダントは、柔らかい石に自分で好きな形を下書きします。それを削って開けた穴に紐を通せば出来上がり!魚や勾玉の形など好きな形に仕上げてくださいね。その場で持ち帰ることができます。(所要時間:約45分から1時間、料金300円)

縄文土器は、展示されている縄文土器を真似してみたり、自分の手形の土器を作ることができます。縄文土器や手形は完成まで3~4週間ほど時間がかかりますので、楽しみに待っていてくださいね。

まとめ

大湯環状列石は、縄文人が現代のように重機などを使わずに何十年、何百年と時間をかけて作られた貴重なストーンサークルです。自然を敬い、季節を測る技術に長けていた縄文人がどんな理由でこの大湯環状列石を作ったのか、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。しかし現代に足跡が残り、それを見た私たちが楽しみながらいろいろと想像できるのはとても幸せなことですよね。遺跡というと堅苦しいイメージもありますが、気軽な気持ちで遊びに行ってください。敷地がとても広いので、真夏は以外の季節がおすすめですよ。

アクセス

JR十和田南駅からタクシーで約15分。JR鹿角花輪駅から秋北バス寺坂・大湯温泉方面行きに乗車し(約25分)「環状列石前」下車です。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

鹿角市でおすすめの記事

鹿角市のアクセスランキング