世界最北の砂漠と最南のツンドラが共存する世界遺産ウヴス・ヌール盆地

画像出典:Oschtan (CC BY-SA 3.0)

世界最北の砂漠と最南のツンドラが共存する世界遺産ウヴス・ヌール盆地

モンゴルの北西部には、ロシアとの国境を越えて広がっている世界遺産「ウヴス・ヌール盆地」があります。1年の温度差が100度にもなる極端な気温差が特徴で、世界最北の砂漠と最南のツンドラが共存。固有種や絶滅のおそれがある生物、多様な植物が見られることから世界自然遺産に登録されています。

ウヴス・ヌール盆地にはモンゴル最大、かつ塩水湖であるウヴス・ヌール(ウヴス湖)をはじめ、多くの湖が点在。ここでは、雄大な自然の絶景と貴重な動植物の魅力を中心に、世界遺産ウヴス・ヌール盆地をご紹介します。

目次

世界最北の砂漠と最南のツンドラが共存する世界遺産ウヴス・ヌール盆地

ウヴス・ヌール盆地とは?

出典: Александр Лещёнок (CC BY-SA 4.0)

「ウヴス・ヌール盆地」は、モンゴルからロシアの一部にまたがる総面積約9000平方キロメートルに及ぶ世界自然遺産。夏は40度を越える世界最北の砂漠、冬はマイナス60度近くまで冷え込む世界最南のツンドラという、シベリア・中央アジアの気候・地理的な境界線にもなっている貴重な場所です。

1993年にロシアが8か所、2003年にモンゴルが4か所の自然保護区を設定。氷河期から現在の状態への進化を研究するための特別な科学的意義、固有種を含む動植物の多様性から、2か国12か所の自然保護区が「ウヴス・ヌール盆地(Uvs Nuur Basin)」として世界遺産に登録されました。

壮大な大自然がほとんど手つかずで残っていること、スキタイと呼ばれる紀元前時代の遊牧騎馬民族たちの遺跡が残っていることなども高く評価されています。

ウヴス・ヌール盆地へのアクセス

まずは、ウランバートルのチンギスハーン国際空港へ向かいましょう。成田国際空港からチンギスハーン国際空港へは、モンゴル航空が週3便の直行便を運航しています。

ウランバートルとウヴス・ヌール盆地は1000kmほど離れているので、夏季に運航されるウランバートルからオラーンゴムへの国内線を利用すると便利です。

※2018年4月時点の情報です

ウヴス・ヌール盆地のおすすめポイント①:ウヴス・ヌール(ウヴス湖)

出典: Dr. Králík (CC BY-SA 3.0)

広大なウヴス・ヌール盆地には湖が点在しています。その中で最も大きな湖は、盆地の北西部、海抜約760mに位置する「ウヴス・ヌール(ウヴス湖)」。 面積はモンゴル最大の約3350平方キロメートルで、北部の一部はロシアに属しています。

ウヴス・ヌールは、海水の5倍以上もの塩分を含む塩水湖。これは数千年前までこの地域一帯が海であったことの証です。この湖へはテス川などが流入していますが、流出する川はありません。

夏は空の色が反射して鮮やかな青を映しだし、冬には湖が凍り一面が銀世界になるなど、季節によって全く違う表情を見せくれます。湖に魚たちは生息していませんが、シベリアから南下してくる渡り鳥など鳥類にとっては大切な湖になっています。

ウヴス・ヌール盆地のおすすめポイント②:多彩で貴重な動植物

出典: PhotoREX 21 / PIXTA(ピクスタ)

湖、砂漠、山など自然にあふれるウヴス・ヌール盆地。厳しい環境だからこそ、人の手がほとんど入ることがなかったウヴス・ヌール盆地では、ここをすみかとする多様な生態系を観ることができます。

絶滅危惧種に指定されているユキヒョウをはじめ、シベリアンアイベックスやアルガリが生息。固有のげっ歯類なども大変貴重です。

ユーラシアヘラサギ、オジロワシ、オオハクチョウ、インドガンなどの鳥類をバードウォッチングで観察するのもおすすめ。ケカンバ、イソツツジ、ヒゲハリスゲなど諸環境に適応した多数の植物も見られます。

◎まとめ

モンゴルとロシアにまたがるウヴス・ヌール盆地の特徴と魅力をお伝えしました。巨大な湖ウヴス・ヌールと世界最北の砂漠が織り成す大自然は迫力がありとても魅力的。世界遺産に登録されているものの、人口密度が低く、森林伐採など環境破壊をしない遊牧生活を営んできたことから、中央アジアの自然がほとんど手つかずで残っています。移動できる家といわれているゲルや、生活の様子を見ることもできますよ。

ウヴス・ヌール盆地はあまり日本では知られていない世界遺産で、日本からのツアーがほとんどありません。しかし世界でも貴重な環境を持つ場所であり、固有種や珍しい哺乳類、鳥類などが生息しています。海のように広い塩水湖など壮大な大自然を、実際に行って自分の目で見てみませんか。

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