【世界遺産】サクリ・モンティの魅力とは？｜聖なる山の巡礼地！

イタリアには世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」があります。ここは山の上に築かれた、かつての巡礼地。サクリ・モンテとはイタリア語で「聖なる山」の意味を持ち、モンティはその複数形です。この施設は、イタリアのピエモンテ州とロンバルディア州に数多く造られています。中には壮大で豪華なものもありますが、比較的質素でシンプルなものが多くなってます。

本記事で紹介する世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」は、全9ヶ所があります。なかには昔は登るのも大変な崖につくられたものもありますが、現在では道も整備され観光し易くなっているので安心してください。以下でサクリ・モンティについてチェックしていきましょう。

ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティとは？

イタリアの世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」は、16世紀後半から17世紀前半にかけて、山の上にたてられた宗教的建築物。昔から聖地として人々が訪れていました。当時はキリスト教の聖地であるエルサレムはオスマントルコ帝国によってイスラム勢力下にありました。ヨーロッパのカトリック教徒は、エルサレムに巡礼する代わりにサクリ・モンティに訪れていたのです。2003年、サクラ・モンティのうちピエモンテ州の7ヶ所とロンバルディア州の2ヶ所、全9ヶ所が世界遺産に登録されました。

デザイン・景観、彫刻・絵画など各教会には特徴があり、それぞれにキリスト教信仰のさまざまな様相が表現されています。建設のきっかけは1535年のトリエント公会議の結論を受け、プロテスタントに負けずにカトリック勢力を保とうとしたこと。8つの聖山の造営が行われ、しだいに宗教的にも権威となっていたのです。

サクリ・モンティへのアクセス

世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」の中でも有名な、ヴァラッロのサクロ・モンテへのアクセスをご紹介します。世界遺産のヴァラッロへは、ミラノから行くのが良いでしょう。日本からも直行便が出ていますのでご利用くださいね。
ミラノ中央駅からはユーロシティを使ってノヴァーラまで行き、乗り換えてヴァラッロ・セジア駅で降りましょう。ミラノからの所要時間は約90分です。

さらに世界遺産「ヴァラッロのサクロ・モンテ」までは、ロープウェイ又は遊歩道で上れます。遊歩道を使っても約20分ですのでそう遠くないですよ。またタクシーでサクロ・モンテ入口まで行くことも可能です。

サクリ・モンティのおすすめポイント①：ヴァラッロのサクロ・モンテ

世界遺産「ヴァラッロのサクロ・モンテ」は、標高608ｍのトレ・クローチ山に位置しています。1491年にカイミ神父により造営されたサクラ・モンテで、ピエモンテ州で最も古く、最大級の規模を誇ります。その後200年ほどをかけて、近隣に礼拝堂や付属の宗教施設も建設されました。順路は緑の中に佇む45の礼拝堂を回った後で、「キリストの受難」を見るのがおすすめですよ。

世界遺産「ヴァラッロのサクラ・モンテ」は、荘厳な彫刻や壮麗な宗教画がとても魅力的。奥行きのあるフレスコ画や、テラコッタ彫刻も点在していて見応えがありますよ。細部にまでこだわった中世ヨーロッパの職人の技術を見ながら、イタリア芸術の素晴らしさを体感してくださいね。1578年には、ミラノ大司教「サン・カルロ・ボロメオ」が、このサクラ・モンテに感動し「新エルサレム」と評価したのも壮大なエピソードですね。

サクリ・モンティのおすすめポイント②：サン・ジューリオ島とオルタの町

サン・ジューリオ島の町も世界遺産「ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ」のひとつです。1591～1770年にかけて建てられた約20の礼拝堂が並んでいますよ。またイタリアの湖水地方・オルタ湖の真ん中に浮かぶサン・ジューリオ島にも教会が残っています。湖と島の絶景を望むなら、湖の西にあるサクラ・モンテから見るのが一番美しいと言われていますよ。

町からボートですぐのサン・ジューリオ島にある教会は、4世紀に建てられており内部は見事なフレスコ画で覆われています。黒大理石で作られた説教壇も見どころのひとつ。小さな町と島のコラボが巡礼地としての神秘性を増していますね。美しい別荘や庭園もある落ち着いた町並は、徒歩約45分で回れるので時間があれば散策してみましょう。

◎まとめ

世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？「聖なる山」を意味するだけあってどこも神秘的な雰囲気に包まれていますよ。ここでは「ヴァラッロのサクロ・モンテ」と「サン・ジューリオ島とオルタの町」を特に紹介しましたが、ほかにも魅力的なサクロ・モンテがあるので調べてみてくださいね。これで世界遺産「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」の紹介をおわります。