名称:Episcopal Complex of the Euphrasian Basilica in the Historic Centre of Poreč
住所:Porec, 52440 Croatia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/809/
近年日本でもクロアチアは旅行先として人気ですが、クロアチアの世界遺産というと一番に思いつくのがドゥヴロヴニクの町や美しい自然のプリトヴィッチェ国立公園などではないでしょうか。しかしクロアチアにはまだまだ、おすすめの世界遺産があります。
それがクロアチアの西部、イストラ半島ポレッチの町にあるポレッチ歴史地区にある「エウフラシウス聖堂の司教建造物群」です。ポレッチの町は、イタリアにも近くキリスト教が早くから広まった歴史ある街。アドリア海に面した中世の雰囲気を残すこの町は、リゾート地としても人気で、一年を通して大勢の観光客が訪れます。ポレッチにある多くの遺跡や歴史的建造物の中でも特におすすめなのが、世界遺産のエウフラシウス聖堂。
エウフラシウス聖堂内には黄金の美しいモザイク画や聖母マリアの壁画など、訪れる人が息を飲むような光景が広がっています。洗礼堂や中庭など見どころ満載の世界遺産、エウフラシウス聖堂をご紹介します。
目次
クロアチアの美しい世界遺産!ポレッチ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂
ポレッチ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教建造物群とは?
世界遺産のエウフラシウス聖堂は、クロアチアの首都ザグレブから300km程離れた、アドリア海沿岸にある町ポレッチの象徴的な建築物。元々はローマ時代の広い邸宅跡に建てられたため、古い邸宅は現在も教会内の庭園に残っています。
4世紀には教会の基礎が築かれ、その後6世紀にエウフラシウス司教により改築され現在の姿になりました。早くからキリスト教が広まったポレッチに建てられたエウフラシウス聖堂の教会群は、初期キリスト教の面影を残す貴重な世界遺産。教会の前にあるアトリウムと呼ばれる回廊や教会、洗礼堂すべてが残っている例は数が少ないです。聖堂内に残るビザンティン美術の傑作と言われる黄金のモザイクがなどが評価され、1997年に世界遺産として認定されました。
外壁のシンプルさとは異なり内部のモザイク画はまさに芸術!内部は写真撮影可能なので、多くの観光客がその美しいモザイク画を写真に残そうと頑張っていますよ。夏には「ポレッチ芸術祭」も開催され、エウフラシウス聖堂でもコンサートが行われます。世界遺産の教会で聞く音楽はまた格別なもの。ぜひ、訪れて欲しいクロアチアの世界遺産の一つです。
ポレッチ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教建造物群へのアクセス方法
クロアチアまで日本からの直行便はないので、ヨーロッパ主要空港で乗継をします。クロアチアの首都ザグレブからは300kmほどで、車で3時間から4時間程。また電車で2時間程のアドリア海沿岸のノビグラードという駅まで行き、そこから車で30分程でポレッチに行くことができます。
他にもスロベニアの首都リュブリャナから160kmなので車で2時間前後、イタリアのベネチアからも250km程なので3時間前後で行くことができますよ。
ポレッチ歴史地区にあるエウフラシウス聖堂の司教建造物群のおすすめポイント2
モザイク画
出典: Aleksandar Todorovic/shutterstock
ポレッチにある世界遺産のエウフラシウス聖堂で見逃してはいけないもの、それは輝く黄金のモザイク画です。エウフラシウス聖堂内部の側面や天井はシンプルですが、正面の黄金のモザイク画はまさに芸術!幼子イエスを抱えた聖母マリア、両脇には天使や聖人が描かれています。なんとこの教会を改修したエウフラシウスも、教会の模型を持ってモザイク画に登場していますよ。この他にもキリストと12使徒、殉教した聖女などを見ることができます。
この素晴らしい宗教芸術はまさに世界遺産に相応しく、この美しいモザイク画を見ようと世界中から多くの人々が訪れます。8世紀頃の東ローマ帝国による聖像禁止令により多くの教会のモザイク画が破壊されましたが、運よくここポレッチのエウフラシウス聖堂のモザイク画は生き残った貴重なもの。5世紀頃に作られたビザンティン様式の美しいモザイク画が今日まで残っているのは、奇跡的なことです。
洗礼堂と鐘楼
日本でも末広がりと言われるように「8」という数字は縁起がいいもの。そんな8はキリスト教徒にとっても大事な数字で、イエスの復活日を意味しています。そんな8角形の屋根を持った洗礼堂が、ここポレッチにある世界遺産のエウフラシウス聖堂建築群内にありますよ。
まるで幾何学模様のように美しく木造で作られた屋根の下には、一見するとバスタブのようにも見える穴があります。実は以前この中に水が張られここで、洗礼を行っていました。このような洗礼堂が、現在も残っていることはとても珍しいこと。
また隣にある16世紀に建築された鐘楼の上にも登れますよ。頂上に上ると世界遺産のエウフラシウス聖堂だけではなく、美しい海とポレッチの街並みを眼下に見られます。ポレッチの歴史地区も古代ローマの貴重な遺跡が残る、世界遺産に認定されてもおかしくない中世の雰囲気を持った町ですよ。
ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂を訪れる際の注意点
エウフラシウス聖堂建築群内部を建築する際オフシーズンは無料で内部を見学できますが、観光客が増える夏季のピークシーズンは入場料が課されますのでご注意下さい。
◎まとめ
世界遺産のエウフラシウス聖堂はいかがでしたか。海近くの浸食の激しい場所にあるにも関わらず、5世紀に建築された貴重な世界遺産が今日まで残っているのは奇跡です。風化にも耐え、聖像禁止令からも逃れた奇跡のエウフラシウス聖堂を一度は見てみたいと思いませんか?リゾート地でもあるポレッチ歴史地区も見所満載で、海と町と歴史を楽しめるお薦めの場所です。