ペルー世界遺産、謎だらけのナスカとパルパの地上絵を見に行こう!

画像出典:クレジット:Lindrik

ペルー世界遺産、謎だらけのナスカとパルパの地上絵を見に行こう!

ぺルーの首都リマから南へ400km、アンデス山脈と太平洋に挟まれた砂漠地帯に刻まれた巨大な地上絵。一度は自分の目で見てみたい!と世界中から多くの観光客がやってきます。紀元前200年から紀元後800年のナスカ文化時代に描かれたと言われる地上絵を見た人は誰しも、「いつ、誰が?一体何の為に?どうやって描いたの?」と頭の中が疑問符だらけになるでしょう。

2007年には万里の長城やタージ・マハル、マチュ・ピチュなどとともに「新・世界七不思議」にも選ばれています。また1994年に「ナスカとフマナ平原の地上絵」の名称で世界遺産登録されましたが、2016年に「ナスカとパルパの地上絵」と名称変更をされています。

目次

ペルー世界遺産、謎だらけのナスカとパルパの地上絵を見に行こう!

ナスカとパルパの地上絵とは?

出典: Patrick Nouhailler

1939年6月22日、ペルー海岸地方の古代灌漑施設を研究していたアメリカ人の考古学者ポール・コソックはナスカ川とインへニオ川の間にあるナスカ台地を飛行機から眺めて驚きの声をあげます。

そこには、数々の地上絵が広がっていたのです。現在確認されているだけで、人間や動植物の絵は70以上、幾何学模様は700以上、単なる直線は、数千です。驚くのはそのサイズで、例えばハチドリは96m、最も大きな鳥の絵は285mにも及びます。

描かれているデザインが、ナスカ文化の土器に描かれた文様と酷似している事から、ナスカ文化時代に描かれたと考えられています。表面の礫岩を取り除き、下にある白っぽい砂の層を露出させるという手法だったことが分かっています。

線の幅は30cmから60cmですが、年間降水量が10ミリ以下という乾燥地帯だからこそ、礫岩を畝にしただけの線が2000年以上も残っているのです。では誰が?何の為に?その謎こそがナスカの地上絵の魅力と言えるのかも知れませんね。

ナスカとパルパの地上絵へのアクセス

ペルーへの直行便はないので、アメリカがメキシコ経由でリマへ入るのが一般的。リマからナスカへはバスで7時間、イカまでは5時間です。地上絵へのフライトはナスカかイカという街が基点となっています。

ナスカとパルパの地上絵おすすめポイント3

1.遊覧飛行からの地上絵観光

出典: クレジット:pxhidalgo

ナスカの地上絵は、セスナかヘリコプターで上空から眺めて初めてその存在がはっきりと分かります。ナスカ部分だけで30分、フナマエリアを入れると合計1時間の遊覧飛行で、古代の名画鑑賞に出発しましょう。ここでは一般的なナスカの30分コースの順を追ってご紹介します。

最初に見えるのはクジラ、次に台形、大きな目をした宇宙飛行士、左に旋回後、尾を丸めたサル。右に旋回後、犬(キツネという説もある)。有名なコンドル、蜘蛛、96mのハチドリ、フラミンゴ、鳥類、オウム、最後に展望台(ミラドール)周辺を旋回して、トカゲ、木、両手、を見て空港に戻ります。

パイロットさんが、犬!サル!などと教えてくれますが、遊覧飛行前に貰える地図を見て事前に位置関係や形を予習しておくと良く分かるのでお勧めです。左右どちらの座席からでも見えるようにと、各箇所で8の字旋回をするので、酔いやすい人は酔い止めを飲んで参加しましょう。

2.ミラドール(展望台)

出典: クレジット:yuelan

地上絵に魅了され、この地に住み着いて生涯を地上絵の解明作業と保護に捧げたドイツ人考古学者のマリア・ライヒェ。その研究作業の為に建てられたのがミラドール(展望台)上からは木、トカゲ、手、の地上絵を見ることができますが、地上絵の存在に気付かずに高速道路を作ったために、トカゲが二つに切れてしまっているものもあります。

彼女の調査により、地上絵の下絵と思われる小さな図形や地上絵の終点に打ち込まれた杭が発見されている事から、下絵を描いた上でその数十倍の大きさの物を、杭を使って形と大きさを確認しながら描いた拡大説が有力視されています。

最大のミステリーである、地上絵の目的は?宇宙との交信説、雨乞いの儀式説、公共事業説、地下水路説、実に様々な説があります。マリアの持論は、何本かの直線が夏至や冬至の太陽の軌跡と一致する事から、太陽暦と天文観察の為に地上絵が描かれたという説。遊覧飛行の後は、展望台からの景色をたっぷり堪能しましょう。

3.マリア・ライヒェ博物館

出典: commons.wikimedia.org

柵のない地上絵付近は誰でも近づくことができるので、車の轍を見ることもあり、昔からいたずらや破壊が危惧されてきました。解読よりも保護保存が先決だと訴え続けてきたドイツ人研究者、マリア・ライヒェ。彼女がいなければもっと状態は悪く、現在のような地上絵観光はできていなかったと言われています。

その彼女が生活していた家が博物館になりました。生涯をかけた研究と地上絵の保護活動にはぺルー政府もいくつもの勲章を贈っています。ナスカには彼女の名前を冠した学校まであるほどです。マリアの活動に感銘を受けたフリーアナウンサーの楠田枝理子さんは、日本マリアライへ基金を立ち上げて活動を支えています。

マリアの死後、遺跡保護活動が危ぶまれていましたが、ドイツ考古学研究所が遺志を次ぎパルパ博物館も開館させています。マリアライへの研究資料や活動内容の興味深い展示がある博物館の入場料はナスカ地上絵の保護活動に使われていますので、ぜひ訪ねてみてくださいね。

◎まとめ

心無いイタズラや無知により破壊されてきたナスカの地上絵は、近年のエルニーニョ現象でほとんど雨の降らなかったナスカ平原と周辺に雨が降るようになり、地上絵の浸食が少しずつ進んでいるそうです。

特に周辺の山岳地帯に降った雨が小川のようになり、ナスカ平原に流れ込み地表を削る現象は深刻だと言います。世界遺産の危機遺産に登録して、保護にもっと力を入れるべきだという声もあるナスカとパルパの地上絵。興味のある方は早めに訪れた方がいいかも知れませんね。

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