土の文化を継承するオアシス都市!ニジェールの世界遺産アガデス歴史地区

土の文化を継承するオアシス都市!ニジェールの世界遺産アガデス歴史地区

ニジェールはアフリカ北部の内陸国。国土の3分の2がサハラ砂漠に属していて、今も砂漠の拡大が喫緊の問題となっています。世界遺産に登録されているアガデスは、ニジェール北部で最大の都市。サハラ交易を生業としてきた遊牧民トゥアレグの1つアイル人が建設しました。今でもアガデスでは、ニジェール北東部のビルマの塩田から塩を運ぶトゥアレグの隊商を目にすることができるんですよ。

現在のアガデスは、ウランの輸送中継や観光業が主要産業。ほかにも銀細工や皮製品、そしてラクダの取引などでも知られています。世界遺産のアガデス旧市街には、古い宮殿やモスクがいくつか残っていて、歴史あるオアシス都市の街並みにが残っています。それでは、サハラ交易の拠点として栄えた世界遺産のガデス歴史地区の見どころについてご紹介しましょう。

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土の文化を継承するオアシス都市!ニジェールの世界遺産アガデス歴史地区

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アガデス歴史地区とは?

アガデスはニジェールの北部、サハラ砂漠の南端にある都市で、サハラへの玄関口として知られています。14世紀までには、トゥアレグによって街が建設されていたと考えられています。16世紀初頭にソンガイ帝国によって占領され、その下でモスクや宮殿を備えた都市として発展します。

しかし、16世紀末にサアド朝モロッコによってソンガイ帝国は滅ぼされ、アガデスも大きなダメージを受けました。17世紀にサアド朝が衰退すると、アガデスはオスマン・トルコとの隊商交易のゴール地点となり、1900年ごろにフランスがニジェール一帯を占領するまで、その地位を保持していました。

アガデス歴史地区は複雑な形状の11区画で構成されていて、歴史的建造物のほとんどが土で造られています。古くからの土着文化や伝統工芸が今日まで受け継がれ、類まれな土の建造物を見ることができます。2013年、アガデス歴史地区はニジェールで3番目の世界遺産に登録されました。

アガデス歴史地区へのアクセス

アガデスのマノ・ダヤク国際空港へは、ニジェールの首都ニアメーから飛行機が出ています。ただし、毎日便があるわけではないので注意してください。空港から世界遺産の歴史地区までは、徒歩でも行ける距離です。

ニアメーのディオリ・アマニ国際空港への日本からの直行便はないので、イスタンブールやアジスアベバなどを経由して行くことになります。

アガデス歴史地区のおすすめポイント①:アガデス・モスク

世界遺産アガデス歴史地区を代表する土の建造物といえば、ア高さ27mのミナレット(塔)をもつガデス・モスク(グランド・モスク)です。日干しレンガで建てられた壁にはヤシの棒が打ちつけられていて、遠くから見るとトゲの生えたサボテンのようにも見えます。このヤシの棒は単なるデザインのようにも見えますが、実は年に一度のモスクの修復の際に足場として利用されます。

ミナレットには登ることもでき、頂上からはアガデスの歴史地区全体と、荒大なサハラ砂漠を見渡すことがことができます。金曜日の集団礼拝の時間帯は信者以外は入れませんが、ニジェールの文化に触れられる良い機会でもあります。世界遺産の歴史地区でもっとも目を引く観光スポットですが、なんと空港から歩いて20分程度のところにありますよ。

アガデス歴史地区のおすすめポイント②:スルタン宮殿

アガデス・モスクのすぐ隣には、同じく日干しレンガ造のスルタン宮殿があります。スルタンとはイスラーム世界の君主のことで、アガデスでもソンガイ帝国に占領されるまではスルタン制がとられていました。スルタン宮殿は15世紀ごろに建てられたもので、アガデスの統治機関であり、スルタン一家の住居でもあります。

スルタン宮殿には、今でもトゥアレグのスルタンが住んでいます。アガデスのスルタンは直接政治に介入する権限はありませんが、いまだにこの地域で大きな影響力を保持しているんですよ。部族間の苦情や税の問題、結婚問題などについて、住民の相談を受けているそうです。スルタンにお目にかかるのは難しいですが、宮殿の前にはスルタンのガードが駐在していて、その鮮やかな衣装に注目してみてください。

アガデス歴史地区のおすすめポイント③:ラクダ市

世界遺産アガデス歴史地区の構成資産というわけではありませんが、アガデスはラクダ市でも有名です。市ではラクダのほかにも牛やヤギ、ロバなども取引されています。サハラ砂漠を越えての隊商交易に携わるトゥアレグの人々にとって、ラクダはとても重要な資産ともいうべき存在。ラクダは主要輸出品目の塩を運ぶだけでなく、ラクダレースに使われたり、祭典などの際には美しく装飾されたりと、アガデス市民の生活とは切り離せない動物です。

アガデスのラクダ市は毎日立ってます。サハラ砂漠で見かけるラクダは、ほとんどがヒトコブラクダ。トゥアレグの人々は男性の方が顔を布で隠し、コブの前か後ろに券を携えて乗っています。隊商交易で栄えた当時を思わせるトゥアレグの男たちの勇壮な姿を見るのも、アガデスの魅力の1つといえるでしょう。

アガデス歴史地区の注意事項

外務省が発信する海外安全情報により、2017年現在でアガデス県全土に危険度「レベル4:退避勧告」が発令されています。観光目的での渡航は、現況行わないでください。

◎まとめ

退避勧告が出ているため、現状では観光で訪れることのできない世界遺産アガデス歴史地区。

ご紹介したとおり世界遺産に相応しい歴史的建造物が残り、危険遺産に指定されているわけではありません。近いうちにまた外国人観光客が自由に訪れることのできる日が来ることを期待しましょう。

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