マリアナ諸島最大の島で、アメリカ合衆国の準州であるグアム。日本から最も近い南国リゾートとあって、昔から日本人には人気の観光地です。
しかしアメリカとは言っても、住民のおよそ4割がチャモロ人で、公用語も英語とチャモロ語の2つ。南国リゾートばかりが注目されるグアムですが、折角来たのですから、このチャモロ文化にも触れてみるのは如何でしょうか。と言う事で、本日はチャモロ文化のご紹介です。
目次
南国「グアム」のもう一つの魅力!チャモロ文化にも触れてみよう!!
1.グアムの歴史とチャモロ文化
グアムに人が住み始めたのは、紀元前3千年~2千年の頃。マレ-半島やインドネシア、フィリピン等からカヌーに乗って移住した東南アジア系民族で、これがチャモロ人のルーツと言われています。
1521年に、世界一周航海中のマゼランがマリアナ諸島を発見、グアムに初めて西洋人が上陸します。その後3百年以上に渡りスペインの統治下に置かれますが、19世紀末に起こった米西戦争の結果、グアムは米国の統治下に。太平洋戦争中に一時日本に占領されましたが、以降米国領として今に至ってます。
このような歴史の中で、スペイン統治下にはキリスト教が入る等、様々な外部の影響も受けましたが、チャモロ文化は今もグアムの人達の生活の中にしっかりと息づいています。
2.チャモロ文化の代表、チャモロ料理
グアムを訪れた観光客が最も体験し易いチャモロ文化が、古くから受け継がれてきたチャモロ料理という伝統料理。スペイン、アメリカ、日本、その他東南アジア各国の影響を受けたグアムオリジナルの料理で、代表的なものがレッドライスやケラグエン。レッドライスはもち米こそ使いませんが、感覚的には チャモロ版のお赤飯といったところ。ケラグエンは酢の物系のおつまみの様なものです。
チャモロ料理に頻繁に使われるスパイスや食材が、ココナツ、赤唐辛子、お醤油、お酢、玉ねぎ、レモン汁、砂糖等。どの料理にも「甘さ・辛さ・酸っぱさ」のいずれかがはっきりと現れるのが味の特徴です。皆さんも是非この美味しいチャモロ文化に触れてみましょう。
3.チャモロの遺跡、ラッテストーン公園
グアムの首都ハガニアの中心にあるスペイン広場、この広場の裏手にあるのがラッテストーン公園です。チャモロ文化を代表する遺跡で、ラッテストーンと呼ばれる石柱が見られる場所。グアムやサイパン等の北マリアナ諸島に残されている巨石で、「ハリギ」と呼ばれる直立した石柱の上に「タサ」と呼ばれるお椀型の石が乗り、こけしのような形をしているのが特徴です。
何の目的で造られたのかは不明ですが、高床式住居の土台として使われたと言うのが有力な説。16世紀にマゼランがグアム島を発見し、スペインによる統治が始まった頃は、ラッテストーンはまだそのように使われていたそうです。チャモロ文化とは無関係ですが、この公園では日本統治時代の防空壕を見ることも出来ます。
4.まだまだあるチャモロ文化
料理や遺跡以外にも、我々はグアムのあちこちで伝統のチャモロ文化に触れることが出来ます。その一つがチャモロ音楽やチャモロダンス。最大の特徴はチャント(詠唱)と呼ばれるもので、多くは2組以上の歌い手が交互に歌うスタイルを取り、しばしば伝統舞踊と組合されます。フェスティバル等の他、ラジオの伝統音楽チャンネルでも聴く事が出来ます。
更にここ10年で再び脚光を浴びるようになったのが、伝統的なチャモロ文化の一つ、ハンドメイドのチャモロジュエリーです。特徴は貝殻や動物の骨、グアム原産の樹木メルバウ等、地元の天然素材を幅広く使っている事。身に着けられるアート作品として人気のこのジュエリー、お土産にも良いですよね!
◎まとめ
グアムに伝わる伝統のチャモロ文化についてご紹介してまいりましたが、如何でしたでしょうか?
本文ではご紹介しきれませんでしたが、この他にもチャモロ文化の中には、物語を口伝えで語り継ぐストーリーテリング(口承)と言う伝統が有り、チャモロ月間にあたる3月にはストーリーテリングのイベントも催されます。古代チャモロ語には文字が無かった為、この様な口承が歴史を伝える重要な役割を担っていたそうです。