【ボスニアヘルツェゴビナの治安】紛争を乗り越えて立ち上がった国の現状

異なる民族間のため壮絶な紛争が起こっていたボスニアヘルツェゴビナですが、1995年の紛争終結後治安や経済もだんだんと回復してきました。とはいっても戦争の被害による爪痕はまだあちらこちらにあり、戦争時に使われていた銃などの武器を使用した強盗などが起こっており注意が必要です。今回はまだあまり日本に馴染みのない、ボスニアヘルツェゴビナの治安について案内します。

1.スリやひったくりなどに注意

激しい民族紛争終結後、治安の安定してきているボスニアヘルツェゴビナですが、ヨーロッパの中でも高い失業率のボスニアヘルツェゴビナでは小さな犯罪が頻繁に起こっています。その主な犯罪はスリやひったくりです。観光地も復興され観光客もだんだんと訪れてくるようになりましたが、そのためスリやひったくり置き引きなどの被害が増えているんです。

特に日本からボスニアヘルツェゴビナへ訪れる観光客は非常に少なく目立つので、スリや置き引きのターゲットにされやすいです。観光の際はパスポートなどの貴重品はホテルのセーフティボックスに入れ、沢山の現金やカードを持ち歩かないことをお薦めします。治安のいい日本とは違う、というのを常に心に留めておいて下さいね。

2.睡眠薬強盗に注意

バックパッカーなど、一人旅の旅行者がよく狙われやすいのが睡眠薬強盗です。治安が安定しつつあるボスニアヘルツェゴビナでついつい気を緩めて親切に声をかけてきてくれた人と仲良くなり、薦められるまま彼らの飲み物を飲んで眠ってしまい、起きたら貴重品が全て盗まれていたという事件が起こっています。

まず基本は絶対に知らない人から物をもらっても口にしないように注意して下さい。また無理やり飲まされないように小さな路地や酒場など治安の悪い場所や、夜の独り歩きはなるべく慎むように心がけて下さい。ボスニアヘルツェゴビナで楽しく旅を続けるためにも、断る勇気も大事ですよ！

3.地雷に注意

戦後の治安のいい日本に住んでいる私達にとってあまり馴染みのない地雷、それがここボスニアヘルツェゴビナの一部の場所ではまだ埋没しているんです。ボスニアヘルツェゴビナの主要都市以外の土地23％には、今も15万個もの地雷が埋まっているとか。戦争の深い爪痕を確かに感じますね。最近では廃村、廃墟ブームで朽ち果てた場所、人があまりこない場所などを訪れるのも人気ですがここボスニアヘルツェゴビナでは絶対にしないで下さい。

地雷の多くは既に埋没地域が特定されていますので、どくろマークがある場所などは絶対に近寄らないで下さい。またそれ以外にも山の中や未舗装の道路なども注意が必要ですよ！治安が回復しつつあるだけに早急な除去が望まれていますが、まだまだ時間がかかりそうです。

4.デモに注意

ボスニアヘルツェゴビナでは進まない経済改革や政治家の汚職に対するデモが頻繁に行われています。規模はさほど大きくないのですが、デモ隊と治安維持のための警察官が激しく衝突することもよくあり、時には一般市民が巻き込まれることがあります。デモの日程は在ボスニアヘルツェゴビナ大使館で確認することができますので、デモが行われる場所には不要に近づかないようにして下さい。

またまだ民族間の対立問題があるボスニアヘルツェゴビナではサッカーの試合などで、過激なファン同士が激しく衝突することがあります。そのような場所にも不用意に近づかないように注意しましょう。

5.女性の一人歩きに注意

近年だんだんと訪れる観光客が増加してきているボスニアヘルツェゴビナですが、まだまだ治安が完全に回復したとはいい切れません。またボスニアヘルツェゴビナではイスラム教を信仰する人達もいるため、場所によっては女性の肌の露出の多い服などはあまり歓迎されないところもあります。

女性一人でボスニアヘルツェゴビナを安全に楽しく旅をするために、サラエボの中央駅近辺や酒場などあまり治安の悪い場所には近づかない、または用事が終ったらすぐに立ち去る。夜はなるべく外出しないなどを心がけましょう。声をかけられても、相手にせずなるべく早くその場を逃れることが大事ですよ！

まとめ

長い紛争が終わりようやく平穏な時間が訪れたボスニアヘルツェゴビナ。少しずつ観光客も増え復興が軌道に乗り始めてきたという印象です。しかしまだボスニアヘルツェゴビナの民族問題は完全に解決しているわけではありません。場所によっては町がキリスト教崇拝の人達の住む町とイスラム教崇拝の人達の住む町できっちりと川を挟んで分かれている場所もあるんです。訪れる前にその場所の治安の状態をよく確認して、ボスニアヘルツェゴビナの旅を楽しんでくださいね。

【ボスニアヘルツェゴビナの治安】紛争を乗り越えて立ち上がった国の現状