【世界遺産】シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡とは?|魅力溢れるシチリア島へ

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【世界遺産】シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡とは?|魅力溢れるシチリア島へ

イタリアのシチリア島南東部に位置するシラクーザは、古代ギリシャ時代にアテネに次ぐ第二の都市として栄華を極めていました。紀元前5世紀から4世紀にかけてのディオニュシオス一世の時代には、シラクーザ市民や外国人も多く人口が密集し、古代の都市を形成していたと言えるでしょう。

この時期に多くの建造物が建てられたこともあり、ギリシャ時代の遺跡とローマ時代の遺跡がたくさん残されています。その貴重な古代の建築物である、シラクーザの歴史的建造物と近郊のパンターリカ岩壁墓地遺跡が2005年世界遺産に登録されました。ここでは、その魅力をご紹介します。

目次

【世界遺産】シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡とは?|魅力溢れるシチリア島へ

シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡とは?

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シラクーザの世界遺産は、ギリシャ植民地を最初に作ったオルティージャ島と、本土に分かれています。ギリシャ時代が終わりローマ帝国支配になった時もシラクーザがシチリア島で一番重要な町でした。この時代の遺跡は、シラクーザ考古学公園でたっぷりと見る事が出来ます。

シラクーザを歩いていると、あちこちで見聞きするのが、サンタ・ルチアの名前。それもそのはず、聖ルチアはシラクーサの守護聖人なのです。4世紀頃にローマ軍の兵士により、喉に刀剣を突き刺され、両目をえぐられて殉教しました。目をえぐられた後も光を見る事ができたと言われ、聖ルチアは眼病の聖人として知られています。

ドゥオーモでは聖ルチアのシンボル「両目を乗せた銀の皿と短剣」を見る事ができます。ギリシャ遺跡と17世紀頃のバロック建築、そしてパンターリカの珍しい墓地遺跡など見どころ満載。おすすめの観光地をご紹介します。

シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡へのアクセス

シラクーザへは、直行便がないため、ローマやミラノ経由にてカターニア空港へ行きます。カターニア空港からは、直通バスで約1時間20分。 鉄道の場合は、ローマから約12時間、フィレンツェから約15時間でカターニアへ行き、普通列車に乗り換えて約1時間です。バスは、パレルモから一日3便ほどあり、約3時間15分。

またパンターリカへの最寄りの町は、フェルラかソルティーノでカターニャからバスで約2時間、シラクーザから約1時間35分です。岸壁墓地遺跡は点在しているので、シラクーザから車をチャーターするのがおすすめです。

シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡のおすすめポイント

ネアポリス考古学公園

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シラクーザとパンターリカの岩壁墓地遺跡の一番の見どころといえば、ネアポリス考古学公園は外せません。公園内には、たくさんの見所があり、特に天国の石切り場は有名。紀元前5世紀のギリシャ都市拡大の際に、多くの石が切り出されていきました。

この中にあるのが、ディオニュシオスの耳と名付けられた洞窟。石を切り出した後に出来た洞窟で、奥行き約65m高さ約23mもあり、耳の形のようです。小さな音でも響くので、ディオニュシオスは監獄として使用し囚人の話を盗み聞いていたとか。またシチリアで一番大きなギリシャ劇場は、紀元前5世紀頃に造られ、直径約138mでおよそ15000人収容できます。現在でも毎年5月から6月にギリシャ喜劇の公演を行っているので、時間のある方はぜひ。

また先史時代からギリシャ時代までの発掘品が18000点も展示されているのが、パオロ・オルシ考古学博物館。遺跡見学の総仕上げに是非見学して下さいね。

オルティージャ島

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2005年に世界遺産登録されて以降、シラクーザの様子はちょっと様変わりしました。特に変わったのは、オルティージャ島。戦後荒廃したまま整備されていなかった遺跡や建造物がどんどん修復され、ホテルやレストランも増えて、リゾート化が進んでいます。わずか1km四方ほどの小さな島の中は車両通行禁止なので、徒歩での観光になります。

本土からの橋を渡ってすぐのパンカリ広場にあるアポロ神殿は、紀元前6世紀末に建てられたギリシャ世界で最も古い石造りの神殿。ドゥオーモ広場には、大司教館やサンタルチア・アッラ・バディア教会などが並び、中央には古代アテナ神殿を改装して建てられたドゥオーモが聳えます。シラクーザの守護聖女、聖ルチアに捧げられたドゥオーモは、17世紀にバロック様式に改装され、その美しいファッサードは必見。また一般公開が始まったばかりのマニアーチェ城塞は、オルティージャ島の先端にあり見晴らし抜群です。

パンターリカ

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シラクーザから内陸に30km程の所にあるこの地域は、青銅器時代から人が住み始め、紀元前13世紀から7世紀頃にかけては小王国ヒュブラに属していました。紀元前7世紀にシラク-サ人に滅ぼされ、残されたのはネクロポリと呼ばれる墳墓のみ。切り立った岸壁約12kmに渡って、5000以上の墓が点在しています。この墓穴群は、集団埋葬をする為に人工的に掘った洞窟の跡。

紀元前9世紀頃のものとされるフィリポリトのネクロポリや、北西には紀元前12世紀頃の最古のネクロポリ、1500の墓穴がある北のネクロポリなど5つのエリアに分けられています。シラクーザからの道は険しく、まさに僻地。未舗装の部分も多くレンタカーなどは危険なので、シラクーザから車をチャーターして巡ってもらうのがおすすめです。見上げるくらいの山の岩壁にある墓地群は、ここでしか見られない貴重なもの。まさに世界遺産と言える遺跡です。

◎まとめ

シチリア島の美しさと、独特の雰囲気は訪れた人を虜にする魅力があります。広いシチリア島を一度に見るのは大変なので、何日かにわけて観光するのがおすすめ。ローマ遺跡の残る街並みや美味しいシーフード、リゾートホテルも多くイタリア人にも人気の観光地です。シチリア島を訪れるなら、ヨーロッパ中の人が訪れる夏のバカンス時期より、少し早めに行くとより楽しめますよ。

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