【世界遺産】アクイレイアの遺跡地域とは？｜第二のローマと呼ばれた都市

ローマ帝政初期に大司教座がおかれたことで、中世初期まではイタリア北東部の中心地として繁栄した都市アクイレイア。紀元前181年にローマ人が軍事目的でこの都市を建設した際「大空に鷹（アクイレイア）が舞った」という言い伝えから、この町の名前はアクイレイアと付けられました。

現在のアクイレイアという地域は地方都市ののんびりとした雰囲気が漂っており、そんな中にローマ時代の遺跡がほぼ完全な形で点在しているというスポット。イタリアの田舎町の雰囲気を楽しみながら、世界遺産をたっぷり楽しんでくださいね。

以下では繁栄を極め「第二のローマ」とまで呼ばれた都市の世界遺産「アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ」をご紹介しましょう。

アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカとは？

イタリア北東部の町トリエステから西に約50キロに位置する世界遺産「アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカ」。ここは古代ローマ最大規模の都市の一つとしてほぼ完全な状態で残っており、11世紀に建てられたロマネスク様式の総主教聖堂バシリカがあります。

当時中央ヨーロッパの広大な地域におけるキリスト教布教に重要な役割を果たした場所であり、内部に施されたモザイク装飾の素晴らしさも見どころです。

ほかにも世界遺産アクイレイアの遺跡地域では公衆浴場や劇場に広間など、貴重なローマ時代の様々な遺跡が発掘されています。

アクイレイアの遺跡地域へのアクセス

世界遺産のアクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカへ向かうには、まず成田からヴェネツィアまで直行便なら約12時間40分ほど。

電車でヴェネツィアからトリエステは約2～3時間ほど、トリエステからアクイレイア駅（Cervignano－Aquileia－Grado）までは約40分ほどで到着です。

駅から世界遺産のアクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカへは、タクシーで約12分ほどで到着します。

おすすめポイント①：古代遺跡

かつてローマ帝国第四の豊かな商業都市だったアクイレイアの遺跡群。大司教座も置かれるほど重要な場所だっただけあり、遺跡からも「第二のローマ」といわれた当時の繁栄ぶりを伺えます。

5世紀にフン族のアッティラの襲撃により都市は崩壊。現在も様々な遺跡が発掘されることなく地下で眠っています。しかしアクイレイアの遺跡地域のなかで発掘されたローマ時代の遺跡は見学することができますよ。

遺跡の中の見どころは政治・経済の中心地フォロ・ロマーノ。多くの建物は崩れていますが、そそり立つ巨大な柱などからかつての雄姿が伝わってくるようです。

国立考古博物館も見どころの一つで、2000点以上の遺物や彫刻が展示されています。町のいたるところに遺跡があるので、ゆっくりと散策することをオススメします。

おすすめポイント②：主教聖堂バシリカ

「総大司教座聖堂」とも呼ばれる、世界遺産アクイレイアの主教聖堂。最も古い遺跡は4世紀に造られたもの。現在の建物は11世紀に改築されており、ロマネスク様式とゴシック様式の特徴が混在しています。高さ9メートルの鐘楼は9世紀に建てられたもの。

鐘楼の前にはローマを建国したとされる伝説の双子ロームルスとレムスの像が立っています。鐘楼の上から見下ろす美しい景色も素晴らしく爽快ですよ。

世界遺産の主教聖堂の内部にも見どころがたくさんあります。バシリカの奥にある地下礼拝堂（クリプト）のフレスコ画は12世紀前半に描かれたものです。フレスコ画にはアクイレイアのキリスト教共同体の起源をはじめ宗教的なものが物語として描かれています。

アクイレイアの主教聖堂が世界遺産に登録される主な理由となったモザイク画も必見。4世紀に描かれたバシリカの床モザイク画です。この頃には漁をしている古代人が描かれ、魚もなんだか怪物みたいでユニークです。モザイク画には宗教的な意味合いが強く、初期キリスト教で「永遠の命」を意味する孔雀や光の世界に住むニワトリや闇に住むカメなども描かれています。

アクイレイアは東方や中央ヨーロッパへの中継点であり、キリスト教伝導において宗教的にも重要だったことを物語っています。世界遺産のバシリカに描かれたモザイク画は素晴らしく見る価値ありですよ。

◎まとめ

アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バシリカをご紹介しました。かつて10万人もの人口を誇った、商業で栄えた「第二のローマ」アクイレイアには当時を偲ぶ遺跡がたくさん残っています。

いまは静かでのどかな雰囲気漂うアクイレイアで、素晴らしい古都を満喫してくださいね。