長野県南木曽観光といえば妻籠宿!歴史と文化を丸ごと味わう10選

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長野県南木曽観光といえば妻籠宿!歴史と文化を丸ごと味わう10選

南木曽は、長野県南西部に位置する町。江戸時代の主要交通路である中山道沿いの妻籠(つまご)をはじめとする宿場町が栄えた歴史を持つ美しい観光の町です。長野県下で最も人口が少ない南木曽ですが、地元の人々の歴史的文化価値への高い意識と誇りが、観光に訪れる私たちを温かく迎えてくれる町です。

南木曽の「歴史の道・中山道」は江戸の歴史と文化が感じられる観光の道として大きな魅力をもっています。時間をかけて歩けばもちろんのこと、そこに佇んで妻籠のメインストリートを見回すだけでも南木曽を訪れる価値は十分にあります。温泉に浸かっておいしい地元の味覚を味わい、宿に泊まってのどかな里山の風景に囲まれて過ごす特別な休日を、ここ南木曽で堪能してください。

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長野県南木曽観光といえば妻籠宿!歴史と文化を丸ごと味わう10選

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1.歴史の道 中山道

歴史の道、中山道は江戸と京都を結ぶ江戸時代の五街道のひとつを保存したもので、南木曽の観光の中心「妻籠宿(つまごじゅく)」をはじめ、多くの見どころがある観光散策ルートです。中山道は木曽路とも言われるのでまさに南木曽はその主要部。江戸時代から数多くの人々が歩いた道そのものと街並み、歴史がここ南木曽で堪能できます。

南木曽の駅から「妻籠宿」を経て、お隣の岐阜県中津川市の「馬籠宿(まごめじゅく)までを歩くのがおすすめ。距離は9kmほど、約3時間半の散策です。歩き通すと、ハガキサイズの桧の木で作られた「完歩証明書」の発行や、手荷物を1個500円で運んでくれるサービスがあるので、江戸から京都へ向かう旅人の気分でぜひ南木曽の観光ルートにトライしてみましょう。友人同士やカップルはもちろん、ひとりでも楽しめます。

それほど時間が取れないという方は、バスで馬籠峠まで行き、南木曽に向かって戻って来るルートもあります。南木曽の観光をじっくり楽しんでくださいね。

(価格は2017年1月24日現在のもの)

2.妻籠宿

「妻籠宿」は中山道の42番目の宿場で、南木曽の観光のみならず信州木曽路でも最も人気の観光スポットのひとつです。

妻籠へは南木曽の駅から「歴史の道・中山道」を歩いて行きますが、じつは南木曽の駅周辺もかつては妻籠と同様に三留野(みどの)宿として栄えた歴史があるのです。そう思うと南木曽の観光は駅を降り立った時からもう始まっているのですね。数多くの見どころがある「妻籠」の魅力をたっぷりご紹介します。

◆寺下の街並み

「寺下の町並」は妻籠宿の原点です。昭和40年代のこと。南木曽の町を通る中山道という道そのものと、昔の旅籠そのままの造作の家に暮らす人々が、自分たちの町が持つ歴史的文化遺産の価値に気づいたとき、妻籠宿の保存運動が始まりました。

南木曽で最初に保存の対象とされたエリアを「寺下の町並」といい、南木曽で素晴らしい観光体験ができるポイントになっています。このエピソードを聞いてからこの町を歩くと「いざ、妻籠宿にやって来たぞ!」という観光気分がより一層盛り上がってくることでしょう。

◆妻籠宿本陣

妻籠宿本陣は、江戸時代の参勤交代の際に大名が南木曽で宿泊した施設です。そしてここは明治の文豪、島崎藤村の母の生家でもありました。

建物は平成7年に江戸時代後期の絵図をもとにした間取りを復元したもので、家の真ん中に廊下がなく部屋同士がくっついている間取りなど、当時の南木曽の建築の特徴がよく分かる造りになっています。掛け軸がある床の間や着物が提げてある居室、ぴかぴかに磨かれた板敷きの囲炉裏端など、生活感溢れる展示が施されているので、時間を忘れて南木曽の観光に没頭できるスポットです。

なお、この囲炉裏には毎朝火が入れられますが、囲炉裏の煙が建物の保存と防虫に効果があるとのこと。鏡開きの日にはこの囲炉裏でお餅を焼いてお汁粉を振る舞ってくれるというサービスもあるので、その機会に訪れたら素晴らしい南木曽の観光の思い出になりますね。

◆脇本陣奥谷

脇本陣奥谷は明治時代に建て替えられた総檜造りの建物です。代々脇本陣・問屋を勤めた家で、南木曽の旧家の堂々とした立派な造りを観光で堪能できます。広い建物には囲炉裏がしつらえられ、静かに注ぐ柔らかい日の光を味わいながら、観光ガイドさんから妻籠宿の歴史や南木曽の昔の暮らしぶりなどを説明してもらえます。

裏の土蔵には民俗資料館や島崎藤村ゆかりの資料が展示されていて、こちらも南木曽の観光には面白いですよ。また、隣接する歴史資料館には妻籠宿の鳥瞰模型があり、宿場町全体の様子がよくわかります。

南木曽では「妻籠宿本陣」「脇本陣奥谷」「歴史資料館」の3館を合わせて「南木曽町博物館」と位置づけているので、セットで観光するのがおすすめです。

◆妻籠郵便局

ここ南木曽の妻籠では郵便局も古風で観光気分満点な造りになっています。ポストは黒で外観は周囲の街並みに合わせたレトロな趣。とはいっても観光専用施設ではなく、通常業務を行っている南木曽の郵便局です。中の窓口で郵便物を出し、希望するとオリジナルの消印を押してもらえるので、ぜひここで手紙を送りましょう。南木曽の観光の記念にぴったりですね。

また、この郵便局には郵政資料館コーナーが設置され、飛脚時代の資料や日本最古の切手、島崎藤村関連の書簡類が展示されています。切手に関心がある人は要チェックです。

◆上嵯峨屋

江戸時代の大名が参勤交代で本陣に宿泊したように、当時の庶民もまたここ南木曽に宿泊しました。庶民版の本陣といえるのがこの上嵯峨屋です。

この建物は南木曽の妻籠宿でも最も古い建築物のひとつで、昭和44年の解体復元によって木賃宿であることがわかりました。木賃宿とは江戸時代中期の自炊式宿ともいうべきもので、自炊用の薪代を宿泊料として支払ったことからそう呼ばれるように。まさに妻籠宿には欠かせない観光スポットですね。

観光の見どころは、真ん中に土間を挟んで両側に部屋が並ぶ建物の造りです。囲炉裏や板敷きの部屋があり、旅人が軒先でわらじを脱いで上がって行く時代劇のワンシーンを彷彿とさせるような光景が見られ、南木曽の観光気分満点の施設です。

◆下嵯峨屋

こちらの下嵯峨屋は、旅籠ではなく民家です。当時は三軒長屋でした。昭和43年に復元する際に一戸にしたものです。

当時の南木曽の庶民の住居を代表する土間の造りや、2列に並んだ間取の形式を留めている様子が観光のポイントです。建築物としての面白さと、ここで暮らした南木曽の人々の日常に思いを馳せる気分にさせてくるところが下嵯峨屋の魅力です。

◆桝形の跡

宿場は旅の宿を提供するだけではなく、敵の侵入を阻む防衛の機能も備えていました。敵が宿場を一気に通り抜けてしまわないように道を直角に曲げていたのです。その曲がり角のことを「枡形」というのですが、その「枡形」が、ここ南木曽の妻籠宿に残っています。

3.大妻籠

大妻籠は妻籠宿の一部ですが、大妻籠を出て街道を進むと、中山道は次の宿場である馬籠宿まで細い山道が続きます。歴史の道、中山道の中でもイチオシのウォーキングポイント。大妻籠の町並みはこぢんまりして妻籠とは異なる趣があり、八剣神社の枝垂れ桜など自然豊かな南木曽の里山の風景が満喫できる観光スポットです。

◆男滝・女滝

吉川英治氏の人気小説「宮本武蔵」の舞台となった滝がここ南木曽にあり、観光で訪れることができます。小説では武蔵が修行をつんだり、お通さんとの恋の場として登場しますが、南木曽でも姿が美しい滝のひとつとして知られています。

大妻籠から馬籠峠に向かう途中にあるので、妻籠、馬籠の観光ウォーキングに訪れるする方はぜひ立ち寄ってみましょう!

◆藤原家住宅

出典: Taka / PIXTA(ピクスタ)

藤原家住宅は昭和63年に復元修理された建物です。調査の結果、17世紀半ばに建てられた長野県でも最も古い民家のひとつであることが分かり、南木曽では大切に保存されています。切り妻に板葺きで屋根を張って石を置いた造りや、これも板張りの外壁や腰壁などの外観と内部の土間や囲炉裏が見どころです。

中山道から少し高い地形に広がる南木曽の棚田の風景も素晴らしいのでおすすめ。大妻籠の観光でぜひとも訪れたいポイントです。

4.上久保の一里塚

江戸から南木曽までは中山道を歩いて78里、約312kmです。南木曽にはかつて一里塚が4ヶ所ありましたが、そのうちのひとつ上久保にあるものが原型をとどめていて今も観光で訪れることができます。

一里塚とは文字通り1里(約4km)ごとに街道に作られた目印です。今の単位でいうと9m四方の範囲に約3mの高さまで土を盛り、てっぺんに榎や松の木を植えたものです。高速道路の脇に1kmごとの表示がありますが、江戸時代のキロポストとして、旅人に次の宿場までの判断の目安と安心を与える重要な存在だったのです。

宿場の中だけではなく、南木曽の観光で街道を歩くなら、ぜひ一里塚にも注目してみてください。

5.一石栃(いちこくとち)白木改番所跡

一石栃白木改番所跡は江戸幕府が木曽五木といって桧など五種類の木を指定して無断伐採を禁じ出荷統制を行っていた番所の跡です。

妻籠宿と馬籠宿の中間あたりに位置し、歴史の道中山道を歩くと当時の茶屋が「立場茶屋」として無料の休憩ポイントになっています。この建物も江戸中期のもの。

また春には桜の古木が見事に花を開くので、観光の思い出になりますね。ちなみに桜が咲く順序は妻籠、大妻籠、一石栃の順です。

6.光徳寺

光徳寺は妻籠宿の高台に位置する県内でも屈指の古刹です。南木曽を観光で訪れたらぜひ行きたい観光スポットのひとつ。

周囲に石垣を築き、白壁をめぐらせた境内は気品があり、春には古い枝垂桜が見事な花で観光に来る人々を和ませます。また幕末の頃に、当時の住職が作らせたといわれる日本初の人力車が保存されているとう珍しい歴史があることでも知られています。

中山道沿いの宿場には「木曽七福神」という霊場がひらかれていますが、光徳寺もそのひとつ。御朱印帳持参で参拝に訪れる人も多い南木曽で人気のお寺です。

7.桃介(ももすけ)橋

南木曽の観光スポット桃介橋は別名「桃の橋」と呼ばれ、大正11年に完成した木製の吊り橋です。橋桁の下部に石を積み、コンクリート製の主塔3基を備えています。全長は247mもあり、日本でも有数の長さを誇る木製吊り橋となっています。

元々は木曽川の水力発電所建設用の機材を運ぶために建設されたものですが、南木曽周辺でも川幅が広い部分に掛けられているため、地域の人々や通学の学生達の日常交通を支えた橋でもあります。後に老朽化のため廃橋の運命にありましたが、付近の観光整備の一環として復元されたため、今私達が南木曽を観光で訪れるとその堂々とした美しい姿が見られるのです。

吊り橋としての優れたデザインがこの橋の魅力ですが、資材運搬用のトロッコのレールが敷かれた跡などの細部もしっかり復元されているので南木曽観光の際には注目です。中央の主塔から河原の公園へ降りられるので、木曽川の南木曽流域の水辺の風景も楽しめます。

8.福沢桃介記念館

福沢桃介記念館は木曽川の水力発電開発に貢献した福沢桃介が大正時代に南木曽に建てた別荘で、当時の西洋風別荘建築の風情がたっぷり残る美しい記念館です。

福沢桃介は、この別荘を政財界の有力者や外国人技術者らと宴を催す際の会場としたほか、当時のよきパートナーであった日本で最初の女優といわれる川上貞奴との避暑滞在に利用したといわれています。室内の装飾や2人の遺品や写真などの資料を見ていると、大正ロマンの世界に引き込まれる気分を味わえます。

南木曽を訪れたらぜひ立ち寄りたい観光スポット。桃介橋と合わせて南木曽の観光を楽しみましょう!

9.柿其(かきぞれ)渓谷・牛ヶ滝展望台

柿其(かきぞれ)渓谷は、南木曽ではもちろん木曽路の中でも特に渓流や滝の景観が素晴らしい観光スポットです。吊り橋や淵、滝と渓谷の魅力がたっぷり味わえるので南木曽の観光ではぜひ計画に加えてみましょう。

一番のおすすめポイントは牛ヶ滝。十二兼駅から自然歩道を歩くか民宿の奥の駐車場から徒歩で渓流沿いに遊歩道を進みます。長さ35mの「恋路の吊り橋」を渡ると水がエメラルドグリーンに輝く「黒淵」に到着。ここは南木曽の天然の流水プールになっています。「黒淵」を過ぎたらいよいよ牛ヶ滝。展望台から豪快に流れ落ちる滝の眺めが素晴らしいですよ。春はツツジやシャクナゲ、秋は紅葉が私達の観光の目を楽しませてくれます。

もっと柿其渓谷の魅力に浸りたい人は、林道をあと40分歩きましょう。滝の水しぶきが霧状に立ちこめる「霧ヶ滝」で南木曽の自然をたっぷりと味わうことができます。

10.あららぎ温泉 湯元館

南木曽での観光は「歴史の道、中山道」をはじめ、町中や自然の歩道を歩くシーンが多いですね。そんな時に観光の疲れを癒やしてくれる絶好のポイントが南木曽の日帰り湯の「あららぎ温泉 湯元館」です。

木肌が美しく清潔な湯船に桧の湯桶、風呂椅子とかけ流しの湯が心地よい南木曽の温泉です。アルカリ性単純泉のため湯触りがなめらかで体の芯まで温まり、気分もすっかりリフレッシュできます。

広い休憩所で寛いだり、食事処の天ざるそばなどでお腹を満たすのもいいですね。南木曽観光の休憩ポイントとして予定しておくと便利です。

◎まとめ

南木曽は長野県の奥深くにあるイメージですが、塩尻や中津川から高速道路やJR線を使えば、それほど遠い観光地ではありません。むしろ木曽路の自然の風景に浸れるドライブや鉄道に乗ること自体が楽しい旅になります。

自然だけでなく、南木曽で育った野菜を使ったお食事も観光の楽しみですね。南木曽のは美味しいものもたくさんありますよ。自然の美しさに癒され、妻籠宿の歴史と文化を丸ごと味わって南木曽の観光の旅を充分に堪能してくださいね。

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