ニジェールの世界遺産、W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体の見どころ

画像出典:Roland Hunziker (CC BY-SA 2.0)

ニジェールの世界遺産、W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体の見どころ

ニジェールは、西アフリカのサハラ砂漠南部のサヘル地帯に位置しています。サヘル(Sahel)とは、サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域を指します。ニジェールは農業、畜産業、鉱業が主産業の国ではありますが、世界最貧国のひとつでもあるのです。そしてニジェールには、世界遺産が3つあります。今回は、3つの世界遺産の中から「W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体」の見どころをご紹介します。

目次

ニジェールの世界遺産、W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体の見どころ

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体とは?

出典: Roland Hunziker (CC BY-SA 2.0)

「W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体」はニジェール、ブルキナファソ、ベナンの3つの国にまたがっている世界遺産です。もともとは、「ニジェールのW国立公園」として世界遺産に登録されていましたが2017年に、ブルキナファソの「アルリ国立公園」とベナンの「ペンジャリ国立公園」も追加登録され、現在の「W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体」という名称に変更されました。

ニジェールのW国立公園の「W」は、ドゥブルヴェ(フランス語)と読み、公園内を流れるアフリカ最大の川のひとつであるニジェール川が「W」の形に湾曲していることから名づけられました。ニジェールの南西、ティラベリ県のサバンナ草原と森林地帯の境界域に位置し、アフリカで最も暑い地域にある国立公園です。

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体へのアクセス

ニジェールの観光の拠点は、首都ニアメです。日本からニアメまでは直行便がありませんので、パリなどのヨーロッパ、またはドバイ経由でニアメに向かうことになります。

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体は、首都ニアメから南に約130kmのベナン国境地域に位置します。首都ニアメからは陸路でアクセスします。ニアメ発のツアーが出ています。

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体のおすすめポイント

多種多様の動植物

出典: Gnilli / PIXTA(ピクスタ)

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体は、乾燥したサバンナ地帯と熱帯雨林の湿地帯という異なる環境を持ち、そこにさまざまな動植物が生殖するという貴重な生態系を持つ国立公園です。

そのなかでも2200平方キロメートルの面積を持つニジェールのW国立公園には、約450種類の植物、約70種類の哺乳類、約350種類の鳥類が生息しています。コリガムダマリスクなどのウシ科の草食動物が多く、他にライオン、ヒョウ、ツチブタ、ヒヒ、カラカル、チーター、ゾウ、カバ、ライオン、サーバル、イボイノシシなどの大型哺乳類が多く生息することで知られており、公園内には巨大なアリ塚も多く見られます。また、リカオン、チーター、アフリカゾウ、アフリカマナティー、コリンガゼルなどの絶滅危惧種も含まれているんですよ。まさに自然生物の宝庫である世界遺産です。

湿地帯

出典: Marco Schmidt (CC BY-SA 3.0)

ニジェールのW国立公園には、350種以上の鳥類が生息していると言われています。湿地帯は、水鳥にとっては重要な生息地であるため、1987年4月にラムサール条約登録地となりました。また、ブルキナファソのアルリ国立公園が1990年6月、ベナンのペンジャリ国立公園が2007年2月にそれぞれラムサール条約登録地となりました。ラムサール条約とは、湿地の保存に関する国際条約で、水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的のために制定されたものです。

350種以上と表現されている鳥類ですが、Bird Life International(旧国際鳥類保護協議会)は、528種の鳥類を報告しており、そのうち3種は絶滅危惧種が含まれています。またまだ発見されていない新種の鳥類も多くいると予想されています。乾燥地帯が一時的な湿地に変わる雨季の2~5月頃には、ヨーロッパからの渡り鳥も飛来します。

ニジェール川の蛇行

出典: Júlio Reis

ニジェールのW国立公園内を流れるニジェール川は、西アフリカを流れギニア湾に注ぐ全長4180kmの河川です。乾燥したサヘル地帯を貫流し、特に中流域に当たるニジェールやマリの両国では重要な水の供給源となっています。

ナイジェリアの領内に入るとニジェール川は高度を下げていき、その過程でいくつかの急流が現れます。また自然が作り出した「W」の文字のように湾曲した川の姿は、世界遺産の登録名にもなっているほどで、大きな見どころのひとつです。

ニジェールのW国立公園の注意事項

外務省が発信する海外安全情報により、ニジェールのW国立公園に危険度「レベル3」が発令されています。危険度「レベル3」は、渡航中止勧告に相当します。

安全が確保されるまでは、ニジェールへの観光は控えてください。

◎まとめ

W=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体の見どころをご紹介しました。乾燥したサバンナ地帯と、熱帯雨林の湿地帯という異なる2つの環境を持ち、それぞれの環境にあった動植物が生息するという大変ユニークで貴重なニジェールのW=アルリ=ペンジャリ国立公園複合体。自然や動物好きならば一度訪れてみたい世界遺産のひとつですね。

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