ドン川河口の都市ロストフ・ナ・ドヌでおすすめの観光スポット4選！

ロストフ・ナ・ドヌとは、「ドン川のロストフ」という意味。ロシアの首都モスクワの北東にも同名のロストフという街があるため、区別するためにこう呼ばれます。アゾフと並ぶドン川河口の大都市で、黒海から続くアゾフ海に通じる重要な港町です。18世紀中ごろと比較的新しく建設された都市で、整然と計画されたロストフ・ナ・ドヌの市街には緑も多く、気持ちの良い観光や散策が楽しめます。2018年のサッカー・ワールドカップ会場の1つとなった都市でもあり、日本人にとって印象的な日本vs.ベルギーの一戦は、ここで行われました。それではさっそく、ロストフ・ナ・ドヌの観光スポットを4か所ご紹介しましょう。

1. 生神女福音大聖堂

ロストフ・ナ・ドヌの中央広場に面した生神女福音大聖堂（Orthodox Cathedral of the Nativity of the Holy Virgin）は、1781年に建立されました。現在の建物は、19世紀のロシア帝国御用達の建築家コンスタンチン・トーンの設計によって、1860年に建てられたものです。ソビエト連邦時代には、動物園に転用されたり鐘楼の一部が破壊されたりしましたが、現在は修復されてかつての美しい姿を取り戻しています。

正教会の大聖堂らしく、金色の玉ねぎ型のドームが印象的。1999年にロストフ・ナ・ドヌの建設250周年を記念して復元された鐘楼も見どころです。観光の際は、教会の前に立つ「ロストフの聖ドミトリ」像と一緒に撮影しましょう。

2. プーシキンスカヤ通り

ロストフ・ナ・ドヌの中心部を東西に貫くプーシキンスカヤ通り（Pushkinskaya Ulitsa）には、この町の歴史的建造物が集まっています。精神分析家ザビーナ・シュピールラインの生家や、レズニチェンコ・ハウス、ガヴァラ邸などは最も古く、いずれも19世紀末の築。ほかにも20世紀初頭までに建てられたネオゴシック調の瀟洒な建物が点在しています。

レストランやオシャレなショップなどもこの通り沿いに並んでいるので、ロストフ・ナ・ドヌでのショッピングやグルメなどにもおすすめですよ。また通りの西端近くには、鮮やかな花壇に彩られたゴーリキー公園があり、ロストフ・ナ・ドヌ市民の憩いの場となっています。お土産探しなどで疲れたときには、ここで休憩すると良いでしょう。

3. ドン川堤

ロストフ・ナ・ドヌはドン川の河港として発展した町。かつては川沿いに直接船をつけて、荷物の揚げ下ろしをしていました。やがて港湾施設が市街から離れたところに移ると、河堤からクレーンやレールは撤去され、ロストフ・ナ・ドヌ市民の川沿いの散策路として利用されるように。今ではドン川を眺める格好の観光スポットとなっています。

堤上の散策路沿いには緑も多く、またところどころ彫刻なども置かれていて目を楽しませてくれます。この築堤を会場として開催されるドン川フェスティバルには、1万人以上の観光客がやってくるんですよ。コサックの民族衣装に身を包んだ人たちや、露店もたくさん出るのでとても賑やかになります。

4. 鉄道昇開橋

大きな船が通る際に、一部または全体が動くような橋を可動橋といいます。可動橋にはいくつかのタイプがありますが、ロストフ・ナ・ドヌには橋の真ん中部分が上下する、いわゆる昇開橋があります。

ドン川を渡るこの昇開橋を通るのは、車でも人でもなく鉄道。日本にも筑後川昇開橋のように観光スポットになっている橋はありますが、ロストフ・ナ・ドヌのように現役の鉄道用の昇開橋というのは珍しいんですよ。

ロストフ・ナ・ドヌを代表する景色の1つとなっている鉄道昇開橋。実際に動いているところが見られるかは運次第ですが、ドン川の遊覧船から眺めているだけでも面白い橋です。また、ロストフ・ナ・ドヌからは周辺を巡る蒸気機関車も出ているので、実際にわたってみるという観光もアリですね。

◎まとめ

ロストフ・ナ・ドヌでおすすめの観光スポットを4つ取り上げました。ロストフ・ナ・ドヌは、冬季オリンピックで有名になったリゾート地ソチや、スターリングラードとしても知られるヴォルゴグラードにも近い都市。ロシアのコーカサス（コサック）地方を訪れる際には、ロストフ・ナ・ドヌ観光も検討してみて下さいね。