ロサンゼルスの沖合に浮かぶチャンネル諸島は、本土のベンチュラかオックスナードの港から舟で3～4時間の距離ですが、「北米のガラパゴス」といわれるほど多くの固有種の動植物が生息しています。
チャンネル諸島国立公園のなかで、1つだけぽつんと離れている小島がサンタバーバラ島。周囲の島々と比べてもずいぶんと小さく、定住者もいません。キャンプ施設が1か所あるほかは草原が広がるのみで、海鳥の重要な繁殖地となっています。
ここでは、そんなロサンゼルス沖の国立公園を構成するサンタバーバラ島の魅力について解説します。
目次
北米のガラパゴス！ロス沖合のサンタバーバラ島で大自然を満喫しよう
1. サンタバーバラ島とは
サンタバーバラ島は、南カリフォニア沖に浮かぶ5つの島で構成されるチャンネル諸島国立公園の1つ。5島のなかで最小の島で、海面からわずかに顔をのぞかせているように見えます。珍しい海鳥スクリップスマーレットの繁殖地となっていて、島内にあるハイキングコースを周って手つかずの自然を体感することができます。
サンタバーバラ島には樹木がなく、ほとんどが荒野。飲料水も日陰もほとんどないので、訪れる際には十分な食料と飲料水、そして日除けの帽子を用意しましょう。ハイキングシューズを履くなど、野歩きの準備も行ってください。また、島内にホテルやレストラン、売店の類はありません。
2. サンタバーバラ島へのアクセス
サンタバーバラ島があるチャンネル諸島へは、民間企業の船か、国立公園の認定業者となっているアイランドパッカーズの船で行くことができます。
ロサンゼルスの西のベンチュラかオックスナードから3時間ほどかかります。アイランドパッカーズでは、4～10月に10便前後のみ運航しています。
ちなみに、チャンネル諸島最大のサンタクルス島の北の対岸本土にはサンタバーバラという街がありますが、サンタバーバラ島とは直接の関係はありません。場所もいささか離れているので注意してください。
3. ハイキングトレイル
サンタバーバラ島には、全長8.8kmにわたるハイキングトレイルがあります。人気があるのは、島の南側を回って、標高193ｍの島内最高地点シグナルピークへ到達するコース。荒地を踏み分けて進み、サンタバーバラ島の緑と風を感じながら歩きます。
シグナルピークからは、紺碧の海に囲まれた360度のパノラマビューが見渡せますよ。島には固有種の動植物が多いので、小さな生き物もひとつひとつ観察しながら、サンタバーバラ島のハイキングを楽しんでください。
4. ホエールウォッチング
ベンチュラ沖とチャンネル諸島の間では、ホエールウォッチングのツアーも出ています。クジラやイルカは世界で78種確認されていますが、チャンネル諸島ではそのうち29種も観察できるんですよ！
人懐っこいことで知られるコククジラは、12月下旬から4月半ばごろがシーズン。夏にはザトウクジラとシロナガスクジラを見ることができますよ。シロナガスクジラは地球上で最も大きい動物とされ、体長は30m近くにもなります。また運が良ければ、イルカの群れに遭遇することも！ロサンゼルスの大都会近郊でこれだけのクジラやイルカに出会えるなんて、意外ですよね。
◎まとめ
サンタバーバラ島ではクジラやイルカのほかに、アシカやアザラシが見られることもあります。サンタバーバラ島のアクティビティは、ハイキングや自然観察がメイン。ロサンゼルス郊外の港からわずか3～4時間ほどの距離なのに、「北米のガラパゴス」とも称される大自然が広がっています。
チャンネル諸島で最大のサンタクルス島では、カヤックやハイキング、キャンプが楽しめます。アナカパ島とサンタクルーズ島には数百もの洞窟があり、ガイド付きのシーカヤックがおすすめですよ。
サンタクルス島の次に大きいサンタローザ島にはキャンプ場があり、シャワーや水洗トイレ、風避けのシェルターが完備されています。この島にはチャンネル諸島で唯一の飛行場があり、ロサンゼルスから飛行機でわずか25分で行くことができます。
