名称:チャビン古代遺跡
住所:Chavin de Huantar
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/330
ペルーの世界遺産チャビン古代遺跡は、アンデス山脈の標高3000mを超すところにあります。厳しい自然環境の中で3000年も前に作られた神殿で、アンデス文明発祥の地とも言われているんです。高い山の中にあるためアクセスが不便で、訪れるのは難しいのですが、歴史に興味のある方におすすめの世界遺産です。
観光ツアーで訪れると、神殿の地下に広がる通路を歩いたり、神殿のシンボルであった動物神の彫刻などを見たりすることができます。
世界遺産チャビン古代遺跡はまだ全てが発掘されておらず、これから調査が進みその全貌が解明されることが期待されています。
目次
アンデスの山奥にある石の神殿、ペルーの世界遺産チャビン古代遺跡
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チャビン古代遺跡とは
チャビン古代遺跡はペルーの中部、アンデス山中の標高3200mのところにある遺跡。チャビンはインカ以前の紀元前1200年頃から200年頃にかけて栄えた都市で、1985年に「チャビン(考古遺跡)」のしてユネスコの世界遺産に登録されました。
世界遺産チャビン古代遺跡はアンデス文明の起源ともいわれる遺跡。初期に造られた旧神殿と、後期に造られた神殿があり、石造の祭祀遺跡として知られています。ジャガーを擬人化した主神体ランソンの石像、地下の回廊、獣形の精巧な彫刻など神殿内に点在する遺物もとても興味深いもの。アンデス文明は文字を持たなかったため、その起源や詳しいことが分かっておらず、この世界遺産の遺跡の調査によって研究が進むことが期待されています。
チャビン古代遺跡へのアクセス
世界遺産チャビン古代遺跡はリマから北に約430kmの町に位置します。リマからワラスまではバスで8時間。アクセスが不便なことから、リマかワラスからツアーで訪れるのが一般的。。チャビン遺跡は標高3000mを超えるところにあり、途中標高4500m超のトンネルを抜けるなど、その行程は厳しくなっています。高山病など、体調管理に十分気を付けてください。
チャビン古代遺跡のおすすめポイント① : 石の建造物
世界遺産チャビン古代遺跡は、正式には「チャビン・デ・ワンタル」というもの。3000年も前に建設が始まったこの世界遺産チャビン古代遺跡の特徴は、切り石を幾重にも積み上げて造られた建造物。石の大きさは様々ですが、紀元前の時代に3400mにもなる高地でどのように石を積み上げたのか、とても興味がわきますね。
都世界遺産チャビン古代遺跡の中心には神殿があり、旧神殿と新神殿のふたつが隣り合って建っています。1000年ほどの間に、少なくとも3回は修復され大小の石を組み合わせた耐震設計が施されているとか。また、対になった白黒の石柱には、ハヤブサの姿をした雌雄の神が彫られていました。チャビンは対称性を重んじ、多くの彫刻や建造物にそれが表れています。
神殿はアンデスから溶け出る氷河の流れを利用した排水溝が設けられていて、その水が回廊を流れるときに出す音はジャガーのうなり声にたとえられたそうです。
チャビン古代遺跡のおすすめポイント② : 地下通路
世界遺産チャビン古代遺跡には迷路のような通路が縦横無尽に張り巡らされています。観光ツアーではこの通路を歩くことができますよ。
遺跡東側の「旧神殿」の奥深いところに「ランソン」と呼ばれる楯があります。約4.5mの細長い石柱に、蛇の髪とネコ科の動物の顔を持つ異形の神が彫り込まれているもので、細い回路を通って来た先にこの楯が見えると、畏敬の念が沸き起こるそうです。現在はガラス張りになっていてライトアップされているのですが、その威圧的な姿は必見!また、ジャガー、コンドル、蛇、コウモリなどの要素が組み合わさった動物神はチャビン文化のシンボルで、今も地下通路のあちらこちらで見ることができますよ。
神殿内部には神への奉納品や儀式の道具、楽器として使われたほら貝などが多数収められいたそうで、その一部は一部はリマの国立人類学考古学博物館で見ることができるそうです。世界遺産チャビン古代遺跡はまだ全貌がわかっておらず、これからの研究が期待されています。
チャビン古代遺跡のおすすめポイント③ : 宗教的シンボル
世界遺産チャビン古代遺跡には多くの動物神が祀られています。その中で「チャビンネコ」と呼ばれる翼を持ったジャガーは特に有名。また、チャビンで最も美しい浮き彫りといわれる「ライモンディの石碑」、旧神殿中央部の祭室に立つ神体「ランソン像」なども必見です。「テーヨのオベリスク」や「カベッサ・クラバ」という石柱にも見事な彫刻が施されています。
◎まとめ
世界遺産チャビン古代遺跡マヤ文明からインカ文明への歴史の中継点で栄えました。厳しい自然の中で石の文明を作り上げたチャビン文化はのちのアンデス文明の基礎となり、後世に受け継がれていきました。訪れるのは難しい場所にあるのですが、機会がありましたらぜひ観光に行ってみてください。
ペルーは他にもナスカの地上絵やマチュピチュ遺跡など、世界遺産がそろう文化遺跡の宝庫。日本からは遺跡を回るツアーもあるので利用するといいでしょう。楽しい旅になるといいですね!