名称:パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境
住所:annonhalma, Var 1, 9090
公式・関連サイトURL:http://bences.hu/lang/en/en
ハンガリーの首都ブダペストから西に、150km程の所にある町パンノンハルマ。人口わずか4000人ほどのパンノンハルマ市の丘に聳えるのがパンノンハルマの大修道院です。創設から1000周年にあたる1996年、周囲に広がる豊かな森とともに「パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境」の名称で世界遺産に登録されました。
ハンガリー初代国王イシュトヴァーンの父ゲーザ公が、ベネディクト派の修道士を呼び寄せて修道院を設立したのは996年のこと。アジア系の騎馬民族を祖先に持つハンガリー人がキリスト教徒になる事で、ゲーザ公の息子はローマ教皇から、イシュトヴァーン一世の称号を授かり、ハンガリー王国が建国されました。そんな長い歴史をもつハンガリーの世界遺産をご紹介します。
目次
千年の歴史を刻む修道院!世界遺産パンノンハルマのベネディクト会修道院
パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境とは?
ハンガリー建国前から存在し、オスマン帝国の侵攻や第二次世界大戦、その後の共産主義政権など激動の時代を、ハンガリー王国と共にくぐり抜けて来たのがパンノンハルマの大修道院です。ロマネスク様式で建てられた修道院は12世紀に焼失し、13世紀にゴシック様式で再建。その後何世紀にも渡り増改築が繰り返されてきました。
現在も約40名の修道士が共同生活を送る現役の修道院なので、日曜日の午前中は礼拝の為に見学はできません。修道院内は自由に見学できますが、より詳しく知りたい方には、専門ガイドツアーがあります。事前にオフィシャルサイトか、当日ビジターセンターで申し込みが必要です。英語はちょっと、という方には、日本語のオーディオガイドの貸し出しがありますよ。とても分かりやすい説明なので、ぜひ聞きながら周ってみてくださいね。
パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境へのアクセス
ブダペスト東駅からジュールまで鉄道で約1時間20分で到着します。ジュール駅からは、バスでパンノンハルマの大修道院まで約45分。ただし、バスの便は少なく、修道院正門まで行くバスはわずかなので要注意です。パンノンハルマの街中心からは、坂道を20分ほど歩いて登っていく事もできます。
パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境のおすすめポイント3
聖堂
聖堂へは、19世紀に造られた高さ約55mの塔にある天国の門をくぐります。扉の上部に描かれているのは、孔雀。ハンガリーでは孔雀は希望の象徴とされています。皇帝フランツ・ヨーゼフの息子ルドルフが愛人と心中して未亡人となったステファニー妃は、ハンガリー貴族と再婚し、主祭壇下のクリプトに眠っています。
同時に、彼女の身の回りの品々も修道院に寄付されています。また、2011年に亡くなったハプスブルク家最後の皇太子オットー・フォン・ハプスブルクの心臓もここに安置されています。派手さはない聖堂ですが、小さなバラ窓から柔らかな光が差し込む、優しい空間でしばし時間を忘れて見るのもいいですね。
付属図書館
見学コースの最後に登場するのは、修道院付属図書館です。ラテン語やドイツ語で書かれた古い本が多く、ハプスブルク家支配下では、ハンガリーの公用語がドイツ語だった事をしのばせます。蔵書数は40万冊を超え、特に宗教学、薬学、薬草に関する書物が充実。最古のハンガリー語で書かれたティハ二修道院創設に関する古文書も保管されています。紙や印刷物が高価だった時代に、これだけの蔵書を誇るのは修道院の格をあらわしていると言えるでしょう。
学校図書館の役割も担っているので、一般図書も置かれ、研究者には閲覧も許可されています。ハンガリー国民であれば貸し出しも可能。ただし、自分で本を手に取るのではなく、事務所で申し込み、司書が届けてくれるシステムです。天井までびっしり積み上げられた本の山は、手に取る事は出来なくても、本好きの方にはワクワクする空間。19世紀の地球儀も必見ですよ。
ボタニカルガーデン、ギフトショップ
パンノンハルマ修道院では、古くからハーブ類を育てていました。付属のハーブ園ではラヴェンダーを中心に、各種ハーブが植えられており、中を見学する事ができます。6月から7月はラヴェンダーのベストシーズンなのでお勧め。修道院周辺にもラヴェンダー畑や、ひまわり畑、葡萄畑が広がり、それらの自然環境も含めての世界遺産です。
またギフトショップには、ラベンダーオイルや石鹸、ハーブティーやハーブリキュールなどの自家製のハーブグッズがたくさんあり、お手頃価格で人気。近年はワイナリーの運営も始めたので、オリジナルワインの販売もあり、ティスティングツアーも行われていますよ。他にも色々なオリジナルグッズが人気のショップや、お土産に喜ばれそうな物がいっぱいあります。
◎まとめ
歴史あるパンノンハルマの大修道院は、古くから地元の人達との交流を大切にしてきました。敷地内には、全寮制の男子校や老人ホームもあります。また観光客や地元の人にも人気のレストランがあり、その味とサービスには定評がありますよ。レストランからの景色も抜群なので、ランチはここがおすすめ。ブダペストからの小旅行にピッタリのパンノンハルマ修道院へ行ってみませんか。