ニューヨークのマンハッタンにあるユダヤ博物館(The Jewish Museum)はアメリカはもとより、世界でもイスラエルに次ぐレベルで内容が充実しているユダヤの民族や文化に関する専門的な博物館です。然しながら、日本に済む私達の多くは、正直なところユダヤに関しての知識はなかなか触れる機会がありません。このマンハッタンのユダヤ博物館は、私達が考える「少し重たい」ものばかりではなく、現代社会に暮らすユダヤ文化発信基地として、また数々のコレクションで著名な存在なのです。
目次
マンハッタンのオススメ博物館、ユダヤ博物館に行ってみよう!!
1.ユダヤ博物館とは
ユダヤ博物館(The Jewish Museum)はマンハッタンにあるユダヤ文化の総合博物館です。その内容は宗教に文化、ポップアートや歴史、更にはコーシャ料理(ユダヤの戒律に則った料理)も体験できる世界でも稀に見る博物館です。
ユダヤ博物館の建物はもともとウォール街の銀行家・フェリックス=ウォーバーグの邸宅であり、フランスルネッサンス様式のこの建物は1908年の建造されました。ユダヤ博物館には1944年に寄贈されました。この建物自体が見るべき価値を有しています。これが個人の所有物だったとは、なかなか凄いことです。
2.ユダヤ博物館の位置
ユダヤ博物館の所在地は 1109 5th Ave at 92nd St New York。フィフスアベニューの92ストリートということで、所謂"ミュージアムマイル"のちょうど真ん中に位置しています。セントラルパークの隣ということもあって落ち着いた感じです。5Av&E92Stのバス停から直ぐ、徒歩3分でユダヤ博物館に到着します。地下鉄では96thSt駅から徒歩10分ほどです。
3.ユダヤ博物館の展示物
ユダヤ博物館は1階・2階が特別展、3階・4階が常設展となっており、1階にミュージアムショップが、地階にカフェが併設されています。特別展では現代アートの展示などを積極的に行っています。
ユダヤ博物館で学ぶ事が出来ることの一つに、ユダヤの歴史が挙げられます。バビロン捕囚、ユダヤ戦争、ディアスポラ、そしてナチスによるホロコースト。ユダヤの歴史は苦難の連続でした。この博物館ではユダヤの歴史を見学者に簡潔に説明し、その長い歴史をバックボーンとした数々のものを展示・陳列しています。そしてユダヤ民族がなぜ頑に戒律を守り、苦難の中でも民族としてのアイディンティティーを維持することができたかを教えてくれるのです。
そして、宗教としてのユダヤ教に関する展示物は圧巻の一言。ユダヤ教の象徴でもあるメノーラー(七枝の燭台)、ハヌカのシンボル的存在であるハヌッキーヤー(八枝の燭台)、そして美しさも感じる各種宗教祭具が数々展示されています。イスラエルの国旗はご存知のようにダビデの星ですが、国章がメノーラーを象ったものなんですね。他にも聖典「トーラ」の巻物とその保管箱は貴重な展示物です。
アート系の作品は専ら現代アートを中心に展示されています。その多くはユダヤ文化にとらわれない、ポップな作品ですが、中には古代からのユダヤのシンボルを現代風にアレンジしたものや、ユダヤの男性が身に付けるキッパの作品なんかも展示されています。また、ビザンチン帝国の文化の影響を如実に物語るモザイクの数々も非常に有名です。また、マン=レイのポートレートやトマス=サリーの肖像画あたりも人気の作品ではないでしょうか。
4.カフェでコーシャ料理を体験
地階にあるカフェではコーシャ料理を味わう事が出来ます。コーシャとはユダヤ教の食物規定(カシュルート)のアメリカ系ユダヤ人における呼び方です。飛行機の機内食でもコーシャと呼ばれることが多いですね。勿論このカフェではコーシャに則った料理を提供しますので、豚肉や貝類なんかは提供されません。
ユダヤ系の料理といえばベーグル等が有名ですね。また、ハッラーと呼ばれる三つ編みパンもアメリカやヨーロッパでは良く食べられています。勿論カフェでもこれらもを使ったメニューがあり、ハッラーを使ったフレンチトーストは人気のようです。またテイクアウトメニューもあるので、サンドウィッチやドリンクを持ち帰ってホテルなどで食べる事もできますね。
◎まとめ
ミュージアムマイルと呼ばれるこのエリアで異彩を放つこのユダヤ博物館。現代アメリカに存在するこの建物からは、宗教的・民俗的アイデンティティーと多大な文化を感じる事ができます。マンハッタンを訪問された時には是非足を伸ばしてみませんか?