稚内観光おすすめ12選!開放感あふれる最北の地を味わい尽くそう!

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稚内観光おすすめ12選!開放感あふれる最北の地を味わい尽くそう!

北方領土を除いて日本最北に位置する稚内市。北部には、宗谷湾を挟んで北へ伸びる2つの小さな半島があります。東の先端が最北端の宗谷岬、西の先端がノシャップ岬。ノシャップ岬の南東に、最北端の鉄道駅であるJR北海道「稚内駅」があります。雄大な自然が織り成す素晴らしい風景が広がっている稚内。どこまでも続くかのような広大な大地と、オホーツク海・日本海の両方に面した豊富な海産物など多彩な魅力にあふれています。歴史的な部分に目を向けると、日本の最北にあるがゆえの物語を、観光客に伝えてくれる史跡の数々。周囲の自然に親しみながら、アイヌから続く歴史に触れてみるのも稚内観光のポイントです。今回は、そんな稚内観光の魅力を余すことなくご紹介します。

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稚内観光おすすめ12選!開放感あふれる最北の地を味わい尽くそう!

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1.宗谷岬公園

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一般人が訪れられる日本最北端の地が、この宗谷岬。岬から北の遠方を見渡せばその先にはサハリンが迫り、海風を浴びながらの眺めは開放感たっぷりです。緑の季節には多くの観光客が訪れ、冬場には流氷を見ることもできます。誰しも一度は行ってみたい最北端の宗谷岬は、稚内を代表する観光地。周辺は宗谷岬公園として整備されています。

宗谷岬公園には、稚内の歴史を知る上で見ておきたいモニュメントが点在。景色を眺めながら岬周辺を散策し、北海道はもとより稚内の歴史に思いを馳せてみませんか。そして記念に「日本最北端到達証明書」やスタンプを手に入れれば、宗谷岬に到達した実感も沸くでしょう。ここでは宗谷岬公園にある碑や平和の鐘など、見どころをピックアップします。

◆日本最北端の地の碑

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日本最北端である稚内の宗谷岬には、それを象徴するモニュメントが建てられています。緯度経度で示すと北緯45度31分22秒、東経141度56分11秒。まさにそこで観光客を出迎えるのが「日本最北端の地」の碑です。稚内市に、そして宗谷岬を観光で訪れたらここは外せません!

開放的な雰囲気のなか、天気の良い日にどこまでも広がる青空と海風が、日本最北端に到達した観光客を心地よく出迎えてくれます。また夕暮れ時の眺めも美しく、夕日が映える様はずっと眺めていたくなってしまうほど。この碑と一緒に記念写真を撮って、到達した達成感を味わってくださいね。

◆祈りの塔・世界平和の鐘・子育て平和の鐘

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数あるモニュメントの中でも特に注目なのが「祈りの塔」と「世界平和の鐘」、そして「子育て平和の鐘」です。

「祈りの塔」は、1983年にサハリン西海域で起きた大韓航空機撃墜事件の慰霊と、世界平和を願うために建てられました。折り鶴をイメージした塔の周りには、春にピンクの花を咲かせるアルメリアの花壇が明るい未来を願うかのように配置されています。

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「世界平和の鐘」はその名の通り、世界の恒久平和を願い国連本部にある鐘の2号鐘として設置されました。そして、平和都市宣言をしている稚内市にあって、市民の総意で造られたのが「子育て平和の鐘」。いずれも宗谷岬公園内のひらけた場所に設置されています。開放的な空間は、開けた未来を暗示しているかのようですね。

◆流氷館

「日本最北端到達証明書」を発行してくれる日本最北端の売店が宗谷岬にあります。その中にあるちょっと変わった「流氷館」では、季節を問わず無料で流氷が見られるので寄ってみましょう。

マイナス10度の氷室に、流れ着いた大小さまざまな流氷が並べられています。実際の流氷を目の前にすると、海を漂う姿とはまた違った迫力を感じますよ。流氷の上に置かれた北方に生息する動物たちの剥製も可愛らしく、雰囲気を出すのに一役買っています。まさに稚内ならではの観光スポットが「流氷館」。売店に立ち寄った際には、ぜひこちらも覗いてみてくださいね。

2.宗谷岬灯台

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日本最北の地にある灯台が「宗谷岬灯台」。宗谷岬の高台から空高く伸びる、紅白ツートンカラーが観光客の目を引きます。この彩色は、霧の中でもよく見えるようにとの理由で採用されたもの。宗谷海峡を見守り、また、海峡を往来する船舶の目標物として大事な役目を担う宗谷岬灯台のトレードマークです。

灯台の歴史は古く、明治時代に遡ります。建造は1885年で北海道内で3番目にできた灯台でした。現在の建物は1912年に建て変えられた2代目。1954年には大改修が施されています。もちろん現在も現役!一般公開はされていませんが、宗谷岬を訪れたら立ち寄ってみてください。

3.宗谷丘陵

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宗谷岬の南に形成されている、なだらかな丘陵地帯。鋭い稜線ではなく、丸みのある形をしているのが稚内にある宗谷丘陵の特徴です。この一帯は2万年ほど前、地球最後の氷河期に土壌が凍結と融解を繰り返してできたものと考えられています。長い年月を費やし、土壌中の水分の作用だけで地形を変えてしまう、というのはなんとも壮大かつ神秘的ですね。

稚内ならではの、そして北海道というイメージがまさにぴったりの風景を見せてくれる宗谷丘陵。笹の木と草原に覆われ、どこまでも続くような圧倒的なスケールが魅力です。2004年には、北海道遺産にも指定されました。稚内観光で宗谷岬を訪れるなら、北海道ならではの景色を堪能しなければもったいないですね。以下では、宗谷丘陵地帯の観光の見どころをご紹介します。太古から今に受け継がれる風景とともに、こちらのエリアの魅力を感じる旅へ出かけましょう。

◆宗谷岬ウィンドファーム

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氷河時代にできた地形が今に残る宗谷丘陵の地。そのなだらかなロマン溢れる稜線の上に、巨大な風車の一群がまるで丘陵のシンボルのように連なっています。

高さ60mを超える白色の風車は、稚内特有の緑の風景の中に映え、のどかな北の大地の姿を観光客に印象付けます。「宗谷岬ウィンドファーム」で稼働する風車は、実際に稚内市の60パーセントもの電力を賄う風力発電設備。稚内市は「風の街」と言われるほどに風力エネルギーに恵まれています。

古くから水産加工などに利用されてきましたが、さらに風力発電に生かそうと建てられたのが、この約57基ある風車です。もちろん稚内の風景を形作る重要な施設としても、今では欠かせないものとなっている風車群。観光の際には、宗谷丘陵の景色とともに注目して見てください。

◆宗谷岬牧場

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稚内の宗谷丘陵でもう1つ印象的な景色を挙げるとすれば、黒牛の放牧風景。明治時代の火事以降、低木と草原の風景となった丘陵は、新鮮な牧草が茂る畜産の好適地でもあります。牛の群れが草を食むのどかな様子は、訪れる観光客の心を和ませてくれるでしょう。

「宗谷岬牧場」は、1800ヘクタールもの広大かつ肥沃な土地で畜産を営む道北の牧場。緑の季節に行われる放牧は、稚内観光の風物詩となっています。「宗谷黒牛」のブランドは有名なので、稚内を観光する際には覚えておいて損はありません。宗谷丘陵の大パノラマとともに放牧風景をのんびりと楽しむもよし。牧場で間近で育牛の様子に触れるもよし。最北の地稚内観光でしか味わえない魅力をぜひこちらで。

4.北海道立宗谷ふれあい公園

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四季を通じて家族みんなで楽しめる「北海道立宗谷ふれあい公園」は、道立の複合レジャー都市公園です。宗谷岬から南西方面へ海沿いに下り、稚内空港を過ぎたあたり。宗谷湾と大沼の間に位置する多目的レジャー観光施設です。

穏やかな丘と平坦部からなる広大な公園で、屋外施設・屋内施設共に充実。屋外では氷河期の名残を留める独特な地形と稚内の雄大な草原に、ロッジが併設されたキャンプ場が整備されています。「谷間の冒険広場」という森の中のアスレチック広場で遊べば、子供たちも大満足。全36ホールのパークゴルフ場があり、冬場にはスキーも楽しめます。

景色を楽しみたい観光客にはもってこいの展望施設もありますよ。宗谷海峡を一望できる大パノラマが眼前に。天気の良い日にはサハリンまで見えます。スタンプラリーをしながら散策できるコースが用意されているので、家族やグループでまわるのもおすすめです。

さらに宗谷ふれあい公園は、屋内施設も充実!もし雨や雪が降っていて屋外で遊べなくても、数種類のスライダー、垂直ネット&ウォールクライミングなどが設置された屋内遊技場で、全身を使って遊べます。ベビースペースも完備。屋内テラスには、ランチにも夕食にも利用できるバーベキューコーナーまであります。

屋内外で宗谷の自然を満喫できること請け負いの宗谷ふれあい公園、子供連れの観光旅行でも安心。稚内観光で四季折々の自然にふれることができ、幅広い年齢層の観光客が楽しめる魅力的な観光スポットとなっています。

5.メグマ沼自然公園

稚内空港のすぐ南東には、海跡湖の「メグマ沼」があります。沼の周囲に広がっている広大な湿原は「メグマ沼湿原」。エゾカンゾウやミズバショウなど200種以上の草花が観光客へ微笑みかけてくれます。メグマ沼道自然自然景観保護地区に指定され、日本の重要湿地500にも選ばれたメグマ沼。手つかずの自然が守られ季節ごとに色とりどりの草花が稚内観光客の目を楽しませてくれます。

初夏の瑞々しい景色は絶景。自然探勝路として約3.5kmの木道が張り巡らされているので散策してみましょう。また、約70種類の野鳥や珍しい生物と顔を合わせることができるのも自然公園の魅力です。散策前後に、展望休憩施設でゆっくりと大自然を眺めるのも良いものですよ。

日本最北の地を観光で訪れたら、日本最北の湿原を誇る「メグマ沼自然公園」にも立ち寄り、稚内観光でしか味わえない自然と景色を堪能してくださいね。

6.大沼野鳥観察館

北海道の「大沼」と言えば道南にあるものが有名ですが、稚内にも同名の沼があります。「声問大沼」とも呼ばれる大沼で有名なのは、ハクチョウ。春と秋には越冬のための中継地点として、1日に5000羽ものコハクチョウが飛来するといわれています。

ハクチョウのほかにも、年間を通じて多数の野鳥に出会うことができますよ。大沼とその周囲の湿地帯では、サギやカモ、ワシ、ウミネコなど、四季折々に多様な野鳥の姿を観察することができるのでバードウォッチングに最適。「大沼野鳥観察館(大沼バードハウス)」は大沼に面した木の温かみのある建物で、屋内の野鳥観察室では野鳥とともに周囲の麗しい草花も楽しめます。併設された展示コーナーでは、稚内の野鳥について知識を深めることができますよ。

様々な時期に観光に訪れ、その季節ならではの野鳥や草花に出会いたいものですよね。何度でも足を運びたくなる、注目の観光スポットです。

7.ノシャップ岬・恵山泊漁港公園

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稚内市の西北端に位置する「ノシャップ岬」も、稚内の美しい景色に出会えると観光客に親しまれているビュースポット。岬には「恵山泊漁公園」が整備されており、ノシャップ岬の碑やイルカのオブジェが設置されています。岬からは日本海に浮かぶ利尻島の利尻富士や礼文島の姿を見ることができ、天気の良い日や夕暮れ時の景色はまさに絶景!

北海道にはアイヌ語起源の地名が多数見受けられますが、「ノシャップ」も例外ではなく、アイヌ語で「岬が顎のように突き出たところ」または「波の砕ける場所」という意味の「ノッ・シャム」が由来となっています。すぐ近くにある水族館や科学館で体験や観光を楽しんだ後に、ここで美しい夕日を見ながらのんびりとした時間を過ごすのがおすすめです。

8.ノシャップ寒流水族館

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ノシャップ岬を観光の際には、こちらの水族館もお忘れなく!稚内灯台のほど近くにある稚内市立「ノシャップ寒流水族館」では、北の海を中心とした約100種1500点にも及ぶ生き物を飼育展示しています。

水量約90トンの回遊水槽では、幻の魚と呼ばれるイトウが優雅に泳ぐ姿を目にすることができますよ。他にもカレイやホッケ、スケトウダラ、ニシンなど、北に位置する稚内ならではの豊富な種類の魚たちが群れをなして泳ぐ姿には、思わず見入ってしまいます。

なかでもイチオシは、水族館のアイドル的存在であるアザラシのエサやり体験!屋外アザラシプールに、1缶100円でエサが売られています。これは、やらない手はありませんよね!子供だけでなく、ぜひ大人もやってみましょう。ほかにも、アザラシの輪投げキャッチなど人気のショーを観覧しながら一緒の時間を過ごすことができます。

ショーと言えば、ペンギンも見逃せません。さらには2013年に設置された「タッチプール」も、ウニやヒトデ、カニに実際に触れて戯れることができますよ。子供達も大喜びですね。開館50周年を迎えた日本最北の水族館は、稚内の魅力的な体験型観光スポットとなっており楽しみが尽きません。

9.稚内市青少年科学館

水族館に隣接する「稚内市青少年科学館」は、日本最北の天文台とプラネタリウムを有し、海洋科学コーナーや科学展示コーナー、各種実験室など遊びながら科学を学べる体験観光スポットになっています。

ホバークラフトやエアーレーサーなど、自分で制作した作品で競争できる「キッズチャレンジ」。科学展示コーナーは、手に放電した光が集まってくる「放電球」や、「反射神経テスト」「滑車の原理」など、子供たちの好奇心をかき立てる魅力がいっぱい。「イライラ棒」は、間違いなく大人もはまります!

またこの科学館の特徴は、南極観測関係の展示が充実していること。実際に使用されていた雪上車や大型そり、犬ぞり、無電棟、南極居住棟をはじめ、南極観測隊が基地で使用した施設や設備、衣類ほかさまざまな資料を展示。南極大陸立体地図模型、ビデオ放映や多数のパネルでも紹介しています。タロ・ジロで知られる樺太犬関係の資料も豊富で、とても興味深いですよ。

プラネタリウムでは稚内の夜空はもちろんのこと、様々なプログラムを展開しています。安室奈美恵氏の楽曲や、押尾コータロー氏のアコースティックギターの音楽を聴きながら星空を眺める「星空と音楽の夕べ」。プラネタリウム全天に広がるオーロラを体感しながら、中垣哲也氏のトークを楽しむ「オーロラ上映会&トークライブ」。スケジュールを合わせてでもぜひ参加してしてみたいプログラム企画が盛りだくさんです。

科学館だけでもこんなに充実しているのに、科学館・プラネタリウムと、隣の水族館すべてに入場できる共通入館料が大人500円、子供100円!稚内市立だけあって非常にリーズナブルなので、ぜひゆっくり体験して、観察して、家族みんなで、カップルで楽しんでください。

10.稚内灯台

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ノシャップ岬でもう1か所、気になる観光スポットが「稚内灯台」。宗谷岬のものと同様に紅白のツートンカラーが空に映え、思わず目がいってしまいますよね。ノシャップ岬に象徴的に立つうこの稚内灯台は高さ42mを超え、北海道で1番、全国でも2番目の高さを誇っています。

この灯台も、稚内の風景を形作る重要な要素のひとつ。ノシャップ岬を観光に訪れたら、絶景とともにその堂々たる姿をご覧ください。

11.稚内港

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オホーツク海と日本海に接する稚内市にあって、2つの海の分岐点に位置する港が稚内港。1957年に重要港湾として指定されており、利尻島や礼文島の連絡港はもとより、漁業の大切な拠点として稚内の人々により発展・維持されてきました。稚内観光の主要なスポットがあるのも、この稚内港とその周辺。その中から厳選した観光スポットをご紹介していきましょう。

◆稚内副港市場

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稚内港の第1副港地区でにぎわう「稚内副港市場(わっかないふくこういちば)」は、様々な施設で構成された複合商業施設。稚内観光の拠点として観光客の方々に親しまれています。

まず注目したいのは「ギャラリー棟」。各種のノスタルジーを銘打ったスペースでは、稚内や樺太の昔ながらの町並みや建物を再現。レトロな雰囲気の中で稚内地域の歴史や文化に触れることができるユニークなスポットとなっています。観光情報の収集もお忘れなく!

地元で獲れた海産物が並ぶ「市場棟」では、漁港の雰囲気あふれる店内の様子も観光の気分を盛り上げてくれます。稚内観光の素敵な思い出を見つけたり、お土産を見てみましょう。さらには日帰りで露天風呂も楽しめる「温泉棟」もあります。大露天風呂に浸かりながら稚内港の景色を眺め、稚内観光の合間のくつろぎのひと時をお過ごしください。

このように、稚内観光の様々な楽しみ方を見つけることができ、また稚内の歴史に入り込んだような不思議な気持ちになれる魅惑の市場。ぜひ一度、訪ねてみてくださいね。

◆稚内港北防波堤ドーム

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かつて稚内港の北埠頭は、稚内から旧樺太間を結ぶ船の発着場となっていました。防波堤として、また北埠頭を利用する乗客のために建設することになったのがこの「稚内港北防波堤ドーム」。1936年に完成した、大規模な半アーチ式のドーム型防波堤です。

設計者は、当時26歳であった土木技師の土谷実氏。全長427mの中に70本の円柱が設置された、古代ローマやゴシック建築を想起させるような重厚で独特な形は、世界の港湾建築の中でも傑作と言われるほど。2001年には北海道遺産にも指定され、まさに稚内港のシンボルと言っても過言ではありません。

1938年にはドーム内に線路が敷設されて稚内桟橋駅が造られ、稚内と樺太の大泊を結ぶ稚泊連絡船(ちはくれんらくせん)が1945年まで就航していました。

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当時のにぎわいは形を変え、現在ではロケ地やイベント会場としても利用されています。たくさんの観光客でにぎわう稚内港北防波堤ドームは、稚内の貴重な歴史遺産。夜も幻想的でステキです。

◆旧瀬戸邸

漁業の町、稚内。戦後から1960年代にかけて、底引網漁がかつてないほどのにぎわいを見せていた頃、各地から大勢の人が稚内の地に集まってきました。その最盛期の1952年、底引網漁の親方であった瀬戸常蔵の邸宅として建設され、今にその姿を伝えるのが「旧瀬戸邸」です。

旅館風の建築様式は明治から大正時代にみられたようなレトロな面構えで、当時の面影のままに観光客を迎えます。切妻型の赤いトタン屋根と煉瓦造りの2本の煙突がなんとも可愛らしく特徴的。2012年には邸宅内部が一般公開され、素敵な展示館として稚内の漁業の歴史の語り部としての役割を担っています。

当時の宴席風景の再現を観覧することもでき、時代を遡ったかのような感覚にさせてくれる素敵な観光スポット。2013年に稚内市では初めて国の有形文化財に登録された建物とともに、かつての稚内の様子を知ることができる貴重な観光地です。

12.稚内公園

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稚内駅の少し西、高台に位置する「稚内公園」は、稚内の市街地から海まで一望できる大パノラマが訪れる観光客を惹きつけてやみません。晴れた日中の風景から美しい夜景まで、1日の中でも多彩な表情を見せてくれる魅力的な観光スポットです。

この開放的な公園内には、モニュメントや記念塔など観光ポイントが散りばめられており、稚内観光に訪れて散策するのに絶好の場所。ここでは、稚内公園の主要な観光スポットをご紹介します。

◆樺太島民慰霊碑 氷雪の門

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樺太島民の慰霊碑である 「氷雪の門」は、稚内公園内の代表的なモニュメント。周辺は素晴らしいビュースポットになっていて、眼下には稚内市街地が広がり、その先にはどこまでも続く大海原の水平線。朝・昼・晩と表情を変える稚内の風景を一望でき、いつまでも眺めていたくなるような爽快な景色が観光客の心を掴んで離しません。

異国となってしまった樺太に対する故郷への思い、そして樺太から戻れなくなった人々への思い。それらの思いが詰まった慰霊碑が、花と低木の植え込みに囲まれ、凛とした姿で建っています。稚内のシンボルの1つともいえる氷雪の門から見える景色は、観光客の皆さんの心に何を語りかけるのでしょうか。

◆南極観測樺太犬記念碑

1957年、日本初の南極観測参加にあたって結成された犬ぞり隊。そのために集められ、当地へ赴いたのが20頭の樺太犬でした。厳寒な南極大陸での調査に多大な貢献をもたらした樺太犬たち。しかしその翌年の悪天候には勝てず、結果的に首輪でつながれたまま15頭が昭和基地に置き去りにされてしまいました。

その1年後、越冬隊が南極へ戻った際、ヘリコプターで2匹の犬を発見!南極に取り残されながら生き残っていた樺太犬の兄弟、タロとジロに軌跡のような再会を果たすことができました。稚内公園には、20頭の樺太犬たちの功績を讃え、また慰霊のために記念碑と供養塔が建てられています。2頭の樺太犬の生存を確認したという一報は全世界に感動をもたらし、映画『南極物語』をはじめ、ドラマやアニメでも描かれました。

実は、樺太犬たちが南極に出かける前の約8か月間、厳しい訓練を受けたのがこの稚内公園でした。南極の石が台座に埋め込まれた記念碑には、勇敢な樺太犬たちの魂が今も宿っているかのようで、見ていると力が湧いてくるような気がします。稚内公園を観光・散策する際には、彼らにぜひ会いに行ってみてください。

◆開基百年記念塔

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稚内公園には、稚内市開基100年と市政施行30年を記念して建立された「開基百年記念塔」が丘の上にそびえ立っています。塔の基部に当たる1・2階は「北方記念館」として、稚内の郷土資料及び樺太の関係の資料を展示。宗谷岬に像が建つ間宮林蔵氏の足跡を辿ることもできます。

塔の上部には周囲が一面ガラス張りのパノラマ展望室があります。ここからの景色は見ごとで、氷雪の門と並ぶ稚内公園におけるイチオシの絶景ポイント。サロベツ原野に宗谷湾、さらには利尻島や礼文島、サハリンの島影まで望めます。

展望台の営業は通常17時までですが、6月~9月までの暖かい季節は21時まで入場可能。稚内の夜景を楽しみたい観光客の方にピッタリですよ。地上約70m地点にある展望台から稚内の景色をぐるりと見渡し、また歴史資料に触れ、その雄大さと奥深さを肌で感じてみませんか?

◎まとめ

アイヌ語で「冷たい飲み水の沢」を意味する「ヤム・ワッカ・ナイ」。稚内の由来となった言葉です。稚内市には水が多く影響を及ぼし、また、恵みを与えて形成された自然や歴史的な観光地が数多くあります。自然の雄大なエネルギーと、古くから脈々と続く北の大地で自然と共に暮らす人々の生活から紡がれる幾多もの歴史。長きにわたって稚内の人々と共生してきた動植物が観光客を惹きつけてやみません。稚内の魅力を堪能する素敵な観光へ、ぜひ出かけてみてくださいね。

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