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熊本市の南に隣接する宇土市（うとし）。かつて加藤清正と激しく対立した小西行長の居城、宇土城があったところです。清正の築いた熊本城に今も残る宇土櫓は、関ヶ原の戦いで小西家が滅んだ後に移築された、宇土城の天守ともいわれています。

そんな宇土市は、熊本市から宇土半島や三角港、天草諸島などへ向かう分岐点。熊本県が誇る観光エリアへの通り道にあたりますが、宇土市自体にも多くの観光名所があるんですよ。せっかく熊本へ観光に行くなら、ただ通り過ぎるだけではもったいない！そんな宇土市の観光スポットを10選ご紹介します。

1.轟自然公園

宇土市内でもっとも大きな行楽観光スポットといえば、おそらくここ轟自然公園でしょう！

名水百選の轟水源や、そこから宇土市街地まで伸びる日本最古の上水道「轟泉水道」を中心に、広々とした自然公園として整備されています。また、江戸時代から伝わる26基もの大太鼓を収めた「大太鼓収蔵館」や、桜の名所として知られる轟御殿跡など観光の見どころはいっぱい。

歴史好きな観光客の方には、江戸時代の宇土領主宇土細川家にかんする資料館や墓地もおすすめですよ。

2.宇土城跡

宇土市には、「宇土城」と呼ばれるお城が2つありました。

1つは、豊臣秀吉の時代にキリシタン大名の小西行長が築いた「近世の」宇土城。宇土高校の背後にある城山公園がその跡ですが、現在は石垣や堀の一部を残すのみ。本丸跡に行長の威厳ある銅像が建つ、静かな芝生の公園となっています。

もう1つは、近世宇土城の西側にある西岡台の宇土城跡。こちらは小西氏以前の宇土領主であった名和氏の居城跡です。この「中世の」宇土城跡は国の史跡に指定されていて、発掘調査をもとに近年本格的な史跡公園として整備されました。堀跡や建物跡、木柵に門などが整えられ、中世の宇土のようすが目で見て感じられるようになっています。

轟自然公園からも近いので、宇土を訪れたら合わせて行ってみたい観光スポットですね。

3.長部田海床路

出典： トッチィー / PIXTA(ピクスタ)

干満による海面の比高差が4mにもなる有明海。長部田海床路（ながべたかいしょうろ）は、この海でノリの養殖などを行う漁業関係者のために建設された、特殊な作業用道路です。

満潮時に訪れると、海の中にただただ電柱と電線が続いているようにしか見えません。ですが、潮が引くにつれて、だんたんと海中から道路が姿を現します。その道の示すところ、遠くにははるか雲仙岳を望むことも！干潮時・満潮時、いずれの時間帯に訪れても観光の市街のある景観スポットですよ。ただ業務用の道路なので、残念ながら一般の観光客が車で走ったり、歩いたりすることはできません。

夜にはまた、電柱に灯りが点くので、ちょっと幻想的な景色に変わってオススメですよ。

4.御輿来海岸

出典： emacs55 / PIXTA(ピクスタ)

景行天皇が九州遠征のとき、あまりの美しさにしばし輿をとめて景色に見入ったとされる故事から名づけられた「御輿来海岸（おこしきかいがん）」。宇土市が誇るその美観は、今も健在です。

「日本の渚百選」や「日本の夕日百選」にも選ばれている御輿来海岸を観光で訪れるなら、ずばり夕刻と干潮時がオススメ！雲仙岳の向こうに沈む夕陽が、有明海の水面に赤い光の道を照らし出します。

また干潮時には、ゆっくりとした潮の引きが砂浜に波模様を描き、これがまた何とも優美！もし干潮と夕暮れが重なる時期に観光できたら…想像するだけでもたまりませんね！

5.網田駅

出典： ドラマル / PIXTA(ピクスタ)

御輿来海岸の最寄り駅であるJR網田駅（おうだえき）も、宇土市のちょっとした観光スポット。明治32年（1899）の開業当時から残る網田駅の駅舎は、木造のものでは熊本県内最古！赤瓦の二重屋根が可愛らしいレトロな雰囲気の建物です。

2012年には、宇土市がこの駅舎だけをJR九州から買い取ったほど！今では地域の交流施設としても活躍しています。

6.船場橋界隈

出典： Ren / PIXTA(ピクスタ)

かつて宇土は、浜戸川や緑川を通じて海と繋がっていました。浜戸川への運河としても使われていた船場川沿いには、今も江戸時代の趣を伝える町並みが点在しています。

なかでも、江戸末期に造られた石造アーチ橋の船場橋（せんばばし）を中心とした通称「船場橋界隈」は、宇土市街きっての歴史観光エリアです。川沿いには武家屋敷や商人町の面影が残る一方で、オシャレなカフェなどもちらほら！宇土観光の合間にそぞろ歩くのにうってつけの場所ですよ。

7.うと地蔵祭り

毎年8月の23日と24日の2日間にわたって行われる「うと地蔵祭り」は、宇土市の夏祭りのなかでももっとも賑やか！町じゅうのお地蔵さまを子供たちが飾り付け、無病息災を願って歌声とともにお参りしてまわります。

これに合わせて、商店街では「造りもん」と呼ばれる飾りを各店が掲げ、盆踊りやコンサート、花火大会などのさまざまなイベントが開催されます。宇土が活気に包まれる2日間。この時期に宇土へ観光に来たならぜひ参加したいお祭りですね。

8.日曜朝市

市民会館駐車場で、3月から12月にかけての毎週日曜日に開催される日曜朝市。有明海や不知火海の新鮮な魚介類をはじめ、採れたて野菜やできたてお惣菜などがお手頃価格で露店に並びます。

毎年12月30日には臨時朝市も開かれます。お年取りグッズが販売されるほか、郷土料理の「だご汁」が無料で振る舞われるのでオススメですよ！

朝6時にスタートして朝7時半には終了してしまうので、時間には注意して下さいね。

9.住吉自然公園

出典： Ren / PIXTA(ピクスタ)

緑川の河口に突き出る岬に造られた住吉自然公園。沖合に望む風流島は、『伊勢物語』や『枕草子』にも登場する歌枕の観光景勝地です。

岬の頂部に建つ住吉神社の境内には、江戸時代中期に「日本最古の灯台」とも呼ばれる高灯籠の跡を利用した、住吉灯台が建っています。

また、島の周囲はアジサイの名所！6月の中旬頃には約1000株、色とりどりのアジサイが万輪の花を咲かせ、宇土を訪れる観光客の目を楽しませます。この時期にはマンドリンコンサートや物産展も開かれるので、九州観光の寄り道にもちょうど良いですよ！

10.立岡自然公園

出典： Midipa / PIXTA(ピクスタ)

宇土市の東部に位置する立岡自然公園は、宇土でも指折りの桜の名所！

立岡池と花園池という2つの大きな溜池を中心としたのどかなグリーンパークです。とくに前者は、加藤清正が1611年に造らせたと伝わる歴史的な観光スポットでもあるんですよ。

九州山地の山並みを借景に、池のふちに立ち並ぶ桜の樹々の景色は格別！夜にはライトアップも行われ、宇土市内外から毎年多くの花見客や観光客が訪れます。

◎まとめ

歴史ある熊本市と、自然あふれる天草諸島。その間に位置する宇土市にも、カルチャーとネイチャー両面で楽しめる観光スポットが点在していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

宇土周辺へ観光に来たなら、鉄道や車の中でついウトウトしている暇なんて、ありませんよ！

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