奈良の考古学の宝庫「藤ノ木古墳」の施設と見どころをご紹介

画像出典:Ryu K / PIXTA(ピクスタ)

奈良の考古学の宝庫「藤ノ木古墳」の施設と見どころをご紹介

「藤ノ木古墳(ふじのきこふん)」は、奈良県駒郡斑鳩(いかるが)町にあり6世紀後半に築造されました。直径約48メートル、高さ約9メートルもの大型円墳です。古墳の中には埋葬施設があり、冠や馬具、銅鏡など多くの副葬品が出土しました。出土品は重要文化財に指定されています。また特別公開では石室内を見学できるのも魅力的。今回は考古学の宝庫、藤ノ木古墳の見どころ、アクセス方法などをご紹介します。

目次

奈良の考古学の宝庫「藤ノ木古墳」の施設と見どころをご紹介

1. 石室・石棺

出典: みのすけ / PIXTA(ピクスタ)

石室(せきしつ)とは、古墳や墳丘墓(ふんきゅうぼ)の中にある石造りの埋葬施設で藤ノ木古墳にあります。ここには、石棺(せっかん)という石でできた棺が安置されており、2人の人物が埋葬されていました。その人物は定かではありませんが、穴穂部皇子(あなほべのみこ)や宅部皇子(やかべのみこ)、崇峻天皇(すしゅんてんのう)の可能性が高いと考えられています。

石室内部はガラス窓越しに覗くことができ、春と秋に一般公開され内部を見学することも可能です。一般公開される日は、限定されているのでホームページをチェックしてくださいね。

2. 出土品について

出典: ja.wikipedia.org

藤ノ木古墳からは、これまで多くの副葬品が出土しました。出土品は重要文化財に指定され、現在は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館に展示されています。 石棺内からは、銅鏡、金銅冠、金銅履、金銅製・銀製装飾品類、刀剣類、ガラス玉製品、繊維類などが出土し、石棺以外からは金銅鞍金具、鉄地金銅張鞍金具、金属製品(馬具類、挂甲小札、刀身、鉄鏃、鉄製模造品など)、土師器、須恵器が出土しました。

未盗掘であったため、多くの出土品を発見することができました。主な出土品には、金銅製鞍金具があり古代東アジアにおいても類例がない、精緻な透彫りが施されています。前輪、後輪の覆輪、海金具、磯金具がほぼ元のままで残っています。また金銅製冠は、帯の長さが約52センチ、立飾り含めた高さは約35センチで、帯部は二山をなす広いタイプで、2枚の立飾りからなる冠となっています。さらに刀剣類は、5振の大刀と1振の剣があり、いずれも金銅製。太刀の中には長さが136センチあるものもありました。昔の人々がどんな道具をつくっていたのかを知ることができます。

3. 斑鳩文化財センター

出典: minack / PIXTA(ピクスタ)

「斑鳩文化財センター」(正式名称は斑鳩町文化財活用センター)は、平成22年(2010)に開設され、藤ノ木古墳を中心に斑鳩町の文化財の調査・研究、情報発信をする施設です。展示室では、石棺の実物大模型や藤ノ木古墳から出土した副葬品のレプリカの常設展示を行っているので必見ですよ。

また映像ホールでは、映像を用いて歴史や文化をわかりやすく学習することができるのでおすすめ。他にも30人程度のミニ講演会やセミナーなども行えます。藤ノ木古墳発掘のドキュメンタリー映像も上映されますので、視聴してみましょう。

4. 藤ノ木古墳周辺のコスモスについて

出典: みのすけ / PIXTA(ピクスタ)

秋になると藤ノ木古墳周辺にはコスモスが咲き誇り、大勢の観光客が訪れます。見ごろは、10月上旬頃~下旬頃。無料で自由に散策することができます。周辺は地元の方の車も通りますので、散策や写真撮影の際は注意しましょう。法隆寺から徒歩で約10分の所にあるので、ぜひ一緒に周ってみてはいかがでしょうか。

◎ 最後に:駐車場とアクセス方法

駐車場は、斑鳩文化財センターに無料で6台まで停められる駐車場があります。こちらが満車の場合は、近くに1日600円の「法隆寺門前芳庵駐車場」があるので便利です。藤ノ木古墳へのアクセスは、JR王寺駅から奈良行バスに乗り「斑鳩町役場前」で下車、徒歩約5分。または近鉄筒井駅から奈良行バスに乗り「斑鳩町役場前」で下車、徒歩約5分です。

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