名称:La Fortaleza and San Juan National Historic Site in Puerto Rico
住所:63 Calle Fortaleza San Juan, 00901(ラ・フォルタレサ)
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/266
カリブ海に浮かぶアメリカの自治連邦区の島プエルトリコ。スペイン語で「豊かな港」という意味で、英語にすると「Port Rich」となります。コロンブスがこの島を発見して入港した時、「なんて美しい港なんだ!」と叫んだことが由来だといわれています。島の北東岸のサン・ファンは、プエルトリコの自治領主都であり最大の都市。厳密にはプエルトリコ島に付属するサンファン島に旧市街があり、16世紀前半にスペイン人が入植して以来の古い町並みが残っています。ラ・フォルタレサもそうした歴史的建造物の1つで、ビエホ・サン・フアン(古いサン・ファンの意)と呼ばれる旧市街全体が、歴史地区として世界遺産に登録されました。今回は、カリブ海の古都サン・ファンの見どころをざっくりまとめてご紹介します。
目次
プエルトリコの美しき世界遺産!ラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区
プエルトリコのラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区とは?
コロンブスが発見したプエルトリコ島には、1508年からスペインのコンキスタドールがやってきて土着のタイノ人を征服しました。1521年にはサン・ファンが植民地の中心都市となり、教会や城塞が建設されていきました。1540年に完成したラ・フォルタレサもその内の1つです。
1589年にはサン・フェリペ・デル・モッロ砦は「カリブ海最高の要塞」とも称され、1度はイギリスに占領されたものの、度重なる外国や海賊の攻撃を防いで19世紀を過ごしました。1898年に米西戦争が始まると、サン・ファンはアメリカ軍によって占領され、戦後プレルトリコはアメリカに割譲されます。
以後、19世紀にスペインの総督官邸となっていたラ・フォルタレサはアメリカの州知事官邸なり、現在に至っています。
プエルトリコのラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区へのアクセス
世界遺産「プエルトリコのラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区」のあるサン・ファン旧市街へは、まずアメリカの主要空港を経由してプエルトリコ唯一の空港であるルイス・ムニョス・マリン国際空港を目指します。
空港からサン・ファン市街地へのアクセス方法は、タクシー・レンタカー・路線バスの3つ。バスは1時間に1〜2本と本数が少ないうえ、乗り換えが必要です。さらにプエルトリコはスペイン語が主流なので、初心者はタクシーかレンタカーが無難ですよ。空港からサン・ファン旧市街までは車で約20分、ラ・フォルタレサまでは25分ほどで到着します。
プエルトリコのラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区おすすめポイント
1. サン・フェリペ・デル・モッロ砦
単に「エルモロ要塞」とも呼ばれるこの城砦は、サンファン島の先端にあって港の入口を完全に押さえています。サン・ファンに入港する船は、すべてこの要塞を脇腹を見せながら回り込まなければなりません。
余計な装飾を一切省いた100%実用目的のこの巨大要塞は、イギリスやオランダ、さらには有名なカリブの海賊フランシス・ドレークらの攻撃を幾度となく撃退。豊かな港ことプエルトリコを守り続けてきました。
現在は、世界遺産サン・ファン歴史地区の観光メインコースの1つとなっています。海や旧市街を見渡せる数少ない眺望スポットであると同時に、カリブの港湾都市の歴史を雄弁に語る史跡として多くの観光客を魅了しています。
2. ラ・フォルタレサ
ラ・フォルタレサとは英語で「the Fortress」、つまりそのまんま「要塞」という意味です。エルモロ要塞に先立つ1540年に築かれ、建設当初は4層の壁をもつ重厚な砦でした。
城内にある塔でプエルトリコ総督がスペイン国王へ忠誠を誓う儀式を行っていたことから、エルモロ要塞の完成後は城砦としてより総督の住居としての性格が強くなります。1822年以降は正式に総督邸となり、建物も壮麗な宮殿に造りかえられました。アメリカの統治下に入ってからも州知事官邸として利用され、ケネディ大統領やオランダ女王ユリアナ、スペイン国王フアン・カルロス1世などのVIPも滞在したことがあります。
特徴は、淡く美しい外壁の青色!まるでウェッジウッドのコーヒーカップのようです。今も現役の政府施設ですが、会議さえ開かれていなければ一般人の観光も可能です。ただし、ラフな格好では入れないので服装に注意しましょう。
3. サン・クリストバール砦
エルモロ要塞とは反対側、旧市街の東側を守っているサン・クリストバール砦は、サン・ファンの城砦群では比較的新しい1783年の完成です。スペインが新大陸に建設した要塞としては最大級で、上から見るとティターンズのロゴを逆向きにしたような形をしています。1797年にはイギリス艦隊の侵攻を撃退するのに貢献しました。
1961年以降は博物館となり、プエルトリコの歴史資料が多数展示されています。縦横無尽に走る地下兵営通路なども見学できるので、近世の要塞戦について実感をもって追体験することができるでしょう。稜堡の上を歩いたり、城壁の縁の防御塔に入ったりすることもでき、こちらも眺めは抜群です!エルモロ要塞、ラ・フォルタレサと観光したら、ぜひサン・クリストバール砦にも足を延ばしてみてください。
◎まとめ
1983年に世界遺産に登録された「プエルトリコのラ・フォルタレサとサン・ファン歴史地区」を紹介しました。美しいビーチを持ち、「カリブ海の楽園」や「カリブ海のハワイ」と呼ばれるプエルトリコ。明るく陽気なイメージが強いこの島には、他国からの攻撃を防ぐために作られた歴史ある建造物がたくさん残されています。カリブ海のビーチもいいですが、歴史的な世界遺産にも目を向けてみてくださいね。