「森の墓地」スクーグシュルコゴーデン【スウェーデンの世界遺産】

「森の墓地」スクーグシュルコゴーデン【スウェーデンの世界遺産】

スウェーデンのストックホルム南部にある「スコーグスシュルコゴーデン」は、森の墓地の世界遺産です。日本の墓地とは雰囲気が違い、一歩足を踏み入れるとここが墓地であることを忘れてしまいます。世界遺産には、ピラミッドやタージマハルをはじめ、古代の古墳など多くのお墓が登録されていますが、スクーグシュルコゴーデンは他とは異なる近代建築の共同墓地。

駅をでて菩提樹の並木道沿いを歩いていけば、すぐそこがお墓という便利さも魅力的な世界遺産です。今回は、スウェーデンの世界遺産「スクーグシュルコゴーデン」をご紹介します。

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「森の墓地」スクーグシュルコゴーデン【スウェーデンの世界遺産】

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スコーグスシュルコゴーデンとは?

スコーグスシュルコゴーデン(スウェーデン世界遺産)

スウェーデンの首都ストックホルムでは、かねてから墓不足が問題になっていました。

1915年に新墓地建設のために行われた国際コンペで、スウェーデンの建築家、エリック・グンナル・アスプルンドとパートナーのシーグド・レーベンツ設計案が選出されます。この設計により、砂利採石場跡地とその周辺は森林へと造り替えられました。これが美しい近代墓地の世界遺産「スクーグシュルコゴーデン」です。

コンペの時に彼らが設計したのは、立体的な形の礼拝堂や森の火葬場、周囲の森林とバランスよく造られた墓地でした。景観デザインの価値と建築様式の素晴らしさが評価され、1994年に「スクーグシュルコゴーデン」として世界遺産に登録。この「スクーグシュルコゴーデン=森の墓」との意味を持ち、広大な森の中に10万基以上のお墓が建てられています。

現在も使われている近代的な共同墓地が、世界遺産に登録されるって珍しいことです。素晴らしい近代墓地の「スクーグシュルコゴーデン」の魅力を体感してください。

スクーグシュルコゴーデンへのアクセス

世界遺産のスクーグシュルコゴーデンへのアクセス方法をご紹介します。

日本からスウェーデンへの直行便がないので、ヨーロッパで乗り換えが必要です。乗り継ぎ時間にもよりますが、ストックホルムまでは約12~15時間が目安。フィンランド航空は、成田空港や中部国際空港、関西空港発があります。日本からヘルシンキまでは約10時間、ヘルシンキからストックホルムまで1時間ほど。

ストックホルム中央駅から地下鉄で南に約14分で「Skogskyrkogården」駅に着きます。そこから徒歩すぐとアクセス抜群です。

スクーグシュルコゴーデンのおすすめポイント①:森の中に点在する10万基の墓地

スコーグスシュルコゴーデン(スウェーデン世界遺産)

スクーグシュルコゴーデンは、東京ドーム約22個分の広大な敷地の中に10万基以上の墓地が整然と並んでいます。

スコーグスシュルコゴーデン(スウェーデン世界遺産)

「死者は森へ帰る」という、独特の死生観を持つスウェーデン人にとって森は「故郷」のようなイメージ。それもあり世界遺産のスクーグシュルコゴーデンでは、森が優先的に造られ、森の墓という名前が付けられたのでしょう。静寂と木漏れ日の中に佇む墓石は穏やかで訪れる人々に安らぎを与えています。

森の中には、888mもある1本の長い道があり、瞑想の丘から復活の礼拝堂を結びます。「七井戸の小道」と呼ばれ、道の長さにも死者を悼む人たちへの配慮がされ、888mは死者とのお別れを継げるための大切な距離。森が主役であくまでもお墓はその一部という美しい森に訪れてみてはいかがでしょうか。

スクーグシュルコゴーデンのおすすめポイント②:礼拝堂

スコーグスシュルコゴーデンの礼拝堂(スウェーデン世界遺産)

世界遺産のスクーグシュルコゴーデンには、森の火葬場の他に「信仰の礼拝堂」、「希望の礼拝堂」、「聖十字架の礼拝堂」など5つの礼拝堂があります。この5つの礼拝堂は1940年に完成したもの。森の礼拝堂は、アスプルンドが設計し、1920年に世界遺産のスクーグシュルコゴーデンで最初に完成した最小の建物です。この礼拝堂と野外セレモニー場があり、年間2000件ほどのお葬式が行われています。

入口を入るとすぐに花崗岩の十字架があり、1939年にアスプルンドによって造られました。生命の循環のシンボルと位置づけられる十字架は、堂々とした姿が印象的。この十字架の先には瞑想の丘があり、ストックホルムや森の火葬場を眺めることができます。世界遺産のスクーグシュルコゴーデンを巡る途中にここで一休みして、眺望を楽しむのもおすすめです。

スクーグシュルコゴーデンのおすすめポイント③:万聖節の幻想的な風景

万聖節 スコーグスシュルコゴーデン(スウェーデン世界遺産)

スウェーデンでは11月の初めの土曜日に万聖節(ばんせいせつ)が行われ、祝日となっています。万聖節の日には死者を弔うために、花やロウソクをお供えする習慣があります。世界遺産のスクーグシュルコゴーデンでも行われており、昼間の雰囲気とは一転して夜は幻想的な雰囲気。この時期に旅行される方にはおすすめです。

また、5月の第一日曜日から9月の最終日曜日までの日曜日に有料のツアーも開催。スウェーデン語ですが、興味のある方はツアーに参加してみてはいかがでしょうか。

◎スウェーデンの世界遺産「スクーグシュルコゴーデン」まとめ

スコーグスシュルコゴーデン(スウェーデン世界遺産)

世界遺産のスクーグシュルコゴーデンをご紹介しました。自然と近代墓地の見事な調和が、訪れる人々に安らぎを与えてくれる世界遺産です。

木々の木漏れ日や美しい風景を見ながら散策するだけでも安らぎます。ぜひ訪れてみてください。

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