ピリッポス2世の墓も！ギリシャの世界遺産「ヴェルギナの考古遺跡」

歴史の授業などで習う一度は聞いたことのある世界で最も有名な人物の一人、アレキサンダー大王。様々な逸話を残し次々と領土を拡大していった偉大な古代マケドニアの王、しかしその遺体や墓はいまだ見つかっていません。しかし、このギリシア近郊のヴェルギナという場所から、なんとアレキサンダー大王の父ピリッポス2世と考えられる人物の墓が見つかりました。それがギリシャの世界遺産、ヴェルギナの考古遺跡です。

この遺跡は世界遺産に認定されたものの、本当にピリッポス2世の墓なのか真偽の程ははっきりしません。ただ考古学上重要な意味を持つことは間違いないでしょう。中からは貴重な副葬品が沢山見つかり、その素晴らしい副葬品を見ようと世界中から大勢の観光客がヴェルギナを訪れます。そんな貴重な世界遺産のヴェルギナの考古遺跡をご案内します。

エゲの古代遺跡とは？

ギリシア北部テッサロニキから南西に80km程の所にある小さな町ヴェルギナで、1977年に世界的に貴重な遺跡が発見がされました。ギリシアの考古学者マノリス・アンドロニコスによりいくつかの墳墓も発見。なかには未盗掘の墳墓もあり、その中の一つは古代マケドニアの有名なアレキサンダー大王の父フィリッポ2世の墓だと言われています。1996年にヴェルギナ（アイガイ）の考古遺跡として世界遺産に認定されました。

元々このヴェルギナの地域には、古代マケドニアの首都アイガイが存在したと言われており、以前からフランス人考古学者などが発掘を進めていたもの。マラリアや戦争の脅威で中断していましたが、その後諦めることなく発掘を続けたマノリスにより、遺跡が発見されました。

現在は発見された墳墓が博物館となっており、中を見学することができます。発掘された墓の中には、美しいモザイク画や副葬品も展示されており、その黄金の輝きはまさに古代の至宝。特にフィリッポ2世の骨箱と言われる黄金の箱は、見逃してはならない逸品です。

ヴェルギナの考古遺跡へのアクセス方法

ギリシア第二の都市テッサロニキまで、ヨーロッパの主要空港で乗継をして行きます。

テッサロニキからヴェルギナの町まで、有料道路を使用すると車で1時間程で到着。公共バスなども出ており、ヴェルナという場所で乗り継ぐ必要があります。本数が少ないうえ乗り換えがあり、ギリシア語表記のみしかない場合もありますので旅慣れない方にはお薦めできません。バスで訪れる場合は2時間程時間がかかることがあります。

エゲの古代遺跡お薦めポイント2

副葬品

ヴェルギナの考古遺跡の一つピリッポス2世の墳墓は、現在博物館となっておりここで発掘された数多くの貴重な副葬品を見ることができます。完全な形で残されたマケドニア絵画や彫刻、武具や装飾品は圧巻の美しさ。発掘された中には酸化していない、多くの銀製品の壺なども見つかっています。立体的なマケドニア独特の精緻な細工の黄金の冠や、黄金の仮面の輝きに目を奪われることでしょう。

特にお薦めは、ピリッポス2世の骨箱と言われる黄金の箱。箱の上に描かれた光線を持つ太陽は「ヴェルギナの太陽」とも呼ばれ、古代マケドニアの象徴と言われています。このヴェルギナの太陽は、一時マケドニアの国旗にも使用されたことがありますよ。ぜひ、この貴重な世界遺産を訪れて黄金の品々で目を潤してはいかがでしょうか。

宮殿跡

ヴェルギナの考古遺跡には、フィリッポ2世の墳墓以外にも興味深い遺跡があります。元々この地域は、古代マケドニア王国の首都と考えられており、その宮殿跡も発見されました。

現在は建物の基礎部分しか残っていませんが、パルテノン神殿の3倍もの大きさを持つかなり巨大な宮殿だったと考えられています。宮殿内では大理石やガラス質のタイルなど様々な材質を使い、床は何百mもの美しいモザイクで覆われていました。その創造性と技術力には、目を見張るものがあったと考察されています。

エゲの古代遺跡を訪れる際の注意点

ヴェルギナの墳墓の中は写真撮影禁止となっていますのでご注意下さい。

またヴェルギナは公共バスで訪れるには不便な場所にあり、乗り継ぎなどで時間を取られると開館時間に間に合わないこともあります。夏季と冬季では開館時間も異なるので、時間には余裕をもって訪れることをお薦めします。

◎まとめ

ヴェルギナにあるエゲの古代遺跡はいかがでしたか。有名なアレキサンダー大王の父ピリッポス2世の墓と言われ、見つかった豪華な副葬品からマケドニア王族であったことは間違いないと言われています。アレキサンダー大王の墓はまだ見つかっていませんが、もしかしたら近い将来このヴェルギナで見つかるかもしれませんね。

ピリッポス2世の墓も！ギリシャの世界遺産「ヴェルギナの考古遺跡」