飛鳥時代の木造の仏像を見に法輪寺へ!奈良が誇る重要文化財

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飛鳥時代の木造の仏像を見に法輪寺へ!奈良が誇る重要文化財

法輪寺は聖徳太子の御子である山背大兄王が建てたとされている寺で、飛鳥時代の木造の仏像と昭和五十年に再建された飛鳥様式の三重塔が有名です。法輪寺の山門の受付で500円の拝観料を払えば内部の木像などを見て回れます。拝観時間は3月~11月が8時~17時、12月~2月が8時~16時30分です。
法輪寺の建設には2つの説があると言われています。一つは、622年に病気であった聖徳太子の回復を願ってその子供である山背大兄王と孫の由義王が建設を望んだという説です。二つめは、670年に焼失してしまった法隆寺の再建がなかなか進まなかったために、百済の開法師、下氷新物、円明法師の3人が建設したという説です。どちらにしろ、厩戸王一族に関係の深い寺院であることは間違いないと考えられています。

目次

飛鳥時代の木造の仏像を見に法輪寺へ!奈良が誇る重要文化財

1.金堂の歴史と役割

法輪寺の金堂

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本堂にあたる金堂は本尊を祭るお堂ですが、現在の金堂は江戸時代の台風によって堂宇が倒壊した後、1761年に再建されたものです。以前ここに安置されていた仏像は、講堂の老朽化に伴い現在収蔵庫として改築された場所に入れられています。
旧金堂の建築場所と同じ場所に建てられていながらも、大きさは新金堂の方が一回り小さくなっていることが分かっています。

2.三重塔の歴史と特徴

法輪寺の三重塔

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昔からのものは飛鳥時代創建時の建物で、国宝指定されていて、法隆寺の五重塔,法起寺の三重塔と並んで斑鳩三塔と呼ばれています。現在の建物は1944年7月21日に落雷により焼失しましたが、1975年に焼失以前と同じ位置に同じ形で再建されました。この時飛鳥時代の様式を完全に再現しています。
心礎に仏舎利が収められていますが、これは焼失前にあったものを、とりだしたていたため焼失を免れたものです。三重塔の第一層に釈迦如来坐像と四天王像がありますが、公開されていません。

3.講堂・収蔵庫に収納されている仏像、施設の詳細

法輪寺

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寺内の講堂は収蔵庫なっていて仏像はここに収納されています。もともとは僧侶が勉強するためのお堂でしたが、1960年に大火耐震の改装を行い収蔵庫となっています。

内部に収納されている仏像は以下のようなものです。

・木造の薬師如来坐像
法輪寺の本尊であり、もとは金堂にあったものです。飛鳥時代の木造仏で、全国でも当時の木彫り如来として現存するものでこれだけです。7世紀半ば山背王一族の現世利益を願って止利仏師の作ですが、古い薬師如来で薬壺を持たない薬師如来を形作っています。施無畏与願印を結んでおり、眼や唇は法隆寺の釈迦像とは異なる点が複数指摘されています。特に、2枚の像を着ている点が特徴的であると言われています。

・木造の虚空蔵菩薩立像
7世紀半ばの木造仏でやはり止利派の仏師の作です。飛鳥時代特有のシンプルな形状で角がとがった形状の特徴があります。真っ直ぐに立ち、肘から先の部分を正面に向かって突き出して拳を上に向けているのが特徴の像です。実はこの像の本名は虚空蔵菩薩立像ではないとされており、本名が不明なのが面白い点の一つでもあります。虚空蔵菩薩立像は、頭が大きく銅の短い造りとなっており、法隆寺にある百済観音像とは異なった構造となっております。

・木造の十一面観音菩薩立像
これは平安時代前期の作で講堂の本尊です。一本の杉から作ったもので高さ4mで頭部から蓮肉までが彫られています。それに肩や腕つないだ仏像です。わずかに彩色が残っています。

4.年中行事の見どころ

法輪寺でも特徴のある年中行事が行われます。主なものは下記のものです。

・妙見護摩祈祷
毎月15日午前9時より行われる月々の法要で、妙見堂の妙見菩薩に対して、添護摩木を焚きあげして行う法要です。

・星祭り
2月3日に行う星祭りで、妙見菩薩が北極星の仏様であるため北極星に対して、一年の諸願成就をご祈願します。

・妙見会式
妙見菩薩様の縁日の4月15日に行う法要です。この日には秘仏であり、普段は見られない妙見菩薩立像のご開帳も行われます。

・秋季特別展
11月1日~7日には普段非公開の仏様や寺宝等の公開を行います。

◎アクセス方法について

JR大和路線の法輪寺駅から徒歩で30分かかります。バスは斑鳩町コミュニティバスがあります。法輪寺駅から法輪寺まで20分程ですが、このバスは1日2本しかありません。
その他に、東急のバスが徒歩5分の法起寺バス停で乗れます。また、法隆寺からも徒歩15分程でアクセス可能ですので、併せて観光してみてはいかがでしょうか。

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