名称:Tsodilo
住所:Northwest Botswana, Shakawe, Botswana
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1021
アフリカ大陸の南部に位置するボツワナ共和国は、ナミビア、ジンバブエ、ザンビア、そして南アフリカ共和国の4ヶ国に囲まれた内陸国です。1966年にイギリス保護領から独立したばかりの比較的新しい国で、国民の約80%が古くからこの地に住むツワナ人で構成されています。
そんなボツワナで王道ともいえる観光スポットといえば、2001年にボツワナ初の世界遺産に登録された「ツォディロ(Tsodilo)」。広大なカラハリ砂漠の中に鮮やかな岩壁絵が数多く残された様子は、別名「砂漠のルーブル」とも称されているんですよ!
それでは、ボツワナの世界遺産「ツォディロ」についてご紹介していきましょう。
目次
ここはまるで砂漠のルーブル美術館!ボツワナの世界遺産ツォディロ
ツォディロとは?
出典: Radek Borovka/Shutterstock
国土の約70%をカラハリ砂漠が占めるというボツワナ共和国。その北西部に位置する「ツォディロ(Tsodilo)」は、2001年にボツワナ初の世界遺産に登録された観光名所です。メイル・ヒル(男山)、フィーメイル・ヒル(女山)、チャイルド・ヒル(子供山)、ノース・ヒル(北山)と名付けられた4つの丘陵があるこのエリアには、かつてこの地に住んでいたサン族が描いた岩壁絵が4500以上も残されています。
紀元前4000年頃に描かれたというツォディロの岩壁絵は、他の地域にある岩壁絵とは異なり密集して描かれているというのが特徴。また、ツォディロのあるカラハリ砂漠からは、人々が数千年にもわたって生活していたと思われる遺跡がいくつも見つかっており、サン族の文化的・精神的に大きな支柱となっていた地域であると推測されています。
ちなみに、サン族とはアフリカ大陸の東部と南部の広い範囲にわたって分布していた先住民で、「地球最古の人類」とも呼ばれているんですよ。サン族にとってこのツォディロは、死者の霊が休息に訪れる非常に神聖な場所であるのだとか。中でも神が住んでいるとされているフィーメイル・ヒル(Femail Hill)の洞窟や、メイル・ヒル(Male Hill)の頂上付近は、パワースポットとしても有名です。
ツォディロへのアクセス
ボツワナの世界遺産「ツォディロ」は、首都ハボローネ(Gaborone)から1300kmほど離れた場所に位置します。ハボローネから車での移動は非常に難しいため、ツォディロの近郊にあるマウン(Maun)を拠点とするのがおすすめです。ちなみに、マウンはオカバンゴ湿地帯やモレミ野生動物保護区といった、有名観光スポットへの玄関口にもなっていますよ。
日本とボツワナ間は直行便が就航していないので、アジアや中東を経由してまずは南アフリカ共和国のヨハネスブルグに入り、そこからマウンへ行きましょう。フライト時間は最短でも26時間弱。なお、マウン空港からツォディロまでは公共交通機関が通っていませんので、オフロードでも対応できる四輪駆動車をチャーターするかレンタルする必要があります。
「ツォディロ」はボツワナ国立博物館の管理下にありますが、敷地内で自由にキャンプを楽しむことも可能です。しかし、オフロードでの運転は危険が伴うため、マウン発着の現地ツアーに参加するか、シャカウェー(Shakawe)のロッジで開催されるアクティビティツアーに参加することをおすすめします。
ツォディロのおすすめポイント
◆砂漠のルーブルといわれる岩壁絵
世界遺産「ツォディロ」の最大の魅力といえば、なんといっても鮮やかな岩壁絵でしょう。「砂漠のルーブル」という異名をとるほど美しい岩壁絵は、ボツワナ屈指の観光名所として世界中からも注目を集めています。特に、その密度の高さは世界中に存在する岩壁絵の中でも群を抜いており、わずか10平方kmという小さな範囲に4500以上もの岩壁絵が描かれているのです。
数字だけ見てもあまりピンと来ないかもしれませんが、その密度は同じく世界遺産に登録されているジンバブエの「マトボ」や、オーストラリアの「カカドゥ国立公園」も比にもならないほどなのだとか。ちょっと歩くだけでもあちらこちらで見ることができるので、岩絵を探しながら散策を楽しむのもおすすめです。
サン族の血を引くガイドさんに、施設内の案内をお願いすることも出来ますよ!
◆トレイルツアー
「ツォディロ」では、最大の魅力である岩壁絵をより楽しむための様々なトレイルツアーが用意されています。壁画を存分に楽しみたい方には一番人気の「ライノ・トレイル(Rhino Trail)」、または「ライオン・トレイル(Lion Trail)」がおすすめ。他にも本格的なトレッキングと壁画の両方を楽しめる「メイル・ヒル(Male Hill)登頂」などもあります。
なんと「クリフ・トレイル(Cliff Trail)」では、壁画や自然はもちろんのこと、かつてサン人が居住していたという2階構造の洞窟も見学することができるんですよ!この洞窟の2階部分は子供を外敵から守るために使用されていたため、ロッククライミングしないと入れない構造となっています。参加する際は万全に準備をして挑みましょう。
◎まとめ
「砂漠のルーブル」と呼ばれるほどのたくさんの岩壁絵や、それらを間近で見ることができるトレイルツアーなど、世界遺産「ツォディロ」には観光客を惹きつける魅力がたっぷり詰まっています。周辺には自然も広がっており、「カバプール」では水浴びを楽しむ野生のカバの姿を楽しむこともできますよ!
原住民であるサン族の集落や、その近くにあるハンブクシュ族の村を訪れてみるのもおすすめです。