今や海外旅行に電子機器を持っていかないという人はほとんどいないでしょう。とくにインターネットを利用できるかどうかという点は海外でも重要です。航空券や宿泊先の手配、観光名所やグルメスポットの検索、そして言語の翻訳と、1台のインターネット端末でずいぶんと多くのことができるようになりました。海外に持っていけるネット端末には、大きくスマホ・タブレット・(ノート)パソコンの3つがあります。この記事ではそのうちパソコンに注目して、他の2つとの違いやメリット・デメリット、そして持ち運びの際の注意点等について解説していきます。
目次
海外旅行でパソコンは必要?持っていくべきかの判断と運ぶ際のポイント
入力をするならノートパソコン
スマホは小さいですし、日本を出国するまではどのみち使うでしょうから、海外まで携帯しても問題ないでしょう。では、それに加えてタブレットやノートパソコンを持っていく必要はあるでしょうか。
結論から言うと、メールやブログなど文章を書いたり、写真をデジカメで撮るという人は、ノートパソコンも持っていくことをおすすめします。
スマホの利点は軽さと小ささにあり、パソコンの最大のデメリットはその重さと大きさです。つまり、スマホでは難しい作業を海外で行う予定がないかぎりは、わざわざノートパソコンまで持っていく必要はないわけです。
最近ではレポートをスマホのフリック入力でこなす大学生も少なくないそうですが、基本的にブログや仕事のメールといった長文はキーボードで作成するのが便利です。タブレットにはキーボード機能や外付けの基盤もありますが、スマホはそもそも両手で入力する形状ではありません。
また、文章に旅先の写真を挿入したり、あるいはデジカメの画像をバックアップするという作業についても、ノートパソコンやタブレットの方に利があります。逆に写真はスマホで済ませるし、文章もツイッター程度の長さしか書かないというのであれば、スマホ1台で十分でしょう。
ノートパソコンとタブレットの違い

ここで、タブレットとノートパソコンの違いについて少しみてみましょう。とくにタブレットの定義は曖昧で、一般的なイメージとしては薄くてキーボードが無く、代わりにタッチペンで操作するというものでしょうか。とはいえタブレットにも外付けのキーボードが別売りされているものも多く、文章を書くことができないわけではありません。
ノートパソコンとの一番の違いはOSで、タブレットには基本的にアンドロイドやiosといったスマホ用のOSが使われています。そのため文字入力はパソコンに比べると遅く操作性に欠け、やはり上述のような長い文章を書く目的であれば大きなデメリットといえます。ただし最近では、パソコンのOSも搭載した「2in1」という形式のものも登場しています。
ますます境界があやふやになっているタブレットとノートPCですが、突き詰めるとタブレットは大きな画面で通話のできないスマホといった方が近く、パソコンとの間には入力の面で差があるといえるでしょう。
飛行機に持ち込む際の注意点
◆ノートパソコンは預けない方が吉
ノートパソコンはスマホやタブレットに比べて格段に重いので、スーツケースに入れて預けてしまいたくなります。ですが、パソコンを受託手荷物にするのはおすすめできません。
日本国内ならまだしも、海外の空港ではスーツケースの扱いは総じて雑です。お国柄によっては投げられてしまうことも珍しくなく、衝撃に弱い電子機器は壊れてしまう可能性があります。なので、日本国内の空港まではスーツケースに入れて運ぶとしても、パソコンなど電子機器は預ける前に機内持ち込みの荷物に移すのが無難です。
◆バッテリーは必ず手荷物に
日本のルールでは、リチウムイオン電池を受託手荷物として預けることはできません。飛行中に発火する危険性があるからです。
リチウム電池は電子機器類に広くバッテリーとして使用されています。外付け・内蔵・予備を問わず、バッテリーは機内持ち込み手荷物に入れましょう。
細かい条件をクリアすれば預けることのできるバッテリーもありますが、無用な手間や時間を省くためにも、持ち込み手荷物としてまとめてしまった方が効率的です。
◆税関での申告が必要な場合も
ノートパソコンやデジカメなどの電子機器類について、外国の入国時に税関での申告が必要な場合があります。申告したからといって関税が課されるということはまずありませんが、不申告のまま通関使用とすると、多額の追徴金を課されるおそれがあります。
とくに近年は、ドイツでしばしばトラブルが生じています。不申告によって反則金を課されるだけでなく、物品を差し押さえられたりする事例が報告されているので注意してください。
パソコンに限らず、渡航先の国の持ち込み禁止品や制限品、免税範囲については事前に一度確認しておいた方がよいでしょう。そのうえで、入国時に私用のパソコンを所持している旨をひとこと伝えておけば、無用なトラブルを回避できます。
海外への持ち運びに適したノートパソコン
それでは、海外にノートパソコンを持っていくとして、どのような機種が向いているでしょうか。具体的にこれがオススメ!ということはできませんが、選び方のポイントを3点ご紹介します。
1. なるべく薄くて軽いもの
海外まで行ってわざわざ大画面のノートパソコンで映画を観たいというような人はそういないでしょう。動画やグラフィックの処理速度を求めたりしなければ、スペックについてはどれを選んでもそれほど変わりません。であれば、できるだけ薄くて軽いにこしたことはありません。
2. バッテリーが長もちするもの
バッテリーが長時間もつパソコンであれば、短期の海外旅行なら一度も充電しないで帰国することも可能です。日本とコンセントの形状が異なる国では、一度に使用できるプラグの数が限られてしまいます。充電が必要な機器をあまりいろいろと持っていくと、間に合わなかったり充電し忘れてしまったりすることにもつながります。
3. あまり高価でないもの
海外では何があるかわかりません。パソコンが壊れてしまう危険性も、日本国内にいるより高くなるといえます。ですので、あまり高級なパソコンを海外旅行に持っていくことはおすすめできません。また高価なパソコンだと、税関での申告に引っかかってしまう可能性も考えられます。
◎まとめ
海外旅行にノートパソコンは持って行った方がよいのか。また持って行くとして、何に注意すればよいのかについて説明しました。パソコンをはじめ電子機器類の扱いについては、国ごとにルールが異なるうえ、変更されることもしばしばです。必ず海外へ行く際には、渡航先の入国ルールについて確認しておくようしてください。