【世界遺産】セヴェンヌで伝統牧畜を体感しよう!

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【世界遺産】セヴェンヌで伝統牧畜を体感しよう!

フランス南部の世界遺産「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」は、石灰岩台地のコースと山岳地帯のセヴェンヌにまたがっています。この地域には中世以来の伝統的な農村の暮らしが維持されていて、とくに牧畜が盛んなことで知られています。また、石造りの村々は11世紀からの建築様式とされ、ヨーロッパでもとりわけ貴重な風景を見ることができるエリアです。羊の乳を原料とするロックフォール・チーズはこの地方の特産!他にも観光の魅力がいろいろありますよ。ここでは世界遺産「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」の見どころについて説明します。

目次

【世界遺産】セヴェンヌで伝統牧畜を体感しよう!

コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観とは?

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山々の連なるセヴェンヌ地方では、あまり大規模な農業は発展してきませんでした。今もブドウやオリーブ、養蚕用のクワの段々畑がよく見られます。それ以上にコースとセヴェンヌで顕著なのが牧畜です。とくに羊の放牧が盛んで、だいたい12世紀ごろから同じ地域・同じ方法で代々牧羊が行われれています。羊乳でつくる「ロックフォール・チーズ」は、世界的に知られるこの地方の伝統産品!ロックフォールはフランスのチーズでは一番古いといわれています。

こうした牧畜の伝統のほか、農場や施設、草原、水利、移動家畜の通り道、開放された共有牧草地といった農村の風景が評価され、2011年に世界遺産登録の運びとなったのです。構成要件ではありませんが、今なおフランス南部に特徴的なオック語が話されていたり、独自の建築が残っている点も、一般的な「フランス」とはまた違った魅力をこの地域に与えています。

コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観へのアクセス

世界遺産「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」はコースおよびセヴェンヌ地方にまたがる約3000平方キロメートルの景観を指しているので、ここではコースがあるアヴェロン県とセヴェンヌ山脈がまたがっているガール県への行き方について説明します。

アヴェロン県:パリから高速鉄道に乗り、クレルモン=フェランで乗り継いでミヨーまで計8時間かけていく方法と、パリのオルリー空港からアヴェロン県のロデズまで1日数便でている便で行く2通りがあります。ミヨーはコースとセヴェンヌの西の入り口にある都市です。

ガール県:おなじくオルリー空港から国内線でニームにあるガロン空港に行きます。ニームから鉄道かバスで北上し、アレスという街がコースとセヴェンヌの南東の入り口となります。鉄道の場合も同じくニーム乗り換えでアレスまで、所要時間は約4時間です。

「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」のおすすめポイント

1. 地中海性農牧地

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山の中の農村地帯はとくに観光地化はされておらず、現地でありのままの風景を見ることがおすすめの観光プランになります。コース、セヴェンヌ地方にある農地や農家、灌漑施設などすべてが世界遺産の対象で、中世以来脈々と同じ方法で営まれている農業と牧畜のようすを見学することができます。のびのびと暮らしている多くの羊たちを目にすると、アニメ『アルプスの少女ハイジ』の世界を感じるかもしれませんね。

セヴェンヌ北部のロゼール山付近では、という季節ごとに決まった放牧地間を移動する「移牧」が行われています。アルプス山脈などでは夏場は高地で、冬は低地で放牧する「垂直移牧」がありますが、ここはフランスで移牧が残っている最後のエリアなんですよ!移動中のようすを目にするのは難しいですが、そうした伝統が今なお続いている地域であるというところに世界遺産としての大きな価値が感じられます。

2. ヴィル・ポルト

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世界遺産「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」の周囲には、「ヴィル・ポルト(villes portes)」と呼ばれる5つの町があります。これは「ゲート・シティ」という意味で、マンド(Mende)、アレス(Alès)、ガンジュ(Genges)、ロデーヴ(Lodève)、ミヨー(Millau)の5つを指します。

一番人口が多いのはアレスですが、それでも4万人ほどしかいません。いずれも世界遺産の範囲には含まれていないものの、それぞれ歴史ある町なので観光の拠点にはピッタリです。とくにマンドには、13世紀に建てられたノートルダム橋や14世紀建立の大聖堂などの観光スポットがありますよ。

前述の通りコースとセヴェンヌ自体は観光地として整備されているわけではないので、世界遺産観光の際はこれらの町などでしっかり宿を定めておくようにしましょう。

注意事項

コースとセヴェンヌ地方では放牧がさかんですが、決して観光用ではありません。羊飼いの人たちにとっては普段通りの仕事なので、決して邪魔をしないようにしましょう。写真を撮りたい場合は、ちゃんと事前に許可をとるようにして下さい。

◎まとめ

世界遺産「コースとセヴェンヌの地中海性農牧地の文化的景観」についてご紹介しました。この地域の農家は、農業大国フランスにあって決して大規模化や近代化にこだわらず、古くからの伝統的な手法を守り続けています。日進月歩の都会の生活に疲れたら、ぜひコースとセヴェンヌのあくせくしない暮らしぶりを少し覗いてみて、心を癒やしてみてはいかがでしょう。

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