キプロス共和国(通称キプロス)はトルコの南側、東地中海に位置するキプロス島の大半を占めています。キプロス共和国の首都はニコシアで、公用語はギリシャ語とトルコ語で、英語も広く使われています。1974年よりキプロス島は南北に分断され、北部の約37%については「北キプロス・トルコ共和国」となっています。この「北キプロス・トルコ共和国」はトルコ共和国のみが承認する独立国家で、一方のキプロス共和国についてはトルコ以外の国連加盟国192か国が国家であることを認めています。
キプロスには目立った危険要因は現在のところはなく、治安も比較的良好なようですが、この社会背景からどのような治安などの問題がでてくるのでしょうか。
目次
【キプロスの治安】基本的な防犯対策で楽しい旅行を
1.北キプロスでは邦人保護活動が困難

キプロスには日本大使館・日本領事館がなく、在ギリシャ日本国大使館がキプロスを兼轄しています。キプロスには在リマソール名誉総領事がありますが、旅券・査証の発給、国籍証明・在留証明等の公証を在リマソール名誉総領事では行うことができません。そのため万が一、キプロスでパスポートを紛失した場合などには、ギリシャの首都アテネにある在ギリシャ日本国大使館へ行かなければなりません。
また、日本を含む各国が「北キプロス」の独立を承認していないことから、「北キプロス」地域内で公的な活動を行うことができません。そのためキプロスを兼轄する在ギリシャ日本国大使館も同様に日本人が「北キプロス」地域内で、何らかのトラブルに巻き込まれた場合や治安の問題にも邦人保護活動が困難となりますので「北キプロス」への渡航、滞在の際には十分な注意が必要です。
※一方の「キプロス共和国」では在ギリシャ日本国大使館の邦人保護活動が可能です。
2.置き引き、ぼったくりに注意

キプロス共和国の首都ニコシアをはじめ、キプロスの各都市の治安は比較的良いようです。しかし都市部では置き引きや空き巣などの窃盗事件や強盗事件、バーなどの飲食店でのいわゆる「ぼったくり」の被害にあったという例もあります。そのため基本的な防犯対策の意識は必要となってきます。
キプロスでの基本的な防犯対策は以下をご参照ください。
1.不測の事態に備える。緊張感を維持、周囲の状況に気を配る。
2.危険地域に立ち入らない。
3.多額の現金を持ち歩かない。
4.貴重品は分散、必ず身につける。
5.周囲の雰囲気や環境に配慮した服装・行動に心掛ける。
6.暴力的な言動をとらず、いさかいや争いを避ける。
7.パターン化した行動を避ける。
8.最寄りの警察署の所在地を確認。
9.盗難保険等各種保険に加入しておく。