巡礼地として栄えていたエジプトの世界遺産アブ・メナを紹介!

画像出典:Institute for the Study of the Ancient World

巡礼地として栄えていたエジプトの世界遺産アブ・メナを紹介!

1979年世界文化遺産として登録された「アブ・メナ」は、エジプト北部アレクサンドリアの南西45kmにある古代都市の遺跡。原始キリスト教の一宗派・コプト教の聖地で、エジプト最古の宗教都市でもあります。かつて多くの巡礼者が集まり、6ー7世紀にはエルサレムと並ぶ有名な巡礼地でした。その後イスラム教徒の侵入を受け、町は破壊されてしまいます。砂漠の中に埋もれてしまいましたが、20世紀初めに発掘されたものもありました。今回は世界遺産のアブ・メナについて紹介していきます。

目次

巡礼地として栄えていたエジプトの世界遺産アブ・メナを紹介!

「アブ・メナ」とは?

出典: Institute for the Study of the Ancient World

アブ・メナの起源は3世紀の終わり頃。キリスト教弾圧で殉教したアレクサンドリアのメナスの亡骸をラクダで運ばせたところ、途中でラクダが足を止めました。押せども引けどもそれ以上歩こうとしなかったため、これは神意であると解釈され彼の遺体はその場に埋葬。しばらくして葬された場所は、人間の難病も治癒するという奇跡がいくつも起こり、その奇跡を求めるキリスト教徒にとって重要な巡礼地となりました。

やがて世界各地から礼拝に訪れる巡礼者がアブ・メナに多く訪れ、あっという間に大都市に変貌。教会や洗礼堂だけではなく、巡礼者の宿泊施設や浴場、住居地なども建設されました。上部構造はほとんど残ってないですが、柱廊形式の大建築物の土台は今でもはっきりと識別することが可能です。共同浴場の跡や壁、柱の根元など言われてみればそれと分かるような遺跡が広範囲に広がっています。

「アブ・メナ」へのアクセス

一般的なアレクサンドリアへのルートは2通りです。カタールのドーハを経由するか、トルコのイスタンブールを経由するかのどちらかになります。成田からカイロまで直行便が運航していますが本数が少ないです。

アレキサンドリアの街からアブ・メナへは車で約2時間。公共交通とも言えるセルビス(ミニバス)かタクシーを利用することになります。英語が全く通じず、アブ・メナへの観光客がそれほど多くないことから、あらかじめガイドツアーなどを手配しておくといいでしょう。

アブ・メナ近くのおすすめポイント2

聖メナス(ミーナ)修道院

出典: zh.wikipedia.org

アブ・メナの入口とも言える聖メナス(ミーナ)修道院。1959年に造られた新しい施設で、現代におけるコプト教の聖地となっています。イスラム世界に属するエジプトですが、今も国民の約一割が古代キリスト教の流れをくむコプト教信者です。

アブ・メナの遺跡から1.5kmほど離れたこの修道院。内部には聖ミナスの祭壇があって、周りにはキリストや聖ミナスの壁画などもあります。施設はかなり大掛かりなもので、相当数の修道僧が暮らせるほどの規模です。また、一帯には大聖堂やお土産店、花屋や食堂などが揃っています。砂漠の中であっても巡礼者や観光客がゆっくりできるような環境です。

アレクサンドリア国立博物館

出典: commons.wikimedia.org

世界遺産アブ・メナの遺跡を見学したあとは、アレクサンドリア国立博物館に足を運んでみましょう。2003年に市の中心部にできた比較的新しい博物館ですが、以前は領事館でした。建物を改装して、白い植民地風の外観は美しく趣があります。

館内にはエジプトの4つの主要時代(古代ファラオ、グレコローマン、コプト、イスラム)ごとに分類した工芸品が展示。英語の説明文も付けられています。主な展示物はセラピス神(アレキサンドリアの守護神)や、ツタンカーメンの父と言われるアクエンアテンの像、ギリシャ神話に登場するメドゥーサ、そしてアレキサンドリア湾で見つかった宝物(当然金銀のコインも)など様々。地下に降りてゆくと、古代エジプト時代のミイラが2体ある地下墳墓風の展示室もあります。

◎まとめ

世界遺産アブ・メナについて紹介しました。数々の奇跡が起こったアブ・メナ。ご利益があるかどうかは分からないですが、一度訪れてみたい場所です。この世界遺産の玄関口・アレキサンドリアは、古代エジプトにおけるプトレマイオス朝の都でもあった場所。アブ・メナ以外にも観光スポットはたくさんあります。ぜひ古代エジプトの謎を解く旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

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