名称:クレスピ・ダッダ
住所:Crespi d'Adda frazione di Capriate San Gervasio (BG), Italia
公式・関連サイトURL:http://www.villaggiocrespi.it/crespidadda/jap/
イタリアの世界遺産クレスピ・ダッダは綿織物工場で働く労働者のために工場主が造った小さな村。川が流れ森があり自然環境はとても良く、その街並みや建物が良い状態で残っている世界遺産です。
国家が十分なまだ社会保障を行えなかった19世紀末に、企業が労働者のために必要なものはなんでも提供した理想郷のような村があったというのは驚異的です。美しい環境の中にある村を散策して当時の生活を感じてみるのも良いですね。労働者たちのユートピア、どこをとっても至れり尽くせりのイタリアの世界遺産「クレスピ・ダッダ」をご紹介します。
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【世界遺産】クレスピ・ダッダとは?|労働者たちのユートピア!?
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クレスピ・ダッダとは
イタリアの世界遺産「クレスピ・ダッダ」。19世紀末、綿織物工場主が工員とその家族が快適に生活し仕事ができるように自分の所有地に建設した小さな村です。アッダ川とブレンブロ川が合流する何も無い三角地帯に造られました。工場の目の前には碁盤の目のように工員たちの家庭菜園付き住居が美しく並んでいて、住居には当時の工員の子孫が現在も暮らしているところもあるんですよ。
この村で働いている全ての工員に対して家庭菜園と庭がある住宅だけでなく、学校や教会、病院、余暇活動センター、劇場、公共浴場などコミュニティ生活に必要な全てを無料で提供するという当時としては極めて斬新なコンセプトを実践した世界遺産「クレスピ・ダッダ」。工場主であったクレスピ一族は資産家であったと同時に従業員も家族の一員として考えた温情主義者でした。
まさに理想郷といえる「クレスピ・ダッダ」。1878年から始まった村も1920年代末、世界恐慌のあおりを受けて終焉を迎えることとなります。しかしこの野心的な試みは20世紀の社会の在り方に多大な影響を及ぼしました。
クレスピ・ダッダへのアクセス
ベルガモ駅近くにあるLocatelli社のバスに乗り途中1度乗り換えて約1時間ほどで到着です。しかしバスは本数が少ないので、ベルガモ市内からタクシーで行くのがおすすめです。
またはガイド付きツアーなどに参加してクレスピ・ダッタへ入村するのも良いでしょう。
クレスピ・ダッダのおすすめポイント①:お城
出典: Emiliano Allocco / shutterstock
イタリアの世界遺産の村「クレスピ・ダッダ」の領主兼工場主の住居は、森の中にたたずむ煉瓦造りの美しいお城。村に住む人々を見守るように建つ姿が印象的です。
世界遺産クレスピ・ダッダの領主は工場の中でも外でも工員たちのことを考え、それを村の運営に反映させていました。それだけにその信頼感は厚く父親的存在であったというから、まさに理想の経営者!残念ながらクレスピ・ダッダの領主の住んでいたお城は現在住居となっているので内部見学はできないのですが、外側からその雰囲気を楽しむことができますよ。
クレスピ・ダッタのおすすめポイント②:教会
イタリアの世界遺産クレスピ・ダッタにある小さな教会。領主クレスピ家の故郷ブスト・アルシツィオにあるルネッサンス様式の聖マリア教会の外観をそっくりに造りました。イタリアの世界遺産クレスピ・ダッタの領主クレスピはこの教会を見るたび故郷を思い出していたのかもしれませんね。
内部の壁は美しい色彩のフレスコ画が描かれています。村を散策するのならぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
クレスピ・ダッタの注意事項
19世紀末の姿を今にとどめる美しい村、世界遺産「クレスピ・ダッタ」。現在も静かに日常生活を送っている人々が暮らす場所でもあります。遅い時間に騒いだり、むやみに私有地に入ったりしないようにしましょう。村のバスの本数は少ないので、利用する場合は時間をよくチェックして乗り遅れないよう気を付けましょう。
◎まとめ
イタリアの世界遺産クレスピ・ダッダは19世紀末、画期的な企業がつくった村として労働者達のユートピアとなりました。自然に恵まれ周囲の環境も素晴らしく、後にも先にもこれほど理想的な住環境があるだろうかと思えるほどです。世界恐慌の影響で残念ながらその歴史は幕を閉じましたが、実在した理想郷としてこれからも人々に語り継がれていくことでしょう。
ぜひ世界遺産クレスピ・ダッダを散策して、当時の生活に思いを馳せてみてくださいね。