ヨーロッパ建築の最高峰!オランダの世界遺産「ファンネレ工場」

ヨーロッパ建築の最高峰!オランダの世界遺産「ファンネレ工場」

オランダ・ロッテルダムの世界遺産を代表するファンネレ工場。熱帯地域の国々から輸入したたばこやコーヒー、紅茶を加工する工場で、なんと1995年まで現役で稼働していました。ファンネレ工場が初めて建てられたのは1931年、日本ではまだ薪やランプが常用されていた時代でしょうか。この工場施設群は後に「オランダ機能主義建築の最高傑作」、「オランダ近代建築史上ひいては近代建築史上を飾る代表作のひとつ」などと言われ称賛を浴びるようになります。2014年の世界遺産協議会の結果、ついにロッテルダムの世界遺産に選出されました。今回はそんなロッテルダムのランドマークとなっている世界遺産ファンネレ工場の見どころをたっぷりとお伝えします!

目次

ヨーロッパ建築の最高峰!オランダの世界遺産「ファンネレ工場」

ファンネレ工場とは?

出典: Hanno Lans (CC BY 2.0)

世界遺産ファンネレ工場の「ファンネレ」とは、ファンネレ社を創設した夫妻の名前から取ったもので、ロッテルダムで知らない人はいないほど有名な会社です。しかし有名なのは会社ではなく、世界遺産の名にもなっている工場。ガラス張りの近代的なデザインもさることながら、世界遺産に選出されるにあたり高い評価を得たのが、その機能性でした。

工場を建てるにあたり、最も重要になるのは商品の輸送手段であると考えたファンネレ社は、東側には運河、南側に鉄道が直結するようにと、ロッテルダム郊外の地理を最大限に有効活用した土地に工場群を建設させています。正面から見て左側、最も大規模な建物がたばこ工場、隣にコーヒー工場、最も小規模なのが紅茶工場で、それぞれの建物は階段で行き来できるようになっているのが特徴。1995年に営業を停止してからは、ロッテルダムを代表するデザイン工場として、建物の保存を重視した転用がなされています。

ファンネレ工場へのアクセス

世界遺産といえば公共交通機関で行きにくい辺鄙な場所というイメージがありますが、ファンネレ工場は非常に分かりやすく、訪れやすい場所に位置しています。オランダ中心部ロッテルダム駅バス乗り場から38番のバスに乗車。10分弱で右手側にモスクが見えてきたら、Beukelsbrugで下車し、そこから目の前の工場まで約3分で到着です。

ファンネレ工場のおすすめポイント

時代に先駆けた建築

世界遺産ファンネレ工場の最大の魅力は、ロッテルダムを代表するその建築にあります。海に面したロッテルダム郊外、効率的なネットワークを考慮した場所に建てることで、仕事上の無駄を省くことに成功し、また同時に配慮したのが、職員の働きやすさでした。

工場というだけで建物内が暗そうなイメージを抱いてしまうのは現代も同じ。そんな思いを跳ね退けるように、ファンネレ工場の壁には一面にガラス製カーテンウォールが採用されています。これにより、内部には最大限に陽光を取り入れることが可能となり、また空間を広く見せることに成功。世界遺産委員会も、ロッテルダムにある町工場が20世紀に入ってまもなくの時代に、欧州や北米に存在した技術や建築的思想を駆使し、仕事の効率性だけでなく、審美性までもを考慮して建築されたことを高く評価し、世界遺産に登録することを決めました。

◎まとめ

今回は、オランダ・ロッテルダムのランドマーク、ファンネレ工場をご紹介しました。日本では庶民が暮らす長屋に、やっと電気や水道が引かれ始めた時代、オランダでは想像もつかないほど建築技術が発達し、目を見張るような建築物が建っていたことになります。現在は企業やギャラリーとして転用されているファンネレ工場ですが、基本的には館内ツアーでのみ立ち入りが許可されています。ぜひ外からだけでなく、ガイドツアーに参加してみてくださいね。

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