【世界遺産】ノール=パ・ド・カレーの炭田地帯|フランス産業革命を支えた地!

【世界遺産】ノール=パ・ド・カレーの炭田地帯|フランス産業革命を支えた地!

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」は、ベルギーと国境を接するノール=パ・ド・カレー地方に広がる世界遺産です。産業革命が起きた18~20世紀にフランスの繁栄を支えた産業遺産として、非常に重要な意味を持つ場所でもあります。

広大な敷地には採鉱坑や石炭採掘施設はもちろん、運河や鉄道などの石炭を運ぶための設備が整っているほか、労働者向けの住宅や教会、学校など109もの施設が備えられており、今でもその形跡を見ることができますよ。

当時ここで働いた人々の生活や、炭鉱の繁栄ぶりを学ぶのにおすすめの世界遺産「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」。その見どころを余すことなくご紹介します。

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【世界遺産】ノール=パ・ド・カレーの炭田地帯|フランス産業革命を支えた地!

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「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」とは?

ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯(フランス世界遺産)

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」は、ヨーロッパ大陸の鉱山の中で最も西に位置する工業地帯です。18世紀末~20世紀の産業の発展の様子を今に伝える産業遺産として、2012年に鉱脈と工業都市であったエリア全体が世界遺産に登録されました。

かつては農業が盛んな地域として知られていたノール=パ・ド・カレー地方でしたが、幅12km・深さ1.2km・全長120kmの巨大な鉱脈が発見されたことにより工業が発展。人々の生活は潤い、炭田地帯には石炭発掘施設を中心に住居や学校、駅、娯楽施設など様々な施設が誕生。小さな都市を形成していきました。

大規模な鉱脈が全て地下に埋まっているのは、世界でここだけ。炭鉱の発展の様子を学べるだけでなく、働いていた人々の当時の生活ぶりや街並みをそのまま残す「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」は、世界的にも非常に珍しいといわれています。フランスの産業革命を支えた功績を見て学べる貴重な産業遺産ですよ。

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」へのアクセス

フランスのランス(Lens)

世界遺産「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」を訪れる場合は、ベルギー国境近くのランス(Lens)を拠点とするのがおすすめです。パリ北駅からランスまでは、TGVの直通列車で約1時間10分。駅からはバスを利用するのが便利ですよ。ヨーロッパ一高い「ボタ山」までは、30分もあれば到着します。

ちなみに、フランスにはシャンパーニュ地方にも同じ「ランス(Reims)」という名前の街があります。Reimsは大聖堂やシャンパン醸造所が有名な全く異なる街ですので、列車のチケットを買う際には「ランス(Lens)」の綴りをチェックして間違わないよう注意しましょう。

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」のおすすめ①:ルヴァルド炭鉱歴史センター

ルヴァルド炭鉱歴史センター

出典: Esther Westerveld

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」について詳しく知りたい方は、「ルヴァルド炭鉱歴史センター(Centre historique minier Lewarde)」がおすすめです。かつての炭田地帯の中心部に位置するこの施設には、鉱業博物館とリソースセンター、科学エネルギー文化センターなどが備わっています。

苛酷な条件で労働を強いられていた炭鉱の人たち。そんな彼らの様子を紹介する映像や写真の展示コーナーでは、当時の様子を鮮明に伝えています。思わず目を逸らしたくなるようなものもありますが、産業の発展のため貢献した人々の功績を称える意味としても、とても貴重な資料となっているのです。

科学エネルギー文化センターは、「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」についてだけでなく、エネルギーに関する様々な情報を展示する施設。現代のエネルギー源に関する資料がわかりやすく展示されており、遠足や社会見学に利用する学校も多いのだとか。館内では定期的にイベントも開催されています。

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」のおすすめ②:従業員の住居地区

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」従業員の住居地区

出典: By JÄNNICK Jérémy - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11502032

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」の従業員の居住地区となっていたエリアは、かつて工業都市として栄えたあの頃の街にタイムスリップしたかのような不思議な空気に包まれています。世界大戦で破壊されたため改装されたものがほとんどですが、レンガ造りの趣ある建物がとっても可愛らしいですよ。

広大な敷地内には、124の居住施設と46の学校、26の教会と礼拝堂、24の病院及び保健センターなどがあったのだとか。かなり広い範囲に点在しているので全てを見るのは難しいですが、当時ここで働いていた人の日常の暮らしぶりを体感できるスポットとしてはぜひ見ておきたいですね。

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」のおすすめ③:ボタ山

「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」のボタ山

日本の鉱山採掘跡にもある通り、フランスの世界遺産「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」にも、ボタ山があります。これは、鉱石を発掘する際に出る捨て石が集積されてできたもので、その数は50を超えるそうです。

◎フランス世界遺産「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」まとめ

ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯(フランス世界遺産)

このように大規模な工業地帯がユネスコに登録されたのは、「ノール=パ・ド・カレー地方の炭田地帯」が初めてのことでした。ヨーロッパを牽引する大国・フランスの産業革命の繁栄を支えた素晴らしい遺産ですので、ぜひ思い切って足を伸ばしてみましょう。

2012年にはルーブル美術館の別館「ルーブル・ランス(Louvre-Lens)」が開館し、ランスの街は一層賑わいを見せています。こちらもあわせてチェックしてみてくださいね。

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