ニジェールはアフリカ北西部にある内陸の国です。北半分はサハラ砂漠に含まれ、アガデス・モスクという世界遺産もあります。
アルジェリアやマリ、ブルキナファソ、ベナン、ナイジェリア、チャド、リビアと言った多くの国々と境を接しているニジェールの治安情勢はどうなのでしょうか?ニジェールは世界最貧国のひとつともいわれているために、渡航にあたって治安が気になるのは当然といえるでしょう。
そんな気になるニジェールの治安情報をお伝えします。
目次
テロや外国人誘拐の可能性も!西アフリカにあるニジェールの治安情報
目次を閉じる
1. 北緯15度より北のエリア一帯が危険区域です
ニジェールの治安は、エリアによって大きく2つに分けることができます。北緯15度よりも北が、とくに治安の悪い地域だとされています。とはいっても、その地域はニジェールの国土の実に分の3を占めています。外務省の海外安全情報ではレベル4の退避勧告が出ているため、北緯15度以北には足を踏み入れないようにしましょう。
ニジェールとマリ、アルジェリア、リビア、チャドの国境周辺地域では、あの有名な「アル・カイダ」を含むいくつかのイスラム過激派組織が移動しながら活動しています。外国人の誘拐事件が発生したり、軍施設が攻撃されたりと、非常に治安情勢が悪い場所なので、足を踏み入れることは控えましょう。
2. 南部にも別のテロ組織が潜んでいます
とはいえ、ニジェールの南部では治安の問題が無いかといえば、そんなことはありません。ニジェール南部はナイジェリアと接しているため、ナイジェリア北部で活動するイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が犯罪行動に及ぶ危険性にさらされています。
こういった過激派組織に対して、人質を売るような犯罪集団もいるそうです。実際に外国人を狙った誘拐事件も発生したため、治安の悪そうな場所にはなるべく近づかないようにしましょう。現地ガイドをつけるなどして、単独行動は避けるなどの治安対策が必要です。
ナイジェリアとの国境付近では、テロ以外でも車両強盗や麻薬の密輸などが横行しているため、治安が安定するにはまだ時間を要するといった状況です。
3. 首都ニアメでもテロなどの犯罪が懸念されます
ニジェールの南西部に位置する首都ニアメでは、人が集まる場所や政府関係の建物も多いことから、テロの標的となることがあり治安が良いとはいえません。過去にはイスラム過激派組織によって、市内の刑務所が襲撃されました。ニアメでは政府関係や軍、警察関係の施設に不用意に近づくことはやめましょう。
アル・カイダによる外国人誘拐事件も発生し、治安が一気に悪化したため、今でヨーロッパからの観光客も少なくなりました。アジア人も目立つので、なるべくニジェールでは一人にならず、街中でガイドブックを広げたり大きなカメラを首からぶら下げるなど、観光客であることをアピールするような行為は慎みましょう。
4. 外国人相手の強盗が発生しています
ニジェールは世界最貧国といわれることがあり、国民の半分以上が1日1ドル以下での生活を送っています。加えて砂漠地帯のニジェールでは、慢性的な食糧不足が問題となっていまS。
治安情勢も不安定で、観光客相手の強盗がしばし発生しています。なるべく徒歩での移動は避けて、タクシーで移動するようしましょう。昼間であっても、一人で行動することは避けたいものです。夜間の外出は大変危険です。ホテル滞在中でも鍵をしっかりかけておきましょう。
現在、ニジェールに日本の大使館や在外公館はありません。コートジボワールにある日本大使館がニジェールも併せて管轄していますが、事故や事件に巻き込まれた際には迅速な対応は期待できません。そのため、他の国を訪れる時よりもいっそう慎重な治安対策が必要なのです
5. 国内での移動に注意
治安の安定しないニジェール国内の長距離移動は、できるだけ空路を利用しましょう。どうしても陸路で移動したい人は、十分な治安対策や事前の情報収集を心がけましょう。
まず、ニジェールの地方の通信事情はとても悪いことを知っておきましょう。緊急の連絡手段として、衛星電話があると良いでしょう。ニジェールでは車両強盗も多数発生しているので、外国人の単独行動はたいへん危険です。信頼のおける現地ガイドを連れて移動し、治安のさらに悪化する夜間の移動は絶対に避けてください。
地方では舗装されていない道も多く、タイヤのパンクも日常茶飯事。給油所も少ないため、ガス欠にならないよう無理のないスケジュールを立てることが重要です。複数車両で移動すれば心配も半減ですね。
◎まとめ
以上、ニジェールの治安情報をお伝えしました。残念ながら国土全域に危険情報が出ているニジェールは、安全な国とはいえません。近年ではもっぱら観光客も少なくなってしまった模様。
しかしながら、数少なくなってしまった観光客をもてなそうとニジェール国民から歓迎を受けたという人もいます。外国人というだけで珍しい存在になるニジェールでは、人懐っこい住民が寄ってくるので楽しいコミュニケーションを取ることもできるかもしれません。安全にはくれぐれも気をつけて渡航するようにしてください。