世界トップクラスのダイビングスポット！ボルネオ島タワウを観光しよう

タワウはボルネオ島（カリマンタン島）の北東部に位置するマレーシアの都市で、南はインドネシアと接しています。1890年代以降に発展した町で、とくに第一次世界大戦後に日本人の入植者が増加するにあたって、インフラが整備されました。太平洋戦争で市街のほとんどが焼けてしまったために歴史的な建造物は少ないですが、日本が建てた観光スポットもあるんですよ。そんなタワウは、今では世界有数のダイビングスポットとして有名！マリンレジャーの街として近年注目を集めているタワウのおすすめ観光スポット5選をお届けします。

1. シパダン島

タワウの東の沖合に浮かぶ小さな島シパダン（Sipadan island）。ここはダイビング雑誌で上位に選ばれ続けている世界トップクラスのダイビングの名所！海が美しいというだけでなく、ガラパゴス諸島やミクロネシアと並んで多様な海洋生物が見られる海域として知られています。

とくに、アオウミガメやタイマイと一緒に泳ぐことができるスポットとして有名で、ほかにもマンタやブダイ、エイ、ジンベエザメなどと出会うことができますよ。ただし、島の周囲は環境保全地区に指定されているので、立ち入りできる観光客の数は限られています。また、島で夜を過ごすことも禁じられているので、訪れる際は入念な情報収集と計画が必要です。

2. 鐘楼

フェリーターミナルの近くにある小さな鐘楼（Tawau Bell Tower）は、タワウ市街で唯一残る戦前の建造物。1921年に、第一次世界大戦の休戦協定を記念して日本人が建てたものです。太平洋戦争に際しては、住民がその音色を惜しんで、鐘を1kmほど離れた教会に隠したとも伝えられています。

ヨーロッパの教会などに比べると小さな鐘楼ですが、古いタワウの写真などにもよく見られる、街のシンボル的な存在。タワウと日本のつながりを伝える貴重な観光スポットとして、ぜひ訪ねておきましょう。

3. 日本人墓地

1902年の日英同盟によってボルネオ進出への安全が担保されると、タワウには日本人の入植者が増えはじめ、ゴムやココナッツなどの大規模なプランテーションが開拓されました。

第二次世界大戦前までには、タワウ在住の日本人は1000人以上に膨らみ、それによって日本人用の共同墓地（Tawau Japanese War Memorial）が必要となりました。旧市街の北西郊外にある日本人墓地に眠っているのは、ほとんどが太平洋戦争を知らずに亡くなった人たちです。

現在の墓地には、日本人の名前が刻まれた墓碑のほかに、火葬場や水汲み場などの跡が日本語で示されています。また、戦争メモリアルとしての役割も果たしていて、追悼碑文なども建てられています。

4. テック・グアン・ココア博物館

ココア（カカオ豆）もタワウの重要な農産物の1つ。日本人墓地の少し先にあるテック・グアン・ココア博物館（Teck Guan Cocoa Museum）は、1970年代に開かれたココア農園に付属する観光ミュージアムです。建物のすぐ裏手にはカカオ豆の処理工場があるので、入る前から甘い香りにテンションが上がりますよ！

博物館ではココア栽培や加工に関する資料やビデオが見られるほか、カカオ豆を焙煎して挽いて、カカオパウダーやカカオバターに精製する過程を見学できますよ。もちろん、その後にはテック・グアン農園のカカオを使ったさまざまなココアスイーツの試食が待っています。

また、カカオバターには保湿や皮膚の硬化抑制効果があるといわれています。博物館のトイレにはカカオバターをたっぷり使用した石鹸が置かれているので、ぜひ試してみてください。

5. アル・カウタール・モスク

アル・カウタール・モスク（Al-Kauthar Mosque）は、タワウ旧市街の南東端に2004年に建立された新しいモスクです。1万6千～1万7千人を収容できるという巨大なモスクで、白亜の本堂に緑色のドーム、そしてその脇のすらりとした尖塔が印象的です。

東と西には大きな市場街もあり、周囲はタワウでもとくににぎわうところ。タワウのローカルな雰囲気を味わうなら、おすすめの観光スポットです。

◎ まとめ

ボルネオ島にあるマレーシアの街タワウの観光スポットをご紹介しました。世界トップクラスのダイビングスポットがあるなど、タワウは観光の魅力の多いところ。ですが、2000年にはシパダン島の外国人観光客を狙った武装集団による誘拐事件が発生するなど、近年は治安の悪化が問題視されています。もしタワウを観光するなら、そうしたリスクについてきちんと調査し、安全をしっかり確保してからにしましょう。