名称:Gebel Barkal and the Sites of the Napatan Region
住所:Meroe, Dongola, Sudan
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1073
アフリカ大陸の北東部に位置するスーダン共和国には、美しい景観と歴史的建造物を楽しめる古代エジプト時代の遺跡があります。首都ハルツームから400Kmほど北上したところにある「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群(Gebel Barkal and the Sites of the Napatan Region)」が、まさにその遺跡です。
2003年にはスーダン初の世界遺産にも登録されました。
夕暮れ時に見せる美しい景色や聖地として崇められていた建造物の数々、さらにはいまだに発掘作業が完了しておらず謎が残っているかもしれないというミステリアスな雰囲気など、この世界遺産には様々な魅力が詰まっていますよ。
それでは、スーダンの世界遺産「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」についてご紹介しましょう。
目次
スーダンにあるエジプト古代遺跡!ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群
ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群とは?
世界遺産「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群(Gebel Barkal and the Sites of the Napatan Region)」とは、スーダン北部にある古代エジプト時代の遺跡群です。中でも最も有名な「ゲベル・バルカル」は高さ98mほどの小山のことで、紀元前1450年頃に領土を広げたエジプトのトトメス3世が南限と位置づけた場所でもあります。
その後「ナパタ(Napata)」という植民地都市を建設したエジプト王朝でしたが徐々に弱体化が進み、結果、この地に住む人々がアフリカ最古の黒人国家・クシュ王国(Kush)を建設。首都をナパタに置きエジプトを支配し始めたのです。エジプトやクシュ王国の人たちは、「ゲベル・バルカル」を最高神であるアモンの住む聖地として崇め、周辺に寺院や神殿などを次々と建設しました。
現在この遺跡から発見されているのは、13の神殿と3つの宮殿のほか墓所遺跡などですが、今後もまだまだ新たな発見があると考えられているそうですよ。謎に包まれた古代遺跡は景色が美しいことでも知られており、特にサンセットと遺跡群のコラボは必見!ミステリアスで且つ美しい絶景を楽しむことが出来ます。
「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」はその貴重な遺跡や美しい景観を評価され、2003年にスーダン初の世界遺産に登録されました。
ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群へのアクセス
日本からスーダンの首都ハルツームへの直行便はありませんので、ヨーロッパや中東、アジア各都市で乗り継ぐ経由便を利用しましょう。ハルツームから「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」までは約400Km、車でおよそ6時間弱の道のりです。
空路を利用してアクセスしたい方は、遺跡群の近郊にあるドンゴラ(Dongola)やアル・ダッバ(El Debba)、メロウェ(Meroe)などを拠点にすると良いでしょう。中でも「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」から最も近いメロウェがおすすめ。ハルツームからのフライト時間は約1時間で、遺跡群までは30分ほどで到着することができます。
ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群のおすすめポイント
◆美しい景観
世界遺産「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」は歴史ある遺跡として人気の観光スポットですが、最大の魅力は何といってもその美しい景観!高さが100mほどしかない小山ですが、頂上から見える眺めはまさに圧巻ですよ。ちょっと頑張れば登れる高さですので、ぜひトライしてみてくださいね。
おすすめは、ピンクとオレンジを混ぜたような美しい夕陽を見ることができる夕暮れ時。時間帯によって見える景色が全く異なるそうなので、時間に余裕のある方は両方を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
ちなみに、日没後の遺跡群周辺はかなり冷え込みますので、羽織ものを用意しておくと良いですよ。
また、街頭などが一切ない沙漠エリアはあっという間に真っ暗になりますので、サンセット鑑賞後はすぐに帰るようスケジュールを組んでおきましょう。
◆深い謎が残っている可能性
「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」は、1970年代にローマ大学の調査隊が発掘を行い、80年代にはそこにボストン美術館の調査隊が合流して発掘作業を進めてきました。その後の1916年からは、ハーバード大学の研究員やボストン美術館の人々が発掘作業を行っているにもかかわらず、未だに完了していないのが現状です。
もしかしたら重大な発見があるかもしれない…そんな事を考えるだけで、ワクワクする方も多いはず。実際、そのミステリアスな雰囲気を味わおうと、世界中からたくさんの観光客が集まって来ているのです。この謎めいた世界遺産「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」へ、一度足を運んでみませんか?
◎まとめ
アフリカで3番目の面積を誇るスーダン共和国は、東部を紅海に面し、北部の大部分を沙漠に覆われ、中央部をナイル川が流れるという特徴を持っています。今回ご紹介した世界遺産「ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群」は北部の砂漠地帯に位置するため、少々アクセスは不便ですが、アフリカならではの壮大な景観を楽しむにはうってつけのスポットと言えるでしょう。ほかにも、引き続き発掘が進められている遺跡や王の墓、歴史的建造物など、とにかく見どころ満載ですよ!