海外旅行で必ず通る税関での手続きと気を付けたいポイントについて

海外旅行で必ず通る税関での手続きと気を付けたいポイントについて

日本を出国する際、あるいは日本へ帰国するときには、税関を通る必要があります。税関の役割はいろいろありますが、海外旅行者にとっては大きく(1)関税および消費税等の徴収(2)輸出入貨物の取締りの2つがメインとなります。旅行客がお金や物を身に着けて出入国することも、厳密には「輸出入」と呼ばれ、税関をパスしなければならないのです。とはいえ、すべての旅行者や海外出張者をチェックするのはたいへんです。そこで、日本の税関では基本的に申告制がとられています。逆に、申告の手続きや書類がきちんとしていないと、無用な手間や時間を費やしてしまうことになりかねません。ここでは、海外旅行で必ず経験する税関での対処法と気を付けたいポイントについて解説します。

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海外旅行で必ず通る税関での手続きと気を付けたいポイントについて

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出国時の税関手続き

自分の所持品を持ち出すのに、税金がかかるということはありません。また国内で持っていても大丈夫なものは、持ち出しても大丈夫です。ただし、以下の2つに当てはまるものについては、通関時に申告を求められます。

1. 外国製品

外国製の腕時計やネックレス、指輪、バッグなどを持って海外に行く際に、税関に申告した方がよい場合があります。帰国時に外国製品を持っていると、旅行先で購入したものかどうか区別できず、一律に課税されてしまう可能性があるからです。出国時に「外国製品の持ち出し届」に必要事項を記入して現品を係員に見せ、印を押してもらうことで、出国前からの所持品であることの証明となります。

逆にいえば、帰国時に税金がかけられるような高価なものでなければ、外国製だからといっていちいち申告する必要はありません。そもそも特別な理由がない限りは、あまり高価な装飾品を身に着けて海外旅行に行くことは控えた方がよいでしょう。

2. 総額100万円を超える現金やトラベラーズチェックなど

現金やトラベラーズチェックのほか、小切手、約束手形、有価証券なども合わせて合計100万円を超える場合は、「支払手段等の携帯輸出・輸入届出書」という書類を提出しなければなりません。これはマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪目的による多額の金銭の持ち出しを防ぐためで、届け出たからといって課税されたり何かの支払いが生じたりすることはありません。

こちらも、そもそも海外旅行で100万円以上の金銭を持ち歩くのは危険です。現金は最小限にとどめて、クレジットカードを使用したり渡航先で少しずつ引き出すようにした方が無難です。

帰国時の税関手続き

税関の手続きでより重要なのは帰国時です。海外から日本に入国する際には、申告する物品があるか無いかにかかわらず、全員が「携帯品・別送品申告書」という書類を提出しなければなりません。別送品とは、海外から日本へ郵送するなどして手元にないものを指します。別送品の申告は入国後には行えないので、忘れると課税対象品とされてしまう可能性があるので注意してください。

免税範囲

海外旅行者から申告された物品は以下の免税範囲の規定に照らして、超過品があった場合に所定の税金が課せられます。

・酒類     :1本760mlのもの3本まで
・紙巻たばこ  :日本製外国製ともに200本まで
・葉巻たばこ  :50本まで
・香水     :2オンス(約56ml)まで
・その他の物品 :外国市価における合計金額が20万円まで

ただし酒類とたばこについては、未成年が所持していた場合免税にはなりません。

海外の入国に際して

日本の出入国で通関が必要なように、外国の出入国に際しても税関があります。その手続きや免税範囲は国によって異なるため、旅行先によっては気を付けなければならないこともあります。カメラやパソコンなどの電子機器について申告書の提出を求められたり、特定の食品の持ち込みや持ち出しが禁止されていたりするので、海外旅行の際にはできるだけ渡航先の税関についても調べておきましょう。

免税品について

免税品というと、あらゆる税金が免除されているように思うかもしれません。ですが、あくまで購入した国での課税が免除されるという意味なので、帰国時に上述の免税範囲を超えていれば、課税対象となってしまいます。Duty freeというとお買い得商品のような気がしてついついたくさん買い込んでしまいがちなので気を付けてください。

またEU圏では、免税の手続きが異なるので注意が必要です。通常、免税品は買ったお店で受け取ることはできず、出国時に空港で渡されます。ですが、EU加盟国では免税店であってもひとまず普通の税込み価格で購入し、品物もその場で受け取ります。その際に領収書と免税書類も渡されるので、EU圏を出るときに税関で品物と一緒に提出します。書類に印をもらい、空港内の銀行や所定の窓口に持っていけば、免税分の金額を払い戻してもらえるというシステムになっています。

日本に持ち込み規制のあるもの

最後に、外国で購入・持ち出しはできても、日本への持ち込みが制限されているものについて説明します。

まず、以下のものについては持ち込みが禁止されているので、税関で没収されます。
・麻薬、覚せい剤、大麻、あへん吸引具、向精神剤
・にせ札、にせ証券
・公安や風俗を害する書籍、図画などの品(わいせつなビデオ、DVDや本など)
・にせブランド品、コピー商品
・銃や砲弾、銃の部品など

また、食品類についてもさまざまな規定があります。代表的な輸入禁止品目には、肉類の加工品(ソーセージやハム、ジャーキーなど)、ワシントン条約に基づく動植物やその加工品(象牙、ワニ革、べっ甲製品等)などがあります。とくに動植物や加工食品関連については実に細かく定められているので、分からなくなったら農林水産省の動物検疫所や植物防疫所のHPを参照してください。

◎まとめ

通常の海外旅行であれば、出国時に税関への申請が必要になることはめったにありません。ただし帰国時には、免税範囲を超える酒類や香水、たばこなどを持っていないか注意しましょう。また外国で買った品物を日本へ送った場合にも、別送品としての申請を忘れないようにしてください。海外の税関で止められてしまうと、英語や現地語での説明はなかなか困難です。手続きが必要な品目はできるだけ事前に把握しておくと、スムーズに通関できるようになります。

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