世界最古の大帝国、古代ペルシアの世界遺産パサルガダエ考古遺跡

イランのファールス州には世界最古の大帝国、アケメネス朝のペルシア帝国で一番最初に建設された都市があることをご存知でしょうか？それがパサルガダエであり、帝国の創始者であるキュロス大王が建設した都市としても有名です。

キュロス二世の墳墓をはじめ、イランで初めて建設されたペルシア式庭園やレリーフなどを見学することができます。他にも要塞や宮殿の跡など、パサルガダエには数多くの魅力が詰まっているんですよ。今回はその歴史的重要さから2004年に世界遺産に登録されたパサルガダエについてご紹介いたします。

パサルガダエとは？

古代ペルシアの都市であり、アケメネス朝の最初の都であったパサルガダエ。紀元前546年、キュロス二世によって建設が開始されましたが、彼の死によって建設計画が頓挫してしまいます。しかしスーサに遷都されるまで、このパサルガダエは首都として機能していました。現在、パサルガダエ考古遺跡として2004年に世界遺産に登録され、キュロス二世の墓やタレ・タフト要塞、2つの王室の庭園から構成されています。

さらに世界遺産に含まれるパサルガダエの庭園は、イランで発見された最古のペルシア式庭園。非常に興味深いのですが、残念ながら現在では遺構が残っているのみ。他にもレリーフや碑文なども見ることができる遺跡です。

パサルガダエへのアクセス

パサルガダエはイランの中でも有名な世界遺産であるペルシアの神殿跡、ペルセポリスから約87kmの場所にあるファールス州に位置しています。パサルガダエに観光に訪れる際は、イラン南西部の都市であるシーラーズを起点にするのがおすすめ。

シーラーズからはパサルガダエを含めた観光ツアーが開催されていますので、ぜひご参加ください。なおパサルガダエは広大な土地にいくつもの見学スポットが点在していますので、車での移動が楽ですよ。

パサルガダエのおすすめポイント①：キュロス二世の墳墓

キュロス二世はバビロニアからユダヤ人を開放し、旧約聖書にもその名が残ります。イラン建国の祖として、今でもイランの人々に親しまれている大王でもあるのです。そのキュロス二世の墳墓はパサルガダエの世界遺産を構成する、もっとも重要な遺跡の一つ。荒野の中にポツンとあるこの墳墓は、元は宮殿のような高い壁で囲われていました。

6段あるピラミッド状の階段の上に家形の石室が乗り、その高さは11メートルにもなります。こうした形状の墓は今までに無く、おそらくキュロス二世が征服したリディアやバビロニアの影響だろうと考えられてます。建てられた当時は金の棺や数々の装飾品なども一緒に埋葬され、おそらく天井に遺体が収められていました。しかしこれらは残っておらず、後にペルシア帝国を滅ぼしたアレクサンドロス大王によって持ち去られたか、すでに盗掘されたのかは諸説あります。さらにイスラム勢力に征服されていた時代は、墓の破壊をおそれた人々によってこのキュロス二世の墳墓を「ソロモン王の母の墓」と偽りました。そして、その名は現在でも知られるようになります。

パサルガダエのおすすめポイント②：ペルシア式庭園とその他の建築物

ペルシア帝国を建国したキュロス二世は様々な国を征服していき、同時に文化も吸収していったといわれています。最初の都であったパサルガダエでは、イランで最初に造られたペルシア式庭園も貴重な世界遺産の一つ。ペルシア式庭園とは庭園を4分割する方式で、このパサルガダエ庭園もゾロアスター教の4つの元素である水、土、空、火を表しています。残念ながら、現在はその遺構が残るのみ。

他にも、ゾロアスター教の寺院といわれるソロモンの牢獄や有翼人象のレリーフ、キュロス二世の碑文など、長い歴史を物語る貴重な世界遺産が見られます。他の遺跡の様な派手さは無いですが、重要さでは引けを取らないパサルガダエの世界遺産です。

◎まとめ

イランの世界遺産であるパサルガダエについてご紹介いたしました。古代ペルシア帝国の首都であったパサルガダエには、観光客を魅了する様々な見所が存在しますよ。周辺にはペルセポリスやナグシュ・ロスタムなど、外すことのできない貴重な遺跡も揃っていますので、ぜひイランに観光に訪れた際はペルシアの歴史を巡ってみるのはいかがでしょうか？

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