中東クウェートの治安情報ー比較的安全ですが女性は特に注意が必要

中東・西アジアにある小さな国、クウェート国。イラクやサウジアラビアに面し、東側にはペルシャ湾があります。石油資源に恵まれたクウェートは、石油によって莫大な収入を得て急激な勢いでインフラや医療が揃う国となりました。教育にも力を入れていて今後の成長がますます期待できる国でもあります。今回はそんなクウェートの治安情報を集めました。

中東呼吸器症候群が発生しているためラクダに注意が必要です

比較的経済も治安も安定しているクウェートですが、中東呼吸器症候群と呼ばれる感染症には注意が必要です。中東呼吸器症候群（MERS）とは、クウェートなどの中東地域で発生している感染病。累計2000人弱の人が感染し、少なくとも652人の関連死亡者がいる恐ろしい病気です。

主な感染源はラクダ。ラクダとの接触、十分加熱されていないラクダの肉や殺菌されていないラクダのミルクを摂取するのはやめましょう。飛沫感染するために感染者との接触にも注意が必要です。咳やくしゃみをしている人にはなるべく近づかないでください。クウェートではMERSコロナウイルス感染も発生しているため、治安情報に加えて感染病の情報にも注意が必要です。

イスラム過激派組織「ISIL」に注意が必要

クウェートはイスラム過激派組織「ISIL（イラクとレバントのイスラム国）」の活動するイラクに近いために治安が心配されています。2016年11月にはISILの指導者アブ・バクル・バグダーディーと考えられる人が、戦闘員などに対してテロを呼びかけるメッセージがありました。そのためしばらくは治安が心配になるので警戒が必要です。

2015年にはクウェートにあるイスラム教シーア派のモスクで26人死亡、227人が負傷した大規模自爆テロが発生。こういった事件には多数のクウェート人も関与しています。テロ容疑者として逮捕されたクウェート人が大量の爆発物を所持していたという事実もあるため、治安には注意が必要です。

宗教施設や政府関係機関などには不要に近づかない

クウェートでテロに遭遇するリスクを少しでも下げるためには、治安の良くない場所に近づかないことが賢明です。特にクウェート内でもテロの標的になりやすく治安の良くない場所は、軍や警察などの政府機関の施設や人の集まるデパート、市場や観光施設です。

過去に自爆テロの起きたモスクなどの宗教関連施設も、治安が危ないと言えるでしょう。そういった場所になるべく近づかない、訪れるにしても常に周りに注意を払いましょう。不審な人や不審物を見つけたり異変を感じるようなことがあればすぐに立ち去ることが大事です。

強盗事件に巻き込まれないためにも身の回りに気を配ろう

クウェートの治安は比較的安定しています。しかしながら傷害事件や暴行事件といった犯罪は日常茶飯事。車上荒らしなどの凶悪犯罪や強盗などの事件も起きているため注意が必要です。クウェート滞在中の夜間の独り歩きは避け、日中でも危ない場所には近づかないなど、日本国内にいる時以上に治安対策する必要があります。

多額の現金を持ち歩くのはやめて、常に所持品に気を配り、飲食店などでも決して自分の荷物を手から放してはいけません。また、セキュリティーのしっかりとしたホテルに滞在する、部屋にいる間は常に鍵をかけることも基本です。なるべく事件に巻き込まれないよう治安に注意して楽しい時間を過ごしましょう。

女性は性犯罪に注意が必要です

女性は特に治安に対する配慮が必要になります。クウェートではしばし、メイドやシッターとして出稼ぎで働いているアジア系やアフリカ系の女性がいますが、残念ながら性犯罪の被害も出ているそうです。ヨーロッパ系の人と見分けられないのと、クウェートの人からしてみれば日本人は他のアジア人との違いがわかりません。

女性を狙った性犯罪が多数発生しています。治安の良くない場所や日が暮れてからの女性の一人歩きは絶対にやめましょう。クウェートはイスラム教の国です。周りの国民に配慮するという点でも、過度の露出の高い服は避けてください。日本人女性はハッキリと「ノー」を言わないと思われがち。嫌なことはきちんと意思表示をすることも大切です。

◎まとめ

過度に危険な国ではありませんが犯罪は毎日発生しています。事前に治安情報や渡航情報を知っておくだけでも全く違います。感染症などが流行することも多いので、渡航前には外務省の情報を参照するのも良いでしょう。併せて上記の情報を参考にして、安全なクウェート旅行で素敵な思い出を作ってくださいね。

中東クウェートの治安情報ー比較的安全ですが女性は特に注意が必要