ギニアとコートジボワールにまたがる世界遺産ニンバ山厳正自然保護区

画像出典:Maarten van der Bent/Flickr

ギニアとコートジボワールにまたがる世界遺産ニンバ山厳正自然保護区

西アフリカのギニア共和国とコートジボワール共和国にまたがる広大な山岳地帯。世界遺産「ニンバ山厳正自然保護区(Mount Nimba Strict Nature Reserve)」は、ニンバ山を中心として広がる熱帯雨林と、サバンナの両方を有する国立公園です。ここには500種以上の動物と、2000種を超える植物が生息しており、中にはコビトカバやニシコモチヒキガエルといった固有種もいるんですよ。

そんな動植物の宝庫であるニンバ山厳正自然保護区は、1981年にはギニアに含まれる部分が、翌1982年にはコートジボワールに属する部分が世界遺産に登録されました。残念ながら自然保護区のため立ち入ることができませんが、大自然の魅力が詰まったこの世界遺産を一日も早く一般に解放してほしいものです。
それでは、ギニアとコートジボワールの世界遺産「ニンバ山厳正自然保護区」の魅力をご紹介しましょう。

目次

ギニアとコートジボワールにまたがる世界遺産ニンバ山厳正自然保護区

ニンバ山厳正自然保護区とは?

出典: commons.wikimedia.org

「ニンバ山厳正自然保護区(Mount Nimba Strict Nature Reserve)」は、ギニアとコートジボワール、そしてリベリアの3国にまたがる国立公園です。1981年にギニアで世界遺産に登録され、さらに翌年にはコートジボワールに含まれるエリアが世界遺産に登録されました。

標高1,752mのニンバ山を中心としたこのエリアは、サバンナと熱帯雨林の2つの自然環境を有しており、そんな特殊な自然環境の影響で多種多様な動植物が生息しています。2000種以上の植物と500種以上の動物の中には、ニンバ山厳正自然保護区エリアのみに生息する固有種もたくさんいますよ!

体内で卵を孵化させ出産するニシコモチヒキガエルや、通常のカバの半分ほどの大きさのコビトカバなど、他では見られない珍しい動物が目白押し。また、ニンバ山厳正自然保護区は、京都大学霊長類研究所が30年にもわたってチンパンジーの研究をしている拠点としても知られています。

この西アフリカ屈指の「自然の宝庫」は、リベリアからの難民流入や鉱山開発の影響で自然環境の維持が難しくなっており、1992年には危機遺産にも登録されました。

ニンバ山厳正自然保護区へのアクセス

「ニンバ山厳正自然保護区」は2018年現在、ほとんどの区域が立入禁止となっているため、限定されたエリアまでの観光となります。ニンバ山に最も近い村は、隣国リベリアにあるイェケパ(Yekepa)で、首都モンロビア(Monrovia)から約330Km。陸路で8時弱です。

日本からリベリアまでは直行便が運航していないので、ヨーロッパやアフリカを最低2都市以上経由する必要があります。フライトスケジュールによって異なりますが、最短時間は約24時間。ロンドンとカサブランカを経由するANAが最短ルートとなっています。

ちなみに、リベリアからではなくコートジボワールからアクセスする場合は、ニンバ山の南麓にあるイヤレ村(YEALE)が拠点となります。ギニアからアクセスするなら、ボッソウ(Bossou)を拠点にすると良いでしょう。ニンバ山からボッソウまでは約6Kmです。

ニンバ山厳正自然保護区のおすすめポイント

◆ニンバ山の景観

ギニアとコートジボワール、そしてリベリアとの国境付近にまたがるニンバ山地。その最高峰が標高1,752mを誇るニンバ山(Mont Nimba)です。美しい緑の山に霧がかかった姿はなんとも幻想的で、訪れるすべての人々を魅了しています。

このニンバ山は、良質な鉄鉱石が眠っているとの理由から鉱山開発が進められており、自然環境に影響を及ぼすことを懸念され、1992年に危機遺産に登録されることとなりました。現在は立入禁止のため中に入ることはできませんが、その神々しい姿を遠くで眺めるだけでも充分に楽しめますよ。

◆豊かな植生

世界遺産「ニンバ山厳正自然保護区」は、その特殊な自然環境から多様な植生を有していることも特徴の一つとなっています。大西洋からの湿った空気や砂漠から吹く熱風、そして砂嵐などの影響で熱帯雨林が形成され、2,000種類以上の植物が自生するようになったのです。

ニンバ山全体で見ると頂上付近は草原に覆われており、それ以外の斜面は多くの木々からなる森で覆われ、さらに標高800m以下のエリアは熱帯雨林が広がるなど、標高によって様々な顔を持っていることがわかりますよ。10種ほど生息しているというニンバ山厳正自然保護区の固有種にも注目です。

◆多種多様な動物たち

熱帯雨林とサバンナの両方をあわせ持つニンバ山厳正自然保護区には、植物だけでなく多種多様な動物も生息しています。ダイカーやジャコウネコといった珍しい動物から、絶滅に瀕しているチンパンジーまでその数およそ500種。うち200種が、コビトカバやニシコモチヒキガエルなどを含む固有種だそうです。

特にチンパンジーが多く生息することで知られており、日本の京都大学もこのニンバ山厳正自然保護区地域で研究を行っているのだとか。その他にも、ニンバ山特有のネズミを含む107種もの絶滅危惧種(哺乳類)が生息しており、西アフリカの貴重な「自然の宝庫」となっています。

◎まとめ

「ニンバ山厳正自然保護区」は、西アフリカの豊かな生態系を保持してくれる大変貴重な世界遺産です。
しかし、現在は立ち入りが禁止されているため、その美しさを遠くから眺めることしかできません。
一刻も早く危機遺産指定および立入禁止が解除されるよう、より多くの国や地域に保全活動を広めることができれば良いですね。

また、2018年現在、ギニアおよびコートジボワールのニンバ山厳正自然保護区付近は、外務省の海外安全情報でレベル2に分類されています。リベリアを含む3国の国境付近で部族間の衝突が発生しており、武装集団が村を襲撃するなどの事件が起きているからです。不要不急の渡航は控えるよう充分に注意しましょう。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

ギニアでおすすめの記事

ギニアのアクセスランキング