名称:プレア・ヴィヘア寺院
住所:Preah Vihear,Cambodia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1224/
カンボジアが世界に誇る世界遺産であるアンコールワットをはじめ、数々の遺跡があることで知られるカンボジア北西部。その中の一つ、世界遺産「プレア・ヴィヘア寺院」はカンボジアのお札にも印刷されている遺跡です。
世界遺産プレア・ヴィヘア寺院はタイとの国境沿いに位置し、長年所有権を巡って対立していました。1962年にカンボジア領として認められ、2008年には世界遺産に登録されます。しかしこれが引き金となり、タイとカンボジアで民間人をも巻き込んだ武力衝突が起きてしまいました。今では落ち着いていますが、悲しい歴史を持つ世界遺産でもあります。今回はその世界遺産プレア・ヴィヘア寺院を紹介しましょう。
目次
東南アジアの天空の城!カンボジアが誇る世界遺産プレア・ヴィヘア
プレア・ヴィヘア寺院とは?
プレア・ヴィヘア寺院とアンコールワットはどちらもカンボジアを代表する世界遺産で、さらに不思議な共通点があるんですよ。プレア・ヴィヘア寺院とアンコールワットを除くカンボジアの遺跡は、全て日が昇る方向である東を向いて建てられています。しかし何故かアンコールワットは西側、プレア・ヴィヘアについては南北に軸をとっており、2つともクメール文明が残した遺跡の中では例外的な建てられ方をしています。
プレア・ヴィヘア寺院は当初ヒンドゥー教の寺院として建てられ、ヒンドゥー教の最高神である「シヴァ神」が祀られていました。その後クメール族がヒンドゥー教から仏教へ改宗したため、仏教の寺院として使われる事になります。こういった事情もアンコールワットと共通していますね。かつてはタイから伸びる参道からの参拝が可能でしたが、今では残念ながらタイ側から入ることはできません。
プレア・ヴィヘアへのアクセス
2006年頃まではタイのウボンラーチャータニーからアクセスする事が可能でしたが、現在は封鎖されておりカンボジア側からのみアクセス可能です。シェムリアップから起点の町であるスラエム村へまずは向かいます。乗り合いバスもしくは乗り合いタクシーで行くことができます。シェムリアップからスラエム村まで約3時間ほど。スラエム村からプレア・ヴィヘア寺院まではバイクタクシーか車で行くことができます。
おすすめポイント①:寺院本堂に残るヒンドゥー教のレリーフと歴史の爪痕
タイとの国境にあるプレア・ヴィヘア寺院は、カンボジア内戦で最前線になった世界遺産。内戦時代はクメール・ルージュ(旧ポルポト派)が占領し、戦いの拠点としていた場所です。そしてプレア・ヴィヘア本堂の裏には内戦時に破壊された跡があり、遺跡の壁には最近のタイ軍との国境紛争で付けられた生々しい銃痕も残っています。まさに近代になってからのプレア・ヴィヘアの歴史は戦争とともにあったと言っても過言ではありません。
一般公開されてから観光客が訪れることができるようになりましたが、遺跡の修復がなかなか進まず保存状態もお世辞にも良いとは言えません。しかし、寺院に施されたヒンドゥーの神々の装飾は今でも見ることができますよ。興味深いレリーフも至る場所にあり、多くの人が歴史深い遺跡を一目見ようと訪れます。
おすすめポイント②:寺院から見渡すカンボジアの大地
世界遺産であるプレア・ヴィヘア寺院に入り、いくつかの楼門を進んでいきます。ヒンドゥー教のシヴァ神やその妻のレリーフ、蛇神ナーガの装飾なども感慨深いものですが、その先に開ける風景が圧巻です。
もともとこの世界遺産プレア・ヴィヘアはタイ、カンボジア、ラオスに跨るダンレク山の山頂に位置しています。切り立った崖の上に建てられた寺院からはカンボジアの緑の大地を見渡すことができ、その光景は壮大で圧倒されることでしょう。かつてこの地にあったクメール王朝が見渡せ、寺院であるにも係わらず城塞のような作り。内戦時にクメール・ルージュが占拠したのも、この切り立った崖の立地にもよるのでしょう。そしてこの風景も世界遺産の重要なポイントの一つです。
◎まとめ
今回は、カンボジアの世界遺産プレア・ヴィヘア寺院を紹介しました。最近では認知度が上がり、徐々に観光客が増えてきています。道路も舗装され行きやすくなっているので、世界遺産アンコール・ワットに訪れる場合はせひプレア・ヴィヘア寺院まで足を延ばしてみませんか?今では危険度も下がっていますので、最低限の注意をしていれば問題ないでしょう。