名称:リオ・アビセオ国立公園(Río Abiseo National Park)
住所:San Martin, Peru
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/548
「リオ・アビセオ国立公園」は、ペルーが誇る世界遺産の1つ。1990年に世界遺産登録されたペルーのサン・マルティン県にある国立公園です。当初は絶滅危惧種や固有種の生物多様性保全、豊かな植生などから自然遺産のみの登録でしたが、1992年には文化的側面も評価され複合遺産として登録されました。この公園内には多くの動植物が生態系を営んでおり、それと併せて30を超える先住民族の遺跡も存在しているのです。しかしその貴重な生態系の保護と遺跡の脆弱性のために、一般公開はなされていません。観光地として訪れることはできませんが、非常に興味を惹かれるペルーの世界遺産「リオ・アビセオ国立公園」の魅力を見てみましょう。
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世界遺産リオ・アビセオ国立公園|一般非公開の貴重な複合遺産を知ろう
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リオ・アビセオ国立公園とは?
ペルーのサン・マルティン県にあるリオ・アビセオ国立公園は、自然と文化両方が貴重であるとされた複合遺産。しかし世界遺産に登録される以前の1986年から、その貴重な生態系の保護と遺跡の脆弱性のために観光客への公開はされていません。そのために園内では、多種多様な動植物たちが自然のままの姿で暮らしています。
リオ・アビセオ国立公園、マラニョン川とワジャガ川に挟まれたサン・マルティン地方に位置しています。約2,745平方キロメートルという広大な面積を誇り、海抜約350m~4000mを超える場所まで標高差が大きく、年平均降水量も約500~2,000ミリまでと開きがあります。これらのことから、国立公園内の気候は7つにも分かれているのです。まるで地球の縮図のような多様な自然環境をもつリオ・アビセオ国立公園は、自然を理解するうえでも非常に貴重な世界遺産であるといえますね。
公園内では絶滅したと思われていた固有種「ヘンディウーリーモンキー」の生息が確認されているなど動植物以外にも、チャチャポヤス文化(Chachapoya culture)の遺跡「グラン・パハテン」なども残されています。
リオ・アビセオ国立公園へのアクセス
ペルーの東部、サン・マルティン県に位置しています。サン・マルティン県へ行くには首都リマから飛行機でおよそ1時間ほどですが、リオ・アビセオ国立公園は生態系と遺跡の両面の脆弱性に配慮し1986年以降非公開となっています。そのため公園内にアクセスすることはできません。
リオ・アビセオ国立公園のポイント①:絶滅危惧種含む希少な動物
出典: Platyrrhinus (CC BY-SA 3.0)
リオ・アビセオ国立公園には、数種類の絶滅危惧種に認定されている動物が生息しています。その中でも絶滅したと思われていた固有種のヘンディウーリーモンキー(Yellow-tailed woolly monkey)の生息が確認されたことは世界遺産の登録への一歩となりました。
出典: Miguelrangeljr (CC BY-SA 3.0)
ほかにも、アカホエザル(Venezuelan red howler)、
トキイロコンドル(Sarcoramphus papa)、キビタイボウシインコ( Amazona ochrocephala)、メガネグマ(Tremarctos ornatus)など希少な生物が生息しています。
リオ・アビセオ国立公園のポイント②:豊かな植生
出典: Venegas P, Torres-Carvajal O, Duran V, Queiroz K - Venegas P, Torres-Carvajal O, Duran V, Queiroz K (CC BY 3.0)
リオ・アビセオ国立公園内の植生のほとんどは山地性雲霧林ですが、山地性多雨林、熱帯高山性森林、高地アンデス草原帯、乾燥した森林帯など多岐に渡ります。非常に豊かな植生が特徴で、その種類は固有種を含む約5000種類にも及んでいます。
リオ・アビセオ国立公園のポイント③:遺跡
出典: Edith Schackendorf (CC BY-SA 4.0)
リオ・アビセオ国立公園には30を超えるアメリカ先住民の遺跡が存在しています。これらの文化的側面が評価されたことにより、自然遺産に加えて1992年に複合遺産として世界遺産登録されました。
なかでも、チャチャポヤス文化の遺跡「グラン・パハテン(Gran Pajatén)」や、断崖の石墓群であるロス・ピンチュドス遺跡(Los Pinchudos)が知られています。
◎まとめ
ペルーの世界遺産「リオ・アビセオ国立公園」をご紹介しました。その広大な敷地に貴重な生態系と古代の遺跡を有する複合遺産として守られたリオ・アビセオ国立公園。それはまさに我々が自然を理解するうえで、非常に重要な生きた資料といえる存在です。生態系と遺跡の両面の脆弱性から非公開遺産となっており観光できないのは残念ですが、その環境がしっかりと守られていくことを願わずにはいられません。