ヴォーアル空港から行くデンマーク領フェロー諸島の観光スポット5選！

イギリス本土とアイスランドの中間あたりに浮かぶフェロー諸島。グリーンランドお同じくデンマークの自治領で、南北に細長い短冊状の島々が並んでいます。フィヨルドのように入り組んだ地形で、周囲の多くは切り立った崖。背の高い樹木は生育できず、荒涼とした大地が広がります。フェローとは羊が語源といわれ、諸島内には9万頭といわれる羊のほか、牛や馬、山羊などがのびのびと放牧されています。なんといってもフェロー諸島は、こうした特徴的な地形と気候が生み出す自然の観光スポットが魅力！さっそく、フェロー諸島のおすすめ観光スポット4選をご紹介しましょう。

1. トースハウン

トースハウン（Tórshavn）は最も大きなストレイモイ島の南部にある、フェロー諸島の首都。街の歴史は9世紀にまで遡り、港に突き出た小さな半島「ティンガネス」に、ヴァイキングが「議会」を設立したのが始まりとされています。今でもティンガネスには赤い壁に芝を張った屋根が乗る伝統的な家屋が並び、街のシンボルともいえる観光名所となっています。

また港の東側に残る要塞跡も、トースハウンの歴史を語る観光スポット。1580年に海賊対策のために建造されたもので、第二次世界大戦中には「ヴァレンタイン作戦」におけるイギリスの拠点として利用されました。

どちらも容易に歩いて回れる距離と規模なので、フェロー諸島の歴史を感じるなら、首都トースハウンをまず観光しましょう。

2. ミキネス島

フェロー諸島の有人島のなかで最も西にあるのがミキネス島（Mykines）です。フェロー諸島の空の玄関口ヴォーアル空港最寄りの港から、小型フェリーに乗って行くことができます。島内には集落が1つありますが、道路と呼ぶような舗装された道はなく、自動車もありません。島内観光は徒歩が基本です。

散策路は整備されているので、両側に海を望む切り立った丘の上を歩いて巡ります。ミキネス島には多くのニシツノメドリ（パフィン）が住んでいて、人を恐れないため間近で観察したり、撮影したりできますよ。滞在の困難な孤島なので、観光の際は必ず地元のガイドに申し込むようにしましょう。

3. サクスン

サクスン（Saksun）は、首都トースハウンと同じストレイモイ島の北部にある小さな村。岩山に囲まれた小さな入り江のほとりに、数えるほどの家々が点在してます。

ここは自然の美しいフェロー諸島のなかでも、とくに絶景の観光名所！周囲の崖にはどこからともなく水が幾条もの滝となって入り江に注ぎ、神性というものを感じずにはいられない景色が広がります。

道路や駐車場は整備されていますが、公共交通機関は通っていません。サクスンを観光する際はレンタカーを借りるか、地元の旅行会社ないしタクシーを利用しましょう。

4. ヴェストマナの鳥の巣断崖

フェロー諸島は野鳥の楽園としても知られています。なかでもストレイモイ島西岸の町ヴェストマナの先には、粘土にナイフで切れ込みを入れたような崖の入り江がいくつもあり、格好の営巣地となっています。

とても歩いて行ける場所ではないので、この「鳥の巣断崖」（Vestmanna Bird Cliffs）を見るには観光遊覧船に乗らなければなりません。海鳥の子育ての時期は6～7月。このころにフェロー諸島を訪れれば、垂直の崖に無数の鳥たちが集まっているようすを観察できるでしょう。観光船自体は、5～9月の間にヴェストマナの港から毎日運航しています。

5. クラクスヴィーク

クラクスヴィーク（Klaksvík）は、ボルウォイ島にあるフェロー諸島東部の中心的な町。細長い入り江の港の両側に町が広がり、山の斜面に家々が立ち並ぶようすは、さながら小さな長崎といった感じです。この町はフェロー諸島の漁業の中心でもあり、とくに捕鯨がさかん。また、フェロー諸島で最大のビール醸造所があるのも観光の魅力です。

この町のもう1つの観光名所が、1963年に建てられたキリスト教会。フェローの伝統的な建築様式を踏襲しつつ、現代的なデザインをうまく取り入れた外観が特徴的です。堂内の天井には19世紀末に作られた8本櫂船が展示されているので、観光の際には忘れずに上に目をやりましょう。

◎まとめ

イギリスの北に浮かぶデンマーク領フェロー諸島の魅力についてお伝えしました。フェロー諸島へは、デンマーク北端近くの小さな港町ヒルツハルスから船で行くこともできますが、空路を利用するのが一般的。フェロー諸島唯一のヴォーアル空港へは、デンマークの首都コペンハーゲンから飛ぶのが便利です。歴史も古く自然も豊かな絶海の島々。フェロー諸島には滞在した分だけ貴重な観光の体験が待っていますよ。