一昔前は危険な都市といわれたロサンゼルス。21世紀になってからは、市の治安改善策も功を奏して、劇的に治安が良くなりました。現在、主要観光スポット周辺は治安を心配する必要があまりありません。
ただしダウンタウン南部は注意が必要。サウスベイ地区のコンプトンという町はギャングの巣窟、全米での殺人率も非常に高い危険エリアです。以前より治安は幾分か改善されたものの、アメリカ屈指の貧民窟であることから、まだまだ要注意のサウスベイにあるエリアです。今回はコンプトンとその周辺での注意点を紹介します。
目次
サウスベイの治安について。ダウンタウン~ロングビーチ間の町・コンプトン
1.コンプトンの成り立ち
ロサンゼルス、サウスベイエリアのなかでも特に犯罪発生率の高い要注意地区。貧困率が高く、ギャング同士の抗争による殺人事件の発生率が高いことでも有名です。人口の大半をアフリカ系とヒスパニック系が占め、黒人文化やメキシコ文化が強い影響力を持っています。
ロサンゼルス国際空港の東側、ダウンタウン南にあるコンプトンの治安が悪くなった要因として、一説によるとロサンゼルス国際空港が関係しているといわれています。太平洋を越えてきた航空機、または別方向から来る航空機はコンプトン上空で旋回して空港への着陸準備に入ります。飛行機が大渋滞を起こし騒音が激しいため家賃が低下。結果貧困層が集い治安の悪化につながっているそうです。
2.コンプトンの場所は?その他注意する地域は?
ロサンゼルスの中心地から南に約24kmほど離れた地域。車だとダウンタウンから運転して20分程度のサウスベイエリアにあたります。サウスベイエリアの観光名所とは離れた場所で、直接訪れることは無いと思いますが、レンタカーなど車で通るのは避けましょう。電車ではダウンタウンからロングビーチに行くブルーラインがコンプトンを通過します。現地に精通した留学生でもダウンタウンからロングビーチの電車は細心の注意を払うそう。市バスも治安の悪いスラム街を経由する路線は注意が必要ですよ!
周辺ではサウスロサンゼルスやイングルウッド、スキッドロウといった地区も治安が不安定です。空港の東側、ダウンタウンの南のエリアには要注意です。
3.サウスベイエリアのコンプトン周辺で注意すること
レストランなどで座席確保のため荷物を放置することは危険です。また徒歩での移動中もたすき掛けにするなど、しっかり荷物を抱えてください。治安の良いエリアでも、スマートフォンのながら歩きは要注意!ひったくりの被害に気をつけてくださいね。
夜間に関してもロサンゼルスは車社会のため、徒歩で移動している人はあまりいません。極力タクシーを利用するか、出歩かないほうが良いでしょう。レンタカーを利用する方も、車上荒らしに注意してください。車外から貴重品が見えたりする際は危険性が高くなるため、必ず持ち歩くようにしてくださいね。全般的には街はきれいですが、ストリートにゴミが落ちているエリアは要注意。治安が悪いエリアである可能性があります。
4.近郊にあるB級観光スポット
コンプトンには主要な観光スポットはありませんが、コンプトン北側のワッツというエリアには鉄筋をセメントで固めたワッツタワーという塔があります。著名な建築家やアーティストが作ったものではなく、無名の労働者が建造。しかし、セブンアップの瓶や色彩豊かなタイルをセメントに埋め込んでいるその独特な外観は、隠れたB級観光スポットになっています。
とはいえ、ワッツもサウスベイエリアの治安がイマイチな地区。一人ではうろつかないでください。昼間ならワッツタワーのガイド付きツアーもあるので、どうしてもという方はそちらがおすすめです。
◎まとめ
サウスベイ地区のコンプトンは観光エリアではないので、よほど事情がない限りは近づくことはないでしょう。やはり回避するというのが一番の策です。同時に回避するにはこのような治安情報を頭に入れておく必要がありますよね。
ロサンゼルス全体としては近年劇的に治安が改善。サウスベイ地区の別エリアに関しても最低限の注意をしていれば治安には何ら問題ありません。サウスベイを代表する町・ロングビーチやトーランスもそうなので、観光客の受け入れ態勢がある町で観光を楽しんでください。