名称:ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所
住所:Pecs(Sopianae)
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/853
ハンガリーの南西部バラニャ県にあるペーチ(ソピアネ)は、古代ローマ帝国の領土だったことでも知られる町。ペーチ(ソピアネに残る初期キリスト教徒の墓地は、2000年に世界文化遺産に登録されました。
ペーチ(ソピアネ)は穏やかな気候と美しい自然に恵まれ、2010年の欧州文化都市に指定され観光地としても人気上昇中。またペーチ(ソピアネ)には、創立1367年のハンガリーで最も古いペーチ大学や、ハンガリー三大磁器窯のひとつジョルナイのコレクションなど見どころ満載。ハンガリーに来たらぜひペーチを訪れてくださいね。
目次
ハンガリーの世界遺産!ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所
ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所とは
ペーチ(ソピアネ)は、ハンガリー南部にある町で、古くから人が定住し交易で栄えていました。4世紀頃、古代ローマ帝国の領土となり、「ソピアネ」とはその当時に付けられた名前で、ケルト語で「湿原」という意味。現在、「ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所」としてユネスコの世界遺産に登録されています。
また、キリスト教の都市として繁栄し、多くの初期キリスト教徒の墓地が作られました。しかし、4世紀の終わりには、ローマ帝国の衰退とともにペーチ(ソピアネ)もスラブ人に支配されます。18世紀になると墓地が発見され、古い礼拝堂の地下から発見されたカタコンベ(地下墓所)が注目を浴びました。カタコンベには、アダムとイブなどの壁画が描かれており、初期キリスト教美術を伝える貴重な世界遺産です。
ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所へのアクセス
ペーチはハンガリー南部、ブダペストの南約180kmのところにあります。ブダペストから電車で約3時間。ペーチ駅から中心部までは歩いて10分~15分ほどです。
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ペーチ大聖堂とカタコンベ
世界遺産に登録されたペーチのカタコンベ。地下墓地とも呼ばれるこれらの墓地は、ローマ帝国がキリスト教徒を迫害していた4世紀に作られたものです。2007年には地下博物館が完成し、観光客もカタコンベの中を見ることができるようになりました。
地下への階段を下り、資料室を通ると、そこに広がるのは迷路のような地下墓地。行ったり来たりしながら、最新技術を使った展示を見ることができます。1600年も前に作られた墓所なのですが、中にははっきりと色が分かる壁画も残されていて神秘的な雰囲気。
また世界遺産の地下墓地の隣には、ペーチ大聖堂があります。11世紀に創建されましたが、13世紀にはオスマン帝国に破壊されてしまい、現在あるのは19世紀に再建されたもの。聖堂の壁や天井には見事な壁画が残されているので、ぜひ見てみてください。また聖堂の地下には、オスマン帝国の時代に作られたモスクの跡を見ることができ、煌びやかなタイル模様も必見です。
ペーチの街並み
世界遺産があるペーチ(ソピアネ)は、早くからキリスト教の文化が発展した町ですが、16世紀にはオスマントルコが侵略しイスラム文化をもたらしました。そのため、町にはキリスト教とイスラム教の文化が混じり合い、独特の文化が生まれます。イスラム教のモスクや大浴場跡があるほか、キリスト教の修道院やバロック様式の傑作である修道院が見られますよ。
またペーチ(ソピアネ)は、芸術の町でもあり、19世紀に建てられたペーチ国立劇場では、バレエやオペラに加え演劇なども上演。夏には野外コンサートも行われているので、ぜひチェックしてくださいね。
◎まとめ
世界遺産ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所をご紹介しました。世界遺産はもちろん、歴史のある町ならではの観光スポットも多く見逃せませんよ。ペーチ(ソピアネ)は、ハンガリーワインの名産地にもなっているので観光名所とともに、ワイナリーもぜひ訪れてみてください。世界遺産を巡りながら、ハンガリー南部の旅も楽しんでくださいね。