中世にタイムスリップ!ロシア最古の都市ノヴゴロドの世界遺産

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中世にタイムスリップ!ロシア最古の都市ノヴゴロドの世界遺産

数あるロシアの世界遺産の中でも群を抜いて美しいノヴゴロド。ノヴゴロドは中世までヨーロッパとロシアの交易の中心として栄え、中世そのままの景観が大変美しい町です。独自の自由都市として中世まで存在したノヴゴロド公国は、名前の通り公国ではありましたが、実態は貴族が支配する貴族共和制という珍しい形態を取っていました。

ノヴゴロドは資源や産業に恵まれた豊かな都市でした。貿易では特に毛皮の輸出で経済発展し、その恩恵を受けて芸術・文化も洗練された豊かな国。そんな中世を今に伝える芸術都市、ノヴゴロドの美しい世界遺産をご紹介します。

目次

中世にタイムスリップ!ロシア最古の都市ノヴゴロドの世界遺産

ノヴゴロドの文化財とその周辺地区とは?

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ノヴゴロドは新しい町という意味を持ちますが、実際には9世紀にできたロシアで最も古い都市です。美しい教会や修道院に囲まれたノヴゴロドはロシア正教の精神的支柱としてだけではなく、ロシア建築の中心でもありました。特にテオファン・グレクが制作した14世紀のフレスコ画や中世の建造物は芸術的に高い評価を受けています。

ノブゴロド派と呼ばれるイコンは伝統様式を守りながらも独特の雰囲気を持ち、ロシアを代表する様式として発展しました。さらに11世紀半ばに建築された聖ソフィア大聖堂をはじめとして、12世紀から19世紀に建設された素晴らしい建築物も残っています。また、ノヴゴロド市内だけではなく、周辺都市にもネレディツァの救世主教会など4つの宗教的建造物が世界遺産として登録されています。

ノヴゴロドの文化財とその周辺地区へのアクセス

ノブゴロドにはモスクワから夜行列車が毎日出ています。所要時間は8時間。サンクトペテルブルグからはバスで4時間ほど。さらにサンクトペテルブルグから日帰りツアーもあるので、手軽に行きたい方はそちらがおすすめです。

おすすめポイント①聖ソフィア大聖堂

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1045年から1050年の間に建てられた聖ソフィア大聖堂(Cathedral of St. Sophia)はロシア最古の教会、そしてロシア最古の建築物でもあります。キーウの聖ソフィア大聖堂を再現しようとした、玉ねぎ屋根のクーポラが特徴的なビザンチン様式の教会です。

しかしある歴史家が「キーウの大聖堂は花嫁で、ノヴゴロドの大聖堂は戦士である」と述べたように、荘厳で豪華な装飾品で飾られたキーウの大聖堂とはまるで正反対。必要最低限に抑えられた装飾はシンプルなもので、内装にはモザイク模様ではなくフレスコ画が用いられ、大理石も使用されていません。それでもノヴゴロド派の黎明期の傑作となり、その後の建築に大きな影響を与えました重要な世界遺産です。

おすすめポイント②イリーナ通りのスパサ・プレオブラジェーニヤ教会

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ノヴゴロドを代表する世界遺産、イリーナ通りのスパサ・プレオブラジェーニヤ教会は城壁に囲まれた場所から徒歩15分ほどの場所にあります。最も古い教会の一つで、中世ロシアを代表するイコン画家であるテオファン・グレクのフレスコ画があることで世界的に有名。最近になって壁の下から発見され、そこに描かれた人物は力強く見ごたえがあります。

また大聖堂には「生母出現」のイコンがノヴゴロドをスーズダリから守ったという伝説があるんですよ。スーズダリに攻めいれられた時、大主教はお告げがあった通りにこのイコンを町の城壁に掲げました。するとイコンの聖母が涙を流し慈悲を乞い、スーズダリの王は侵攻を諦めたということです。現在はこのイコンは聖ソフィア大聖堂に保存されています。

◎まとめ

世界遺産の町であるノヴゴロドは、のんびりとした時間が流れる町です。美しい街並みに溶け込む世界遺産の建築物は、ゆっくりと見てまわるのがおすすめ。紹介した以外にも、記念碑や博物館、修道院などがあります。ぜひロシア最古の町で、興味深い歴史を探索してみてくださいね。

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